43 / 48
私の飼い犬は凶暴なのです
しおりを挟む
「ふぅん? 協力ねぇ……」
「はい。ポーションを作り出すティアさん。そして私が協力をすれば、更なるものを作れます!」
悪魔は興奮したように声を荒げる。
そして、奴は白い粉の入った袋を見せつけてきた。1キロはあるのではないかと思うほどの量だ。一体、どれほどの悪魔が犠牲になったのだろうか。それを考えると、平気な顔をして同族狩りをしたヤギ頭野郎にイラっとする。
「これさえあれば、人間どもを我ら悪魔の奴隷に出来ます」
「どうしてそんなに人を軽蔑するの?」
「そんなの簡単です。人は醜い生き物です。堕落し、そのくせ欲深い。それなら、私達で管理してあげようと思った訳です」
「あー、なるほど? それで、人を奴隷にした後、あんたはどうする訳?」
「勿論、奴隷に相応しい働きをさせてあげます。人間は働き、我らが君臨する。素晴らしい世界の完成です!」
「人はそこまで弱くないよ。反感を買って終わりだ」
「そのための薬です。あなたも見たでしょう? 悪魔でもなく人でもない半端者。薬を服用すれば皆、私の言い成りです」
「ああ、確かに、それを服用させれば、人間を操れるだろうね」
「そうでしょうそうでしょう。奴らは半端者として長くを生き、その人生を我らに捧げるのです。……ああ! 素晴らしい。これで私も、悪魔界でのトップに!」
はぁ、わかった。こいつの目的は、実績を得て悪魔の上位に立つことなのか。
そのために人間を操って、奴隷として使役する。そして半永久的な世界を作るのは、ただの過程でしかない。
そんなに簡単に出来ることではないと思うかもしれないけど、それ自体は意外と簡単だ。
麻薬は人にとって『快楽』だ。欲に深い人間は、すぐにその快楽を欲する。それに悪魔の言い成りになる物質──悪魔の心臓を加えれば、操ることなんて容易だ。
まぁ私なら、そんな姑息な手段を取らず、一年以内に人を……いや、世界を掌握出来る。
では、なぜそうしないのか。
……ただ単に面倒なだけですけど何か?
私は上に立つつもりはない。それがどれほど大変かなんて、最高神をやっていて嫌という程味わった。
下界でも頂点に立つつもりはない。人は人で、魔族は魔族で、神は神で。頂点争いはそれぞれの領分でやってくれと切に思う。
「一つ、質問をいいかな」
「はい、なんでしょう?」
「契約者は何処にやった?」
「殺しましたよ」
それが何か? と言いたげに、悪魔は首をかしげる。
……なるほど。よくわかった。
やはりこいつは、人間の命をなんとも思っていない。
ただ替えのきく便利な駒だとでも思っているのだろう。
そんな奴の作り出す世界なんてたかが知れている。
確かに人は簡単に掌握出来る。彼ら個人の力は、とても弱い。
でも人は、強い。そんなにやわじゃない。
掌握をしたところで、人々は自然と集まり、独自の文化を築き上げていく。そして、いつか幻想の世界は崩壊するだろう。
……ああ、そうか。
だから、人は私のお告げを聞かなかったのか。
最初は彼らだって神託を受け継いでいたはずだ。でも、いつしか彼らは自分達で考え、新しい文化を築き上げた。まぁ……そのおかげで我が子達は停滞を繰り返しているんだけどね。全く、笑えない冗談だ。
「──ハッ! くだらない」
だったら創造神たる私自ら、錬金術を広めてやる。
誰かに指図されるだけのか弱い我が子達にではなく、しっかりと独自の文化を歩んで来た強い我が子達に、私が錬金術の素晴らしさを教えてあげるのみだ。
どうだ。お前達が必要ないと捨てた錬金術は、こんなに凄いんだぞとドヤ顔で言ってやる。
「……くだらない、ですか?」
「ああ、くだらない。そんな世界を得たところで、私は幸せになれない。そしてお前は、どうやっても上級悪魔にはなれないよ」
「なんですって?」
「あれれ? 聞こえなかったかなぁ?」
私は嫌味ったらしく笑う。
「あんたにはその資格が無いって言ったんだ」
リリスを見ていると「ああ、こいつらは小さいな」と思ってしまう。別にサイズの問題じゃない。
あんなに気高くて誇りある悪魔は、リリス以外にいない。彼女が下の悪魔を見下す理由が、少しわかった。こんな奴らが自分の下にいる。しかも、貪欲に上を狙ってくるんだから、至極面倒だと思うのが普通だ。
「お前じゃ上に行けない。行く前に死ぬだろうさ。……そうだなぁ。飼い犬に噛まれて、案外あっさりと終わるんじゃない?」
悪魔は黙り込んでしまった。
プルプルと体を震わせ、拳を強く握りしめている。
「──ああ、私の予想って意外と当たるんだよ?」
「ふざけるなよ。小娘が」
「は? ふざけていないし、誰が小娘だよ。そっちこそ、私を利用出来ると思うなよ。千年も生きていない小童風情が」
こちとら何歳だと思っているんだ。神様だぞ。永久不滅じゃ。
幼い容姿が悪い?
