上 下
2 / 22

第1話 姉妹の再会

しおりを挟む
 翌日、私は『王立トルバラード学園』の校門前に来ていた。

 まだ入学試験中というのもあり、そこは人で溢れかえっている。
 中には親を連れている子もいたけれど、ほとんどが入学試験を受けに来た若者だった。

 ──そわそわ。

「まだか……」

 私は壁に背を付け、もたれ掛かるように立っていた。

 エルフという種族は森に籠っているのもあって、かなり珍しい。百年くらい英雄として各地を渡っていても、他のエルフ族はほとんど見かけなかった、
 そのため若者やその学園の生徒、教師は何度もこちらをチラチラと見てくる。

 しかし、私はそんな視線をどうとも思っていなかった。

 ──うずうず。

 首を右に左に。
 ……望む姿は見当たらず、俯き、溜め息を一つ。

「お姉ちゃん!」

 その声にバッ! と顔を上げる。

 こちらに手を振りながら、満面の笑みで駆け寄るエルフの少女。
 腰まで伸びたサラサラの金髪は、日の光に当たって輝いている。それは彼女の笑顔と相まって、見ているこちらも明るい気分にさせてくれる。

 私が今か今かと待ちわびたその少女は、私の一番大切な妹──ミオだ。

「ミオ!」
「ふぇ……? お、お姉ちゃん!?」

 私はミオに駆け寄り、抱きしめた。
 両者の距離を切り取り、一瞬で移動する『空間魔法』を使ったため、普通の人からしたら私が掻き消えたように見えたことだろう。
 ミオもそうだったらしく、急に抱きつかれたことに驚いていた。しかし、すぐに私を両手で抱き返してくれた。

「すぅーーーー、はぁぁぁぁ……」

 ああ、百年ぶりのミオの匂い。
 めっっっちゃくちゃ癒される。一生このまま抱きしめていたい。周囲の目なんて関係ない。私は、私の欲求を満たせればそれで…………。

「お、お姉ちゃん……恥ずかしいよぉ……」

 恥ずかしがっている妹も最高……!
 なにこの子。会っていないこの百年の間にどんだけ可愛くなってるのよ。これ以上はお姉ちゃんの心臓が保たないわよ。あーーーー、やばい。死にそう。私英雄なのに、英雄なのに妹に殺されそう。ああ、でも……それもまた、ありがたし…………。

「お姉ちゃん……!」
「はっ! ……ご、ごめんなさいね。久しぶりに会えたから、気持ちが抑えられなくて……」

 これ以上やったら妹に嫌われてしまう。
 それだけは避けなければいけないと、すぐにミオから離れた。

「改めて……久しぶりね、ミオ。ずっと会いたかったわ」
「私もだよ、お姉ちゃん。久しぶり」

 私もだよ。

 わたしもだよ。

 わ・た・し・も・だ・よ。

 ──くぅ!
 相思相愛か……!
 もう相思相愛でいいわよね!?

「お姉ちゃん?」
「……ああ、なんでもないわ」
「そう? ……それにしても、お姉ちゃん昔と凄く変わったね」
「そうかしら? ……そうかもしれないわね」

 昔はミオと同じくらいの髪の長さだった。でも、今は肩に掛かるかどうかの短さにしている。それは戦闘中に邪魔だという単純な理由だけれど、それのせいで印象がだいぶ変わったのは違いない。
 雰囲気も、何も知らない頃の純真無垢な私ではない。
 英雄としての威厳を保つため、厳しめの目付きも覚えた。

 昔は自分の姿に慣れなかったけれど、今となっては流石に慣れた。

「昔の方が良かったかしら?」
「昔のままだったら懐かしいと思って嬉しかったかもしれないけれど、今の方がカッコいいよ」
「──っ! んん!」

 危うく昇天するところだった。

「なら、良かった。もしかしたら私だと気付かれないかと心配だったのよ」
「そんなことないよ……! お姉ちゃんがどんなに変わっても、絶対すぐに見つける自信あるもん!」

 妹よ。やめてくれ。
 これ以上お姉ちゃんの体力を削るのはやめてくれ。尊すぎて死んでしまう。

「ふふっ、ありがとう……そう言ってもらえると嬉しいわ」

 だが私は英雄。平常心を保つのは得意だ。

 相変わらず最高に可愛い妹に微笑む。

「ほら、そろそろ午後の受付が始まる時間だし、受付に行きましょうか。要件を早く済ませて、姉妹水入らずで話しましょう?」
「うん! ……あ、お姉ちゃん!」
「ん、どうしたの?」
「あ、あの……あの、ね……?」

