異世界でうさぎになって、狼獣人に食べられました

番外編

ハロン番外編５※

「はぁっ、あんっ、あっ」

　部屋にはニコリーの嬌声と俺の荒い息遣いだけが反響していた。

　ニコリーのスカートの中で、ニコリーの濡れた陰裂が俺の竿に擦り付けられている。ぐちゅぐちゅという湿った音がくぐもって聞こえ、動きでスカートが浮く度に、耐え難いフェロモンが漂ってくる。俺はもう、腰を動かさない我慢を諦めてしまっていた。

「ハロンさん、これ、あんっ、気持ちいい、ですわね」

　俺の胸に手を置いて、割れ目を押し当てていたニコリーが、熱に浮かされたような表情で微笑んだ。

「なんで、おまえ、こんなこと、知ってんだ、よ！」

　手を縛られ、上に乗られて体重をかけられ、満足に動けないながらに、俺の腰は勝手に快楽を追求してしまう。

「ふふ、だって、勉強、しましたもの、あっ、これ、かしら」
「くっ、うぁ」

　ニコリーは、俺が思わず腰を浮かせた時の動きを繰り返した。ニコリーの硬く充血した芽が、敏感な裏筋の一番上をぐりぐりと擦る。思わず声が出るほど気持ちよかった。
　俺のものはこれ以上ないほど硬くなって、頭も快感に振り回されている。妹分に攻め立てられているという背徳感もあるような気がする。
　でも、この刺激だけでは達することはできない。

「ハロンさん、キス、しますね」

　許可を求めるでもなくそう言うと、ニコリーは身体を倒して俺の頬を綺麗な手で挟み、口づけてきた。それも、思い切りよく舌を入れてくる。

「んんっ！？」
「んむっ、はむっ、ちゅっ」

　はじめは拙かった動きが、俺に合わせてどんどん上手くなっていく。その間も腰は押し付けられていて、潤いが増したのを感じた。

「ぷはっ。どう、でした？」

　頬を手で挟んだまま、紅潮した顔で見下される。俺はもう、けだもののような顔をしている自覚がある。

「気持ちよかったみたいですね？」
「……だから、なにで、勉強しっ、てんだよ！」

　思わず睨みつけると、ぐりっと竿の先端部分にもっとも潤った部分を押し付けられた。入ってしまいそうな動きに、勝手に身体の期待が高まったが、そんなことはなく、ニコリーの温かな部分はむしろ離れていった。

「お友だちのお話とか、ご本とか、淑女の嗜みにはいろいろとあるのですよ。なので、わたくし、さすがに、このまま入るとは思っていませんの。そうでしょう？」

　膝立ちになって高いところから見下される。俺が何も言わないのを同意と取ったのか、ニコリーは俺の手首に手を伸ばした。

「最後までしてくださると約束していただければ、片方だけ、外して差し上げます」

　さあ、どうする、というように、艶めいた目で見つめられる。

　こんな成人したばかりの生娘に、媚薬を盛られていいようにされていることに、憤りやら躊躇いやら罪悪感やらが入り混じった複雑な感情を抱いている。しかし、それ以上に、我慢できないくらいの快楽に頭がやられてしまっていて、中途半端に放り出された状態がつらかった。さっきからニコリーを抱き締めたくて仕方がない。手が使えないのがもどかしい。

　唇を噛んでしばらく悩んだが、答えは変わらなかった。

「決まりました？」
「約束……する」
「ふふっ、よかったです」

　勝った、という声が聞こえたように思った。ニコリーは昔から負けず嫌いだ。ボードゲームも勝つまでやめないタイプ。
　かちゃりと音がして、右手が自由になった。