転生少女は欲深い

 南條鏡は死んだ。母親には捨てられ、父親からは虐待を受け、誰の助けも受けられずに呆気なく死んだ。

 ──欲しかった。幸せな家庭、元気な体、お金、食料、力、何もかもが欲しかった。
 鏡は死ぬ直前にそれを望み、脳内に謎の声が響いた。

【異界渡りを開始します】

 何の因果か二度目の人生を手に入れた鏡は、意外とすぐに順応してしまう。
 次こそは己の幸せを掴むため、己のスキルを駆使して剣と魔法の異世界を放浪する。そんな少女の物語。
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