──なぜか成長が止まったんじゃい!
「──もう、いいです。折角あなたを使って差し上げようと思ったのに」
「お気遣いどうも。でも、いらない気遣いだったね。ご苦労様」
「どこまで私を愚弄すれば気が済むのですか?」
「愚弄しているつもりはないよ。だって本当のことだし? ……もし、不快に捉えたなら謝るよ。ドウモスイマセンデシター」
「…………どうやら死にたいらしいですねぇ!」
ヤギ頭の悪魔が、魔力を解放する。上半身が膨れ上がり、紳士服は破けてしまった。
「勿体無いなぁ……いちいち本気を出すたびに、その服破いているの?」
「ふっふっふ、勘違いされては困ります。この程度が私の本気な訳ないでしょう?」
「え、じゃあ本気じゃないのに破いているの? 見た目は賢そうなのに馬鹿なんだね。脳筋ってやつ?」
「これを見ても、まだ馬鹿にしますか……良いでしょう。その蛮勇に敬意を示し、一瞬で殺して差し上げます」
悪魔の魔力が、その数倍は跳ね上がった。
「あ、参考までに聞いておくけど、あなたの爵位は?」
「子爵です。ふふっ、どうです? 貴族階級を持つ悪魔なんて、初めて見たでしょう。今更恐れを感じても──」
──ハッ!
「ざっこ」
「っ、貴様ぁ!」
ヤギ頭が真っ赤に染まった。
体からは血脈が浮き出ていて、ガチおこだ。
奴が腕を上げる。
きっと、あれに当たれば私の体は、粉々に砕け散ることだろう。多分、避けることも出来ない。こんな洞窟の中だ。逃げるにしたって、すぐに追いつかれてしまう。
でも私は、死ぬつもりはなかった。
「ああ、そうだ。飼い犬といえば、私の飼い犬も結構乱暴なんだよねぇ」
「……いきなりなんです?」
「いや? 不意に思い出しただけ。……ほんと、飼い主のこととなると何でもする困った子だよ。でもね? 絶対に期待通りの働きをしてくれる、自慢の従者なんだよ」
「何を言っているのか、さっぱりですね」
悪魔はわからないと言い、首を振った。
そうだね。こいつの言う通りだ。思い出したとしても、こんな窮地に立った状態で言う言葉じゃないのは確かだ。私だって理解している。
私は誰よりも、無駄なことが嫌いなんだ。
──じゃあ、どうして言ったんだと思う?
「もう良いです。死んでくださ──」
──ッ、ガァアアアン!
