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それから
しおりを挟む「ごめんね、きれいな栗色の髪がこんなことになってしまうなんて」
俺はエミリーちゃんのふわふわの髪を指先ですいた。
闇の魔力が浸透したせいか、彼女の栗色の髪はいま真っ黒に染まっている。
それでも振り向いたエミリーちゃんは笑顔だった。
「わたし、嬉しいです。だってこの髪、ルキさんとお揃いだもん」
───ふぅ。
か わ い い !!!!!
「でもどうせなら、瞳の色もお揃いになりたかったです」
「あれ、同じ黒じゃない?」
「違いますぅ。わたしは黒だけど、ルキさんの瞳は星が散っていて、紺色に近い色味なんです。まるで夜空みたい。わたし、大好きです」
───ふぅ(2回目)。
が ま ん は し た 。
「あのね、ルキさんにゅぅ───ん、あぅ、なんでキスぅ? 嬉しいですけど」
「エミリーちゃんが俺と同じ瞳になりたいって言うから。いっぱい身体を重ねて魔力を注げば、俺と同じになれるんじゃないかと思って」
「もぅ、ルキさん。まだ朝ですよ」
「関係ないね」
「きゃぁっ」
「───関係あります、魔王様」
「ユグノー………」
チッ。有能な部下のお出ましか。
執務室にも鍵をかけるべきだな。
「それで、何の報告だ?」
「人間側が無期限停戦を要求してきました」
「ふん、やっとか」
俺はユグノーから書面を受け取り、目を通した。その間もエミリーちゃんは膝にのせたままだ。もはや定位置。
「条件は……ほう」
1、魔王およびその配下は北の大地を領地とする。
2、残り4つの大地は人間のものとし、魔王およびその配下はその地を脅かしてはならない。
3、今後、双方は戦争ではなく貿易を通し互いに平和な交流を持つこと。
4、有効の印として人間側は魔王に聖女を差し出す。
5、……………
「ずいぶん上から目線だが………まぁいい。こちらが誘導したままの内容だ」
「しかし、本当によろしいので? 魔王様ならば、人間どもを一瞬で屠るなど容易いというのに。わざわざ生かすとは……」
「我が妻も、元は人間。すべてを屠れば、妻が悲しむ。まぁ、お前が言うとおりそのうち邪魔になれば消すだけだよ」
「愚問でしたね。我々も奥方様には心安らかにお過ごしいただきたいと願っております」
「わかればよい。──ああ、東の王国は焼いておけ。5つ目の条件に自分の娘を嫁がせる、などとふざけたことを抜かしている。邪魔だ」
「御意に」
ユグノーが闇に去ると、やっとエミリーちゃんから殺気が消えた。
「………側室なんかお迎えになったら、わたし、その子のこと殺しちゃいますからね」
「可愛いね、エミリーちゃん。嫉妬してくれるの?」
エミリーちゃんの細い指が俺の首にまわる。
「ルイさんはわたしのものです」
ふふ。本当に愛しいね、この娘は。
俺は目を閉じて、嬉々として彼女の愛撫を受け入れた。
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面白かったです〜💓
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それは聖女も寝返りますよ❤️
末永く(笑)お幸せに💖
読んでくださってありがとうございます〜!
おかげさまで最後はエミリーちゃんも立派な悪魔になりました☆