最強無敵なシスコン英雄様は、最高に可愛い妹を愛でていたい

「みおね、みおはぁ、おねぇちゃんのこと……だいしゅき!」
 妹、ミオが3歳の誕生日の時に言った言葉。その言葉だけでミア・ヴィストは救われた。

 ──彼女が幸せなら、姉である自分も幸せ。
 ──彼女が苦しんでいるのなら、姉として助けてあげよう。

 まだ10歳だったミアは、天使のような笑顔を向けてくる妹にそう誓った。

 しかし、ミアはすぐにエルフの里を旅立つことになる。ある時、己に潜む強大な力が暴走し何よりも大切な妹を傷付けてしまったのだ。このままでは自分が妹を殺してしまうと悟り。姉妹は別々の道を歩むことになる。

 それから百年の時が経ち、ミアは世界最強の『英雄』となっていた。
 任務の帰り道も遠く離れた地に居るであろう妹のことを思い浮かべるミア。そろそろ妹の温もりが恋しくなって来た。そう思っていた時、ミオから手紙が届いた。それはミアがホームにしている『シュバリエ王国』の学校に入学するので、近々王国に向かうとの内容で────

「三年ほど休暇を貰うわ」

 妹の行く『王立トルバラード学園』に入学することを決めたミアは、『英雄』としての責務をいとも容易く放棄した。
 今更何も学ぶことがないミアが、どうして入学することを決意したのか?

「妹が居る。それだけで入学する意味はあるでしょう?」

 極度のシスコンを発症している英雄様は、ついでに妹に集る羽虫や害虫を払いながら正体を隠して妹との学園生活を謳歌する。

「はぁーーーー可愛い。うちの子めっっちゃくちゃ可愛い。何なの? 私を殺しに来ているの? ああ、もうだめ。天使。私の妹まじ天使!」
24h.ポイント 0pt
0
小説 194,017 位 / 194,017件 ファンタジー 44,516 位 / 44,516件

あなたにおすすめの小説

【完結】【R18】女騎士はクールな団長のお役に立ちたい!

misa
恋愛
アマーリエ・ヴェッケンベルグは「脳筋一族」と言われる辺境伯家の長女だ。王族と王都を守る騎士団に入団して日々研鑽に励んでいる。アマーリエは所属の団長であるフリードリッヒ・バルツァーを尊敬しつつも愛している。しかし美貌の団長に自分のような女らしくない子では釣り合わないと影ながら慕っていた。 ある日の訓練で、アマーリエはキスをかけた勝負をさせられることになったが、フリードリッヒが駆けつけてくれ助けてくれた。しかし、フリードリッヒの一言にアマーリエはかっとなって、ヴェッケンベルグの家訓と誇りを胸に戦うが、負けてしまいキスをすることになった。 女性騎士として夜会での王族の護衛任務がある。任務について雑談交じりのレクチャーを受けたときに「薔薇の雫」という媚薬が出回っているから注意するようにと言われた。護衛デビューの日、任務終了後に、勇気を出してフリードリッヒを誘ってみたら……。 幸せな時間を過ごした夜、にわかに騒がしく団長と副長が帰ってきた。何かあったのかとフリードリッヒの部屋に行くと、フリードリッヒの様子がおかしい。フリードリッヒはいきなりアマーリエを抱きしめてキスをしてきた……。 *完結まで連続投稿します。時間は20時   →6/2から0時更新になります *18禁部分まで時間かかります *18禁回は「★」つけます *過去編は「◆」つけます *フリードリッヒ視点は「●」つけます *騎士娘ですが男装はしておりません。髪も普通に長いです。ご注意ください *キャラ設定を最初にいれていますが、盛大にネタバレしてます。ご注意ください *誤字脱字は教えていただけると幸いです

【完結】王太子妃の初恋

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
カテリーナは王太子妃。しかし、政略のための結婚でアレクサンドル王太子からは嫌われている。 王太子が側妃を娶ったため、カテリーナはお役御免とばかりに王宮の外れにある森の中の宮殿に追いやられてしまう。 しかし、カテリーナはちょうど良かったと思っていた。婚約者時代からの激務で目が悪くなっていて、これ以上は公務も社交も難しいと考えていたからだ。 そんなカテリーナが湖畔で一人の男に出会い、恋をするまでとその後。 ★ざまぁはありません。 全話予約投稿済。 携帯投稿のため誤字脱字多くて申し訳ありません。 報告ありがとうございます。

王子様と落ちこぼれ魔道士 へっぽこ無能だと思っていた魔道士が実は最強すぎた

島崎 紗都子
ファンタジー
アイザカーン国の王子イヴンは 大国ヴルカーンベルクの王女の元へと婿入りすることになった。おともに魔道士イェンを連れ ヴルカーンベルク国へと旅立つが 頼りとなるはずのイェンの魔術の腕前は さっぱりで 初級魔術も使えない 皆からおちこぼれの最低無能魔道士と言われているほど。さらに困ったことに イェンはどうしようもなく女好き。途中で知り合った仲間とともに 自由気ままに旅をするイヴンたちだが 自分たちが何者かに狙われていることを知って……。 お気楽な旅から一転、王位継承を巡る陰謀に巻き込まれていく二人は──。

姉と婚約していた王太子が婚約破棄して私を王妃にすると叫んでいますが、私は姉が大好きなシスコンです

みやび
恋愛
そもそも誠意もデリカシーのない顔だけの奴はお断りですわ

【R-18あり】先輩は私のお姉ちゃんだけどそれを先輩は知らない

こえだ
恋愛
百合です。少しドロドロした設定かも知れません。 途中からR18の内容が入る予定です。 小説はど素人の初心者です。 なので気になる点、アドバイスなんかあったらコメントくださるとすごく嬉しいです。        <冒頭> 私の学校にはみんなが憧れる1つ上の先輩がいる。 スポーツ万能、勉強でも学年で1番を取るような誰にでも優しい完璧な先輩。 この先輩は私のお姉ちゃんらしい。 そして先輩はそのことを知らない…

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

あなたが選んだのは私ではありませんでした 裏切られた私、ひっそり姿を消します

矢野りと
恋愛
旧題:贖罪〜あなたが選んだのは私ではありませんでした〜 言葉にして結婚を約束していたわけではないけれど、そうなると思っていた。 お互いに気持ちは同じだと信じていたから。 それなのに恋人は別れの言葉を私に告げてくる。 『すまない、別れて欲しい。これからは俺がサーシャを守っていこうと思っているんだ…』 サーシャとは、彼の亡くなった同僚騎士の婚約者だった人。 愛している人から捨てられる形となった私は、誰にも告げずに彼らの前から姿を消すことを選んだ。

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。