 呼びかけられたので振り向くと、ミオが顔を赤くさせてもじもじと俯いていた。

「どうしたの? どこか具合でも悪い?」
「ち、違うの……あのね? 私は、どうかな……?」
「どうって?」
「私は、昔と比べて、どうかな? 可愛くなれているかな?」
「──こふっ(吐血)」

 ビターーーーン!
 と私はその場に倒れた。

「お姉ちゃん!? 大丈夫!」
「だ、大丈夫……ごめんね。最近よく眠れていなくて、立ちくらみしちゃったわ」
「本当に大丈夫? 辛いなら私なんかより自分の心配してね? お姉ちゃんが苦しんでいるのは、嫌だよ……」
「ぐはぁ……!」
「お姉ちゃん!?」

 涙目でこちらを心配する妹の破壊力といったら、もう……やばい。とにかくやばい(語彙力)

「大丈夫。大丈夫だから……」
「大丈夫って……本当に心配だよ。試験は明日までやっているみたいだし、今日は休もう? お姉ちゃんのお家どこ?」
「いや、本当に大丈夫だから……」
「そう……? でも、本当に無理だけはしないでね?」
「ええ、大丈夫。今癒されたわ」
「…………? どういうこと?」
「もう治ったということよ」

 今後こそ気持ちを切り替え、私はミオの手を取った。

「可愛いわよ」
「え……?」
「ミオは、今も昔も可愛いわ。私の自慢の妹よ」
「うんっ! ありがとう!」
「こちらこそありがとう」
「ん?」
「いえ、なんでもないわ」

 入学試験の受付は校門を通った少し先にある。
 試験はその日に学園で受けられるというわけではない。その手続きをするには履歴書等の書類が必要で、ミオはすでにそれを提出していたらしい。

 ……ということは、結構前から妹はこの学園に入ることを決めていたのだろう。

 どうしてすぐに教えてくれなかったのか。
 そのことをミオに聞いたら「お姉ちゃんを驚かせたかったから……」と照れ笑いした。

 はぁーーーー私の妹可愛い! ……となったのは言うまでもない。

「受付はここでいいかしら?」

 受付をしているのは、この学園の生徒だった。胸のバッジは三年生の紋章が彫られている。
 ここの制服は見覚えがあるので、おそらく手伝いだろう。

「あ、はい! 入学試験の受付ですか? お名前をお聞きしてもよろしいですか?」
「えっと、ミオです」
「ミオさん…………あ、あった。はい、お待ちしておりました! まずは入学金を頂けますか?」
「あら、先払いなのね」

 それは予想外だった。
 普通は入学が確定してから入学金を払うものだと思っていたけど、この学園は他とは違う仕組みらしい。

「申し訳ないです。たまに冷やかしが来るので、その対策として先払いをお願いしています。試験に落ちた場合、入学金の半分だけ返却します」

 ……なるほど。
 この学園は本当に有名で、試験を受けたという事実だけでも十分役に立つ。
 この学園を受けられるだけの資金と、実力があるということにもなるかららしい。……と、前にラインハルトが言っていた気がする。
 ただ、試験に落ちたのだから後者は自慢にならないだろう。そう思った私だったけど、どうやら『試験を受けた』ということだけが重要らしい。

 人間の自慢はよくわからない。試験に落ちたのにどうして自慢ができるのだろう。

 正直にそう言った私に、ラインハルトは同意するように笑っていた。

「わかったわ。金貨10枚だったわね?」
「ええ、お二人なので20金貨頂きます」
「え、お姉ちゃんは違……」
「はい20枚ちょうどね」

 私は収納袋から金貨20枚を取り出し、受付の生徒に渡した。

「お姉ちゃんも入学するの?」
「そうよ。私も、学生気分というのを味わってみたいと思ってね。ミオが入るならと入学手続きをしたの」
「でも、手紙が届いたのは昨日でしょ? そんなに早く終わるの?」
「……それは……ちょっと、ね」

 ミオから手紙を受け取った時のことだ。
 あの後、急用だと国王を呼び出し、事情を話して強引に入学手続きをさせた。
 最初は国王だけではなく、秘書であるラインハルトまでもが私の提案を渋っていたけれど、ちょっとした『大人のおはなし』をしたら、二人とも喜んで協力してくれた。

