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第1章
先手を打たれました
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「リフィ、妾もそっちの料理を食べてみたい。すまぬが、妾にもよそっては貰えぬだろうか?」
「ああ、はい。良いですよー」
何気ない会話。
長いテーブルに連なっている料理は、手が届かない物もあります。
他の人に料理を取って貰うように頼むのは、特におかしなことはありません。
ですがこれは、アカネさんからの合図です。
彼女は、ミリアさんのように毒を回避していません。
二人して毒を綺麗に避けるのは不自然だろうと、毒耐性が高いアカネさんには、我慢して毒入りの料理を食べてもらっていました。
いくら毒耐性があると言っても、私のように完全ではありません。
常人では即死するほどの猛毒は、しっかりとアカネさんの体内に蓄積されています。
本当に限界だと感じた時、私が毒を回復してあげる。
それの合図が、先程の言葉です。
「はい、どうぞー」
私は料理を皿に乗せ、席を立ってアカネさんに渡しに行きます。
手と手が触れ、その瞬間に回復魔法の詠唱を省略し、魔力をアカネさんに流し込みます。
ついでに毒が効きにくくなる効果も付与しておいたので、これでしばらくは大丈夫でしょう。
しっかりと効いたのか、アカネさんの顔色が健康的な肌の色に戻りました。
「うむ、ミリアも絶賛していた料理が、気になってしまったのでな。感謝する」
「いえいえー、また食べたくなったら、遠慮せずに言ってくださいね」
私は席に戻ります。
その時、ふと見えた王様の顔が滑稽でした。
おかしい。あの従者の方は毒入りを食べている筈なのに、なぜ平然としていられるのか。
……そんなことを考えているような表情ですね。
恨めしそうにアカネさんを見つめ、爪をガリッと齧っています。
本当に隠さなくなりましたね。
もう安全な手段を取っている場合ではない。ということでしょう。
ですが、食事の場では毒を盛るのが精一杯のようです。
私がそれを許すはずがなく、ミリアさんに降り掛かる障害を防ぎます。
そんな攻防戦を続けていると、食事会を始めてから一時間も経過していました。
それに比例して、料理も少なくなってきました。
流石に、隠れて毒を盛るのも難しくなったのでしょうか。
食事会はそこで終了となり、私達は部屋へと戻りました。
「はぁ~~、食った食った。余は満足だ~……」
部屋に着くなり、ミリアさんはベッドにダイブしてゴロゴロと転がります。
そして、すぐにピタリと動かなくなりました。
眠るの早くないですか? なんか、いつもの私を見ているようですね。
……というか、ミリアさんに先手を打たれてしまいました。
私、一生の不覚です。
「何に悔しがっているのじゃ、お前は」
「私の仕事を奪われたのです。悔しいに決まっているではないですか」
「リーフィアの仕事はベッドにダイブすることではないじゃろう……」
「おお、良くおわかりで」
「わかるも何も、そんなのを仕事とは──」
「そうなのです。ベッドにダイブするのは、仕事を遂行するための過程であり、本当の仕事は睡眠なのです。そこを見極めるとは、アカネさんもやりますね……!」
「…………待ってくれ。盛大に勘違いをしておるな? やめろ。その同類を見つけたと言わんばかりの、キラキラとした目をやめろ」
「いいえ、アカネさんには素質があります。さぁ、その原石を磨くため、共に横になって寝ようではありませんか!」
「そんな素質いらんわ! というか、単にお主が眠りたいだけじゃろう!」
──ふっ、良くおわかりで。
「そのドヤ顔やめい。なんか無性に腹が立つ……」
「大丈夫ですか? 人は寝足りないと苛々しやすいと聞きます。寝ます?」
「いちいち睡眠に誘導するでない! ……まだ眠らぬ。そういう気分ではないのじゃ」
「そうですか」
アカネさんとテーブルを挟んだ反対側の椅子に、私は腰掛けます。
「毒は大丈夫ですか?」
「……うむ、リーフィアが上手く治してくれたおかげでな。耐性を強化する魔法も、助かった」
「あら、気付かれていたのですね」
「治療して貰った後、不思議と毒入りを食べても何も感じなくなった。リーフィアが何かしたと考えるのは、当たり前じゃろう? まぁ、そのおかげで楽出来たわ。感謝するぞ」
「いえいえ……助け合うと約束したではないですか。感謝されるほどではありません」