耳をつんざくような破壊音によって洞窟全体が激しく揺れ、悪魔はバランスを崩した。
勿論私も立っていることが出来なくて転びそうになるけど、私を包み込む感触のおかげで、私は立ったままを維持することが出来た。
鼻腔をくすぐる甘い匂い。
目の端に見えた桃色の長髪。
「……遅いよ」
「申し訳ありません」
そこには私の忠実な従者──リリスがいた。
「はい。ポーションを作り出すティアさん。そして私が協力をすれば、更なるものを作れます!」
悪魔は興奮したように声を荒げる。
そして、奴は白い粉の入った袋を見せつけてきた。1キロはあるのではないかと思うほどの量だ。一体、どれほどの悪魔が犠牲になったのだろうか。それを考えると、平気な顔をして同族狩りをしたヤギ頭野郎にイラっとする。
「これさえあれば、人間どもを我ら悪魔の奴隷に出来ます」
「どうしてそんなに人を軽蔑するの?」
「そんなの簡単です。人は醜い生き物です。堕落し、そのくせ欲深い。それなら、私達で管理してあげようと思った訳です」
「あー、なるほど? それで、人を奴隷にした後、あんたはどうする訳?」
「勿論、奴隷に相応しい働きをさせてあげます。人間は働き、我らが君臨する。素晴らしい世界の完成です!」
「人はそこまで弱くないよ。反感を買って終わりだ」
「そのための薬です。あなたも見たでしょう? 悪魔でもなく人でもない半端者。薬を服用すれば皆、私の言い成りです」
「ああ、確かに、それを服用させれば、人間を操れるだろうね」
「そうでしょうそうでしょう。奴らは半端者として長くを生き、その人生を我らに捧げるのです。……ああ! 素晴らしい。これで私も、悪魔界でのトップに!」
はぁ、わかった。こいつの目的は、実績を得て悪魔の上位に立つことなのか。
そのために人間を操って、奴隷として使役する。そして半永久的な世界を作るのは、ただの過程でしかない。
そんなに簡単に出来ることではないと思うかもしれないけど、それ自体は意外と簡単だ。
麻薬は人にとって『快楽』だ。欲に深い人間は、すぐにその快楽を欲する。それに悪魔の言い成りになる物質──悪魔の心臓を加えれば、操ることなんて容易だ。
まぁ私なら、そんな姑息な手段を取らず、一年以内に人を……いや、世界を掌握出来る。
では、なぜそうしないのか。
……ただ単に面倒なだけですけど何か?
私は上に立つつもりはない。それがどれほど大変かなんて、最高神をやっていて嫌という程味わった。
下界でも頂点に立つつもりはない。人は人で、魔族は魔族で、神は神で。頂点争いはそれぞれの領分でやってくれと切に思う。
「一つ、質問をいいかな」
「はい、なんでしょう?」
「契約者は何処にやった?」
「殺しましたよ」
それが何か? と言いたげに、悪魔は首をかしげる。
……なるほど。よくわかった。
やはりこいつは、人間の命をなんとも思っていない。
ただ替えのきく便利な駒だとでも思っているのだろう。
そんな奴の作り出す世界なんてたかが知れている。
確かに人は簡単に掌握出来る。彼ら個人の力は、とても弱い。
でも人は、強い。そんなにやわじゃない。
掌握をしたところで、人々は自然と集まり、独自の文化を築き上げていく。そして、いつか幻想の世界は崩壊するだろう。
……ああ、そうか。
だから、人は私のお告げを聞かなかったのか。
最初は彼らだって神託を受け継いでいたはずだ。でも、いつしか彼らは自分達で考え、新しい文化を築き上げた。まぁ……そのおかげで我が子達は停滞を繰り返しているんだけどね。全く、笑えない冗談だ。
「──ハッ! くだらない」
だったら創造神たる私自ら、錬金術を広めてやる。
誰かに指図されるだけのか弱い我が子達にではなく、しっかりと独自の文化を歩んで来た強い我が子達に、私が錬金術の素晴らしさを教えてあげるのみだ。
どうだ。お前達が必要ないと捨てた錬金術は、こんなに凄いんだぞとドヤ顔で言ってやる。
「……くだらない、ですか?」
「ああ、くだらない。そんな世界を得たところで、私は幸せになれない。そしてお前は、どうやっても上級悪魔にはなれないよ」
「なんですって?」
「あれれ? 聞こえなかったかなぁ?」
私は嫌味ったらしく笑う。
「あんたにはその資格が無いって言ったんだ」
リリスを見ていると「ああ、こいつらは小さいな」と思ってしまう。別にサイズの問題じゃない。
あんなに気高くて誇りある悪魔は、リリス以外にいない。彼女が下の悪魔を見下す理由が、少しわかった。こんな奴らが自分の下にいる。しかも、貪欲に上を狙ってくるんだから、至極面倒だと思うのが普通だ。
「お前じゃ上に行けない。行く前に死ぬだろうさ。……そうだなぁ。飼い犬に噛まれて、案外あっさりと終わるんじゃない?」
悪魔は黙り込んでしまった。
プルプルと体を震わせ、拳を強く握りしめている。
「──ああ、私の予想って意外と当たるんだよ?」
「ふざけるなよ。小娘が」
「は? ふざけていないし、誰が小娘だよ。そっちこそ、私を利用出来ると思うなよ。千年も生きていない小童風情が」
こちとら何歳だと思っているんだ。神様だぞ。永久不滅じゃ。
幼い容姿が悪い?