 本当に国中の誰もが手に負えない事態に陥った時、私は英雄として依頼を受ける。
 それが私と、この国との契約だ。
 最近は、どうせ暇だからという理由で各地に引っ張りだこだったけれど、これから学生の身となるため、少しだけ自由が効く。
 その間、妹といちゃいちゃ──こほんっ。スキンシップを取ることが可能というわけだ。

「って、自分のお金は払うよ!」

 そう言ってポーチから金貨10枚を取り出すが、私はそれを押し戻した。

「良いの。金貨10枚程度なら私が負担してあげるわ。そのお金はミオのお小遣いにして」
「でも……」
「これくらいはお姉ちゃんらしくさせて。……それに、学生だろうとお金は使うでしょう? ここら辺は裕福層ってのもあって、物価はかなり高いわよ。どうせ今日来たばかりなんでしょう? まだアルバイトも決めていないだろうし、今は大事にとっておきなさい」

 一般人にとって金貨1枚は、相当高額なものだ。
 でも、裕福層の人達は違う。しかも馬鹿みたいに高級な店ばかりが並んでいるので、ここら辺で生活しようとすれば、わずか半月で金貨10枚は消え失せるだろう。
 ちなみに平民が普通に生活すれば、一ヶ月金貨1枚だけで十分だ。

「ありがとう。お姉ちゃんっ」

 こうして妹に感謝してもらえるのだから、お金を払ってあげたかいがあるというものだ。

 できることなら一生養ってあげたい。
 しかし、妹は優しくて良い子だ。ずっと私の厄介になることを嫌がるだろう。

「あ、お姉さんのお名前を聞くのを忘れていました」
「ああ、ごめんなさい。私はミア・ヴィストよ」
「ミアさんですね。ミア・ヴィスト……あれ、どこかで聞いたことがあるような……どこかで会ったことってありましたっけ?」
「気のせいじゃない? あなたと直接会ったのは、これが初めてよ」
「そう、ですよね……すいません。変なことを聞いて」
「いえ、別に気にしてないわよ」

 私の名前は、あまり出回っていない。
 『英雄』という名称は国民の全員が知っているだろうけど、私が国王にお願いして出回らせないようにしていた。

 手続きの書類にも、私が英雄ということは伏せるように言っておいた。
 ここの生徒に英雄だとバレると、色々と面倒だ。それは国王も理解しているらしく、そこはちゃんと了承してくれた。

 それだけ徹底して情報を隠していても、有名なだけ個人情報というのは出回ってしまうものだ。
 この生徒も、どこかで私の名前を聞いたのだろう。

「では、こちらが試験を受ける証になります」

 受付の生徒がそう言って見せてきたのは、宝石が埋め込まれたペンダントだ。
 宝石には文字が刻まれている。どうやらこれが、試験番号らしい。

「かなり貴重な物なので失くさないようにしてください。たまに奪われる可能性もあるのでお気をつけて」
「わかったわ。ありがと」

 ペンダントと、学校案内のパンフレットを二人分受け取る。

 私は受付に礼を言い、その場を離れた。

 試験の始まる時間は一時間後。
 それまでゆっくりと時間を潰そう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】【R18】女騎士はクールな団長のお役に立ちたい!

misa
恋愛
アマーリエ・ヴェッケンベルグは「脳筋一族」と言われる辺境伯家の長女だ。王族と王都を守る騎士団に入団して日々研鑽に励んでいる。アマーリエは所属の団長であるフリードリッヒ・バルツァーを尊敬しつつも愛している。しかし美貌の団長に自分のような女らしくない子では釣り合わないと影ながら慕っていた。 ある日の訓練で、アマーリエはキスをかけた勝負をさせられることになったが、フリードリッヒが駆けつけてくれ助けてくれた。しかし、フリードリッヒの一言にアマーリエはかっとなって、ヴェッケンベルグの家訓と誇りを胸に戦うが、負けてしまいキスをすることになった。 女性騎士として夜会での王族の護衛任務がある。任務について雑談交じりのレクチャーを受けたときに「薔薇の雫」という媚薬が出回っているから注意するようにと言われた。護衛デビューの日、任務終了後に、勇気を出してフリードリッヒを誘ってみたら……。 幸せな時間を過ごした夜、にわかに騒がしく団長と副長が帰ってきた。何かあったのかとフリードリッヒの部屋に行くと、フリードリッヒの様子がおかしい。フリードリッヒはいきなりアマーリエを抱きしめてキスをしてきた……。 *完結まで連続投稿します。時間は20時   →6/2から0時更新になります *18禁部分まで時間かかります *18禁回は「★」つけます *過去編は「◆」つけます *フリードリッヒ視点は「●」つけます *騎士娘ですが男装はしておりません。髪も普通に長いです。ご注意ください *キャラ設定を最初にいれていますが、盛大にネタバレしてます。ご注意ください *誤字脱字は教えていただけると幸いです

突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??

シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。 何とかお姉様を救わなくては! 日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする! 小説家になろうで日間総合1位を取れました~ 転載防止のためにこちらでも投稿します。

異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。 そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。 【カクヨムにも投稿してます】

姉と婚約していた王太子が婚約破棄して私を王妃にすると叫んでいますが、私は姉が大好きなシスコンです

みやび
恋愛
そもそも誠意もデリカシーのない顔だけの奴はお断りですわ

ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした

月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。 それから程なくして―――― お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。 「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」 にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。 「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」 そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・ 頭の中を、凄まじい情報が巡った。 これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね? ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。 だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。 ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。 ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」 そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。 フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ! うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって? そんなの知らん。 設定はふわっと。

最強スキル『忍術』で始めるアサシン教団生活

さとう
ファンタジー
生まれつき絶大な魔力を持つハーフィンクス公爵家に生まれた少年、シャドウ。 シャドウは歴代最高と言われるほど絶大な魔力を持っていたが、不幸なことに魔力を体外に放出する才能が全くないせいで、落ちこぼれと呼ばれ冷遇される毎日を送っていた。 十三歳になったある日。姉セレーナ、妹シェリアの策略によって実家を追放され、『闇の森』で魔獣に襲われ死にかける。 だが、シャドウは救われた……世界最高峰の暗殺者教団である『黄昏旅団』最強のアサシン、ハンゾウに。 彼は『日本』から転移した日本人と、シャドウには意味が理解できないことを言う男で、たった今『黄昏旅団』を追放されたらしい。しかも、自分の命がもう少しで尽きてしまうので、自分が異世界で得た知識を元に開発した『忍術』をシャドウに継承すると言う。 シャドウはハンゾウから『忍術』を習い、内に眠る絶大な魔力を利用した『忍術』を発動させることに成功……ハンゾウは命が尽きる前に、シャドウに最後の願いをする。 『頼む……黄昏旅団を潰してくれ』 シャドウはハンゾウの願いを聞くために、黄昏旅団を潰すため、新たなアサシン教団を立ちあげる。 これは、暗殺者として『忍術』を使うアサシン・シャドウの復讐と、まさかの『学園生活』である。

呪われた子と、家族に捨てられたけど、実は神様に祝福されてます。

光子
ファンタジー
前世、神様の手違いにより、事故で間違って死んでしまった私は、転生した次の世界で、イージーモードで過ごせるように、特別な力を神様に授けられ、生まれ変わった。 ーーー筈が、この世界で、呪われていると差別されている紅い瞳を宿して産まれてきてしまい、まさかの、呪われた子と、家族に虐められるまさかのハードモード人生に…! 8歳で遂に森に捨てられた私ーーキリアは、そこで、同じく、呪われた紅い瞳の魔法使いと出会う。 同じ境遇の紅い瞳の魔法使い達に出会い、優しく暖かな生活を送れるようになったキリアは、紅い瞳の偏見を少しでも良くしたいと思うようになる。 実は神様の祝福である紅の瞳を持って産まれ、更には、神様から特別な力をさずけられたキリアの物語。 恋愛カテゴリーからファンタジーに変更しました。混乱させてしまい、すみません。 自由にゆるーく書いていますので、暖かい目で読んで下さると嬉しいです。

(完結)私はあなた方を許しますわ(全5話程度)

青空一夏
恋愛
 従姉妹に夢中な婚約者。婚約破棄をしようと思った矢先に、私の死を望む婚約者の声をきいてしまう。  だったら、婚約破棄はやめましょう。  ふふふ、裏切っていたあなた方まとめて許して差し上げますわ。どうぞお幸せに!  悲しく切ない世界。全5話程度。それぞれの視点から物語がすすむ方式。後味、悪いかもしれません。ハッピーエンドではありません!

処理中です...