「それでも、ちゃんとミリアを守り抜いてくれたことも含めて、妾は感謝しておるのじゃよ」
それが今回の仕事だっただけです。
……と言っても、アカネさんは聞かないのでしょうね。
だったら、おとなしくその言葉を受け取っておきましょう。
「──して、これからのことなのじゃが」
「とりあえずは食事会はクリア。ですが、まだまだ油断は出来ません」
ミリアさん達は、後一日だけ滞在する予定です。
国王が言うには「自慢の我が国を是非、ミリア殿にも見ていただきたい」とのこと。
「何か仕掛けてくるとしたら、街を観光している時じゃな」
「そこは民の被害を考えて、少し控えめで来るでしょう。……問題は、城内を歩いて回っている時です」
城内は言ってしまえば、国王の独壇場。
どんな命令でも出すことが出来ます。
兵士も側近も、全員が国王の暗躍に手を貸している。
唯一どちらでもない立場なのが、古谷さんです。
彼は正義感の強い人です。
国王にミリアさんを殺すように言われたとしても、二つ返事で受けるようなことはしないでしょう。
古谷さんは食事会の時、ミリアさんと何度か話して笑いあっていました。
そして、怪しい動きをする国王を、不振に思っていたようにも見えます。
利用すれば、使えるかもしれません。
「いっそのこと、出歩かないという選択肢は?」
「それはダメじゃ。ミリアは街の観光を楽しみにしていた。外に出ないとわかれば、絶対に不機嫌になる」
「わかりました。では、お出かけをするのは決定としましょう」
「……すまんな。こちらの我儘に付き合わせてしまって」
「いえ、今回はミリアさんが楽しむことが最優先です。問題ありません」
こうなることは事前に予想していました。
勿論、対策もバッチリ考えています。
「…………という訳で、ウンディーネ」
『……はーい』
「街中での警護は、あなたに任せます」
私が処理をしてもいいのですが、襲撃を何度も自然を装って防ぐのは、少し難しいです。
なので、誰にも身バレしていないウンディーネに、ミリアさんの警護を頼みました。
「ほう、水の大精霊が守護してくれるのであれば、妾も安心じゃ。……よろしく頼む」
『……ま、任せて、ください。ミリアちゃんは、うちが絶対に守る……!』
相手がウンディーネに勝る刺客を、この短期間で用意出来るとは思っていません。
もし、それでも突破してきた場合は、私が居ます。
絶対の守備。
国王は、それに対してどう足掻いてくれるのでしょうか。
それが今から、楽しみです。
「ああ、はい。良いですよー」
何気ない会話。
長いテーブルに連なっている料理は、手が届かない物もあります。
他の人に料理を取って貰うように頼むのは、特におかしなことはありません。
ですがこれは、アカネさんからの合図です。
彼女は、ミリアさんのように毒を回避していません。
二人して毒を綺麗に避けるのは不自然だろうと、毒耐性が高いアカネさんには、我慢して毒入りの料理を食べてもらっていました。
いくら毒耐性があると言っても、私のように完全ではありません。
常人では即死するほどの猛毒は、しっかりとアカネさんの体内に蓄積されています。
本当に限界だと感じた時、私が毒を回復してあげる。
それの合図が、先程の言葉です。
「はい、どうぞー」
私は料理を皿に乗せ、席を立ってアカネさんに渡しに行きます。
手と手が触れ、その瞬間に回復魔法の詠唱を省略し、魔力をアカネさんに流し込みます。
ついでに毒が効きにくくなる効果も付与しておいたので、これでしばらくは大丈夫でしょう。
しっかりと効いたのか、アカネさんの顔色が健康的な肌の色に戻りました。
「うむ、ミリアも絶賛していた料理が、気になってしまったのでな。感謝する」
「いえいえー、また食べたくなったら、遠慮せずに言ってくださいね」
私は席に戻ります。
その時、ふと見えた王様の顔が滑稽でした。
おかしい。あの従者の方は毒入りを食べている筈なのに、なぜ平然としていられるのか。
……そんなことを考えているような表情ですね。
恨めしそうにアカネさんを見つめ、爪をガリッと齧っています。
本当に隠さなくなりましたね。
もう安全な手段を取っている場合ではない。ということでしょう。
ですが、食事の場では毒を盛るのが精一杯のようです。
私がそれを許すはずがなく、ミリアさんに降り掛かる障害を防ぎます。
そんな攻防戦を続けていると、食事会を始めてから一時間も経過していました。
それに比例して、料理も少なくなってきました。
流石に、隠れて毒を盛るのも難しくなったのでしょうか。