──なぜか成長が止まったんじゃい!
「──もう、いいです。折角あなたを使って差し上げようと思ったのに」
「お気遣いどうも。でも、いらない気遣いだったね。ご苦労様」
「どこまで私を愚弄すれば気が済むのですか?」
「愚弄しているつもりはないよ。だって本当のことだし? ……もし、不快に捉えたなら謝るよ。ドウモスイマセンデシター」
「…………どうやら死にたいらしいですねぇ!」
ヤギ頭の悪魔が、魔力を解放する。上半身が膨れ上がり、紳士服は破けてしまった。
「勿体無いなぁ……いちいち本気を出すたびに、その服破いているの?」
「ふっふっふ、勘違いされては困ります。この程度が私の本気な訳ないでしょう?」
「え、じゃあ本気じゃないのに破いているの? 見た目は賢そうなのに馬鹿なんだね。脳筋ってやつ?」
「これを見ても、まだ馬鹿にしますか……良いでしょう。その蛮勇に敬意を示し、一瞬で殺して差し上げます」
悪魔の魔力が、その数倍は跳ね上がった。
「あ、参考までに聞いておくけど、あなたの爵位は?」
「子爵です。ふふっ、どうです? 貴族階級を持つ悪魔なんて、初めて見たでしょう。今更恐れを感じても──」
──ハッ!
「ざっこ」
「っ、貴様ぁ!」
ヤギ頭が真っ赤に染まった。
体からは血脈が浮き出ていて、ガチおこだ。
奴が腕を上げる。
きっと、あれに当たれば私の体は、粉々に砕け散ることだろう。多分、避けることも出来ない。こんな洞窟の中だ。逃げるにしたって、すぐに追いつかれてしまう。
でも私は、死ぬつもりはなかった。
「ああ、そうだ。飼い犬といえば、私の飼い犬も結構乱暴なんだよねぇ」
「……いきなりなんです?」
「いや? 不意に思い出しただけ。……ほんと、飼い主のこととなると何でもする困った子だよ。でもね? 絶対に期待通りの働きをしてくれる、自慢の従者なんだよ」
「何を言っているのか、さっぱりですね」
悪魔はわからないと言い、首を振った。
そうだね。こいつの言う通りだ。思い出したとしても、こんな窮地に立った状態で言う言葉じゃないのは確かだ。私だって理解している。
私は誰よりも、無駄なことが嫌いなんだ。
──じゃあ、どうして言ったんだと思う?
「もう良いです。死んでくださ──」
──ッ、ガァアアアン!
耳をつんざくような破壊音によって洞窟全体が激しく揺れ、悪魔はバランスを崩した。
勿論私も立っていることが出来なくて転びそうになるけど、私を包み込む感触のおかげで、私は立ったままを維持することが出来た。
鼻腔をくすぐる甘い匂い。
目の端に見えた桃色の長髪。
「……遅いよ」
「申し訳ありません」
そこには私の忠実な従者──リリスがいた。
0
お気に入りに追加
1,913
あなたにおすすめの小説
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
猫アレルギーだったアラサーが異世界転生して猫カフェやったら大繁盛でもふもふスローライフ満喫中です
真霜ナオ
ファンタジー
主人公の市村 陽は、どこにでもいるごく普通のサラリーマンだ。
部屋中が猫グッズで溢れるほどの猫好きな陽だが、重度の猫アレルギーであるために、猫に近づくことすら叶わない。
そんな陽の数少ない楽しみのひとつは、仕事帰りに公園で会う、鍵尻尾の黒猫・ヨルとの他愛もない時間だった。
ある時、いつものように仕事帰りに公園へと立ち寄った陽は、不良グループに絡まれるヨルの姿を見つける。
咄嗟にヨルを庇った陽だったが、不良たちから暴行を受けた挙句、アレルギー症状により呼吸ができなくなり意識を失ってしまう。
気がつくと、陽は見知らぬ森の中にいた。そこにはヨルの姿もあった。
懐いてくるヨルに慌てる陽は、ヨルに触れても症状が出ないことに気がつく。
ヨルと共に見知らぬ町に辿り着いた陽だが、その姿を見た住人たちは怯えながら一斉に逃げ出していった。
そこは、猫が「魔獣」として恐れられている世界だったのだ。
この物語は、猫が恐れられる世界の中で猫カフェを開店した主人公が、時に猫のために奔走しながら、猫たちと、そして人々と交流を深めていくお話です。
他サイト様にも同作品を投稿しています。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
