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「これでもまだ、僕のが欲しくない?」
「……なんでなの?」
1年後には結婚するとわかっているのに、なんで今、私から、求めさせるのか。考えれば考えるほど、不安になる。フェリックスは美しく、人気のある青年だから、尚のこと。なんだか、ここで流されて求めてしまったら、その後に捨てられてしまいそうな気さえするのだ。
その気持ちが伝わったのか、フェリックスの手が止まった。
「うーん、恥じらいながら、流されちゃいけないと思いながら、気持ちよくなっちゃうラウラが可愛すぎて、もっとしたくなっちゃっただけだよ。昔から、ラウラは真面目で勤勉で、そういうところもいいなと思ってたけど、時たま僕が誘っていたずらをしたり家庭教師の時間をさぼったりした時、とっても可愛い顔して笑ってたよね。それが気になって、いつの間にか好きになってた」
「そ、そんなの知らない……」
「自分では気づいてなかった? ラウラは真面目すぎて、自分が背徳的だと思ってる行為に弱いんだよ。だからね、いけないと思いながらする婚前交渉は、ラウラにとってもものすごく気持ちいいんじゃないかな。僕もこれ以上ないくらい乱れるラウラが見てみたい」
「な、な……」
「でも、強引にしたら傷つくでしょ。だからどうにかしてラウラから求めて欲しいな、って思ってる。『欲しい』って言うまで挿れないけど、このままじゃ間に合わないから、挿れる以外のことは、もうちょっと強引にでもいっぱいするつもり」
にっこりと笑うと、フェリックスは私のスカートを捲り、下着を脱がしにかかった。私は呆然として何もできないでいる。下着が取られたところで、はっと意識を取り戻した。
「魔石だけでも十分、傷ついたんだけど!?」
婚前交渉にも抵抗はあるが、どちらかといえば羞恥プレイのほうがより抵抗がある。魔石を付けられたときは本気で泣きそうだった。
「え? ちょっと受け入れ難かっただけで、傷ついてはいないように見えるけど? 本気で傷ついてたら、僕と二人きりで会ったりしないよね」
「だって、これを外してもらおうと思って!」
「これ、ねぇ」
フェリックスが私に魔石を見せつけるように私の腰を持ち上げて脚を開かせ、指先でそれを弾いた。思わず声が漏れそうになり、必死で堪えた。
「魔石に一定以上の魔力を注いだら、壊れるの知ってるでしょ。こんな小さな魔石、僕の魔力を塗り替えて、さらに限度以上に魔力注ぐの、ラウラなら簡単にできたんじゃない?」
「え……? んんっ! だって、あっ、鍵が、掛かってる、んっ、と思って……」
魔力を塗り替えられないよう、魔法的な鍵を掛けることは、そう難しいことではない。だから私はてっきりフェリックスが鍵を掛けたと思っていた。彼が魔石を振動させたり止めたり、クリトリスを直に指で突いたりして思考を乱してくるけれど、必死になって言い募る。
「そんなこと、一言も言ってないでしょ。もし本気でつらかったら、試してみるくらいするんじゃない?」
「……」
言い返せなかった。
「……なんでなの?」
1年後には結婚するとわかっているのに、なんで今、私から、求めさせるのか。考えれば考えるほど、不安になる。フェリックスは美しく、人気のある青年だから、尚のこと。なんだか、ここで流されて求めてしまったら、その後に捨てられてしまいそうな気さえするのだ。
その気持ちが伝わったのか、フェリックスの手が止まった。
「うーん、恥じらいながら、流されちゃいけないと思いながら、気持ちよくなっちゃうラウラが可愛すぎて、もっとしたくなっちゃっただけだよ。昔から、ラウラは真面目で勤勉で、そういうところもいいなと思ってたけど、時たま僕が誘っていたずらをしたり家庭教師の時間をさぼったりした時、とっても可愛い顔して笑ってたよね。それが気になって、いつの間にか好きになってた」
「そ、そんなの知らない……」
「自分では気づいてなかった? ラウラは真面目すぎて、自分が背徳的だと思ってる行為に弱いんだよ。だからね、いけないと思いながらする婚前交渉は、ラウラにとってもものすごく気持ちいいんじゃないかな。僕もこれ以上ないくらい乱れるラウラが見てみたい」
「な、な……」
「でも、強引にしたら傷つくでしょ。だからどうにかしてラウラから求めて欲しいな、って思ってる。『欲しい』って言うまで挿れないけど、このままじゃ間に合わないから、挿れる以外のことは、もうちょっと強引にでもいっぱいするつもり」
にっこりと笑うと、フェリックスは私のスカートを捲り、下着を脱がしにかかった。私は呆然として何もできないでいる。下着が取られたところで、はっと意識を取り戻した。
「魔石だけでも十分、傷ついたんだけど!?」
婚前交渉にも抵抗はあるが、どちらかといえば羞恥プレイのほうがより抵抗がある。魔石を付けられたときは本気で泣きそうだった。
「え? ちょっと受け入れ難かっただけで、傷ついてはいないように見えるけど? 本気で傷ついてたら、僕と二人きりで会ったりしないよね」
「だって、これを外してもらおうと思って!」
「これ、ねぇ」
フェリックスが私に魔石を見せつけるように私の腰を持ち上げて脚を開かせ、指先でそれを弾いた。思わず声が漏れそうになり、必死で堪えた。
「魔石に一定以上の魔力を注いだら、壊れるの知ってるでしょ。こんな小さな魔石、僕の魔力を塗り替えて、さらに限度以上に魔力注ぐの、ラウラなら簡単にできたんじゃない?」
「え……? んんっ! だって、あっ、鍵が、掛かってる、んっ、と思って……」
魔力を塗り替えられないよう、魔法的な鍵を掛けることは、そう難しいことではない。だから私はてっきりフェリックスが鍵を掛けたと思っていた。彼が魔石を振動させたり止めたり、クリトリスを直に指で突いたりして思考を乱してくるけれど、必死になって言い募る。
「そんなこと、一言も言ってないでしょ。もし本気でつらかったら、試してみるくらいするんじゃない?」
「……」
言い返せなかった。
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