食事会はそこで終了となり、私達は部屋へと戻りました。
「はぁ~~、食った食った。余は満足だ~……」
部屋に着くなり、ミリアさんはベッドにダイブしてゴロゴロと転がります。
そして、すぐにピタリと動かなくなりました。
眠るの早くないですか? なんか、いつもの私を見ているようですね。
……というか、ミリアさんに先手を打たれてしまいました。
私、一生の不覚です。
「何に悔しがっているのじゃ、お前は」
「私の仕事を奪われたのです。悔しいに決まっているではないですか」
「リーフィアの仕事はベッドにダイブすることではないじゃろう……」
「おお、良くおわかりで」
「わかるも何も、そんなのを仕事とは──」
「そうなのです。ベッドにダイブするのは、仕事を遂行するための過程であり、本当の仕事は睡眠なのです。そこを見極めるとは、アカネさんもやりますね……!」
「…………待ってくれ。盛大に勘違いをしておるな? やめろ。その同類を見つけたと言わんばかりの、キラキラとした目をやめろ」
「いいえ、アカネさんには素質があります。さぁ、その原石を磨くため、共に横になって寝ようではありませんか!」
「そんな素質いらんわ! というか、単にお主が眠りたいだけじゃろう!」
──ふっ、良くおわかりで。
「そのドヤ顔やめい。なんか無性に腹が立つ……」
「大丈夫ですか? 人は寝足りないと苛々しやすいと聞きます。寝ます?」
「いちいち睡眠に誘導するでない! ……まだ眠らぬ。そういう気分ではないのじゃ」
「そうですか」
アカネさんとテーブルを挟んだ反対側の椅子に、私は腰掛けます。
「毒は大丈夫ですか?」
「……うむ、リーフィアが上手く治してくれたおかげでな。耐性を強化する魔法も、助かった」
「あら、気付かれていたのですね」
「治療して貰った後、不思議と毒入りを食べても何も感じなくなった。リーフィアが何かしたと考えるのは、当たり前じゃろう? まぁ、そのおかげで楽出来たわ。感謝するぞ」
「いえいえ……助け合うと約束したではないですか。感謝されるほどではありません」
「それでも、ちゃんとミリアを守り抜いてくれたことも含めて、妾は感謝しておるのじゃよ」
それが今回の仕事だっただけです。
……と言っても、アカネさんは聞かないのでしょうね。
だったら、おとなしくその言葉を受け取っておきましょう。
「──して、これからのことなのじゃが」
「とりあえずは食事会はクリア。ですが、まだまだ油断は出来ません」
ミリアさん達は、後一日だけ滞在する予定です。
国王が言うには「自慢の我が国を是非、ミリア殿にも見ていただきたい」とのこと。
「何か仕掛けてくるとしたら、街を観光している時じゃな」
「そこは民の被害を考えて、少し控えめで来るでしょう。……問題は、城内を歩いて回っている時です」
城内は言ってしまえば、国王の独壇場。
どんな命令でも出すことが出来ます。
兵士も側近も、全員が国王の暗躍に手を貸している。
唯一どちらでもない立場なのが、古谷さんです。
彼は正義感の強い人です。
国王にミリアさんを殺すように言われたとしても、二つ返事で受けるようなことはしないでしょう。
古谷さんは食事会の時、ミリアさんと何度か話して笑いあっていました。
そして、怪しい動きをする国王を、不振に思っていたようにも見えます。
利用すれば、使えるかもしれません。
「いっそのこと、出歩かないという選択肢は?」
「それはダメじゃ。ミリアは街の観光を楽しみにしていた。外に出ないとわかれば、絶対に不機嫌になる」
「わかりました。では、お出かけをするのは決定としましょう」
「……すまんな。こちらの我儘に付き合わせてしまって」
「いえ、今回はミリアさんが楽しむことが最優先です。問題ありません」
こうなることは事前に予想していました。
勿論、対策もバッチリ考えています。
「…………という訳で、ウンディーネ」
『……はーい』
「街中での警護は、あなたに任せます」
私が処理をしてもいいのですが、襲撃を何度も自然を装って防ぐのは、少し難しいです。
なので、誰にも身バレしていないウンディーネに、ミリアさんの警護を頼みました。
「ほう、水の大精霊が守護してくれるのであれば、妾も安心じゃ。……よろしく頼む」
『……ま、任せて、ください。ミリアちゃんは、うちが絶対に守る……!』
相手がウンディーネに勝る刺客を、この短期間で用意出来るとは思っていません。
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