異世界サバイバルセットでダンジョン無双。精霊樹復活に貢献します。
karashima_s
ファンタジー
地球にダンジョンが出来て10年。
その当時は、世界中が混乱したけれど、今ではすでに日常となっていたりする。
ダンジョンに巣くう魔物は、ダンジョン外にでる事はなく、浅い階層であれば、魔物を倒すと、魔石を手に入れる事が出来、その魔石は再生可能エネルギーとして利用できる事が解ると、各国は、こぞってダンジョン探索を行うようになった。
ダンジョンでは魔石だけでなく、傷や病気を癒す貴重なアイテム等をドロップしたり、また、稀に宝箱と呼ばれる箱から、後発的に付与できる様々な魔法やスキルを覚える事が出来る魔法書やスキルオーブと呼ばれる物等も手に入ったりする。
当時は、危険だとして制限されていたダンジョン探索も、今では門戸も広がり、適正があると判断された者は、ある程度の教習を受けた後、試験に合格すると認定を与えられ、探索者(シーカー)として認められるようになっていた。
運転免許のように、学校や教習所ができ、人気の職業の一つになっていたりするのだ。
新田 蓮(あらた れん)もその一人である。
高校を出て、別にやりたい事もなく、他人との関わりが嫌いだった事で会社勤めもきつそうだと判断、高校在学中からシーカー免許教習所に通い、卒業と同時にシーカーデビューをする。そして、浅い階層で、低級モンスターを狩って、安全第一で日々の糧を細々得ては、その収入で気楽に生きる生活を送っていた。
そんなある日、ダンジョン内でスキルオーブをゲットする。手に入れたオーブは『XXXサバイバルセット』。
ほんの0.00001パーセントの確実でユニークスキルがドロップする事がある。今回、それだったら、数億の価値だ。それを売り払えば、悠々自適に生きて行けるんじゃねぇー?と大喜びした蓮だったが、なんと難儀な連中に見られて絡まれてしまった。
必死で逃げる算段を考えていた時、爆音と共に、大きな揺れが襲ってきて、足元が崩れて。
落ちた。
落ちる!と思ったとたん、思わず、持っていたオーブを強く握ってしまったのだ。
落ちながら、蓮の頭の中に声が響く。
「XXXサバイバルセットが使用されました…。」
そして落ちた所が…。
【完結】異世界で小料理屋さんを自由気ままに営業する〜おっかなびっくり魔物ジビエ料理の数々〜
櫛田こころ
ファンタジー
料理人の人生を絶たれた。
和食料理人である女性の秋吉宏香(あきよしひろか)は、ひき逃げ事故に遭ったのだ。
命には関わらなかったが、生き甲斐となっていた料理人にとって大事な利き腕の神経が切れてしまい、不随までの重傷を負う。
さすがに勤め先を続けるわけにもいかず、辞めて公園で途方に暮れていると……女神に請われ、異世界転移をすることに。
腕の障害をリセットされたため、新たな料理人としての人生をスタートさせようとした時に、尾が二又に別れた猫が……ジビエに似た魔物を狩っていたところに遭遇。
料理人としての再スタートの機会を得た女性と、猟りの腕前はプロ級の猫又ぽい魔物との飯テロスローライフが始まる!!
おっかなびっくり料理の小料理屋さんの料理を召し上がれ?
最強の英雄は幼馴染を守りたい
なつめ猫
ファンタジー
異世界に魔王を倒す勇者として間違えて召喚されてしまった桂木(かつらぎ)優斗(ゆうと)は、女神から力を渡される事もなく一般人として異世界アストリアに降り立つが、勇者召喚に失敗したリメイラール王国は、世界中からの糾弾に恐れ優斗を勇者として扱う事する。
そして勇者として戦うことを強要された優斗は、戦いの最中、自分と同じように巻き込まれて召喚されてきた幼馴染であり思い人の神楽坂(かぐらざか)都(みやこ)を目の前で、魔王軍四天王に殺されてしまい仇を取る為に、復讐を誓い長い年月をかけて戦う術を手に入れ魔王と黒幕である女神を倒す事に成功するが、その直後、次元の狭間へと呑み込まれてしまい意識を取り戻した先は、自身が異世界に召喚される前の現代日本であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる