【R18】恥ずかしいのはお断りですっ!

榎本ペンネ

文字の大きさ
上 下
3 / 7

しおりを挟む
 フェリックスが手にしている大人のおもちゃを睨みつける。

「ラウラはこれがなんだかわかってるの?」
「え、ええ。お茶会で聞いたことがあるわ」
「ふぅん。具体的には?」

 フェリックスが細くて長い指で弄んでいるのは、透き通った緑色の小さな魔石がついた幅広の指輪のようなものだ。おそらく魔石の部分がローターになっている。魔石単独で包皮の中に入れるなどして留めておくものもあると聞くけれど、これは金色のリング部分でクリトリスを挟み込むタイプのようだ。

「……振動するんでしょ」
「うん。僕の魔力に反応して、遠隔でも操作できる」

(ですよね。たくさんの貴族カップルが嗜んでいる羞恥プレイに必須のやつですよね)

 心の中で前世の私が毒づく。

「気持ちよくなってるラウラ、とっても可愛いから、もっとたくさん見たいんだけど」
「それとこれとは別でしょ!?」
「なんで?」
「他の人に見られるのは嫌なの!」

 突き詰めればそういうことだと思う。フェリックスにキスされたり触られたりするのは気持ちいいと認められる。私ももう彼のことを男性として見ているし、お互い好き合っている婚約者なのだからそのくらい許してもいいと思える。

 でも、羞恥プレイにはものすごく抵抗があるのだ。この社会ではそこかしこでそういうことをしている人たちがいるけれど、私には前世の記憶があって、人前でするものではないという意識がある。夜会などではもちろん、メイドの前でキスをするのだって拒絶しているくらいだ。フェリックスは、「僕の愛を対外的に示せないのはつらい」と言っていたけれど、これだけは譲れない。

 まして、自分の体の敏感さを嫌というほど教え込まれた今となっては、そんなものを付けられたらひとたまりもないということは容易く想像できる。

「そんな涙目で睨んでも可愛いだけだよ。じゃあ、まずは弱い振動からはじめて、人前でも平気な顔ができるように訓練しよっか」
「はぁ!? んんっ」

 淑女にあるまじき声を上げてしまったが、それはすぐにフェリックスの口づけで遮られた。首の後ろを押さえられて、開いた口に舌を差し込まれれば、否応なく快感を流し込まれてしまう。少しの時間で身体の力が抜けていき、抵抗が弱まったところを見計らってスカートの中に手を入れられてしまった。

 下着の上から何度も指で秘裂をなぞられ、耳や首筋も舐められると、知らず腰が揺れ、愛液が溢れてしまう。必死にはしたない声が出ないよう我慢しているのを、翠の瞳が楽しそうに眺めていた。

「ここ、すごく硬くなって立ち上がってるよ」
「んんっ!」

 直にクリトリスをくりくりと押し潰されて、堪えきれない声が漏れた。フェリックスは笑みの形に目を細めて私を見下ろしながら、溢れた愛液をすくい取ってはそこに塗りつけ、さらに刺激を与えてくる。

「だ、だめ……、んんんんっ!!」

 慌てて抵抗しようとしたけれど、呆気なく達してしまう。こうなってしまうとしばらくは腰が抜けて動けなくなるのは、フェリックスには当然知られている。

「ラウラはほんとに敏感だよね。可愛くて、もっともっと乱したくなる」
「ば、ばかぁ」

 言葉でしか抵抗できないうちに、スカートをたくし上げられ、下着を脱がされた。

「やだ、やめて、お願い……」
「可愛いお願いだけど、却下かな。どちらかというと、これを着けて気持ちよくてどうしようもなくなって、『挿れて』ってお願いされたいからね」
「言うわけないでしょ! 結婚前なのに」

 ディーツ家の厳粛さと、前世での経験のなさが相まって、私は結婚するまで一線は越えないと決意していた。……ここまでしていると、何が一線なのか時たまわからなくなるけれど。

「ラウラってそういうところ意外とお硬いよね。人様の性事情を見るのは好きなのに」
「なっ……」

 当然のように言われて絶句する。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。

恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。 パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

憐れな妻は龍の夫から逃れられない

向水白音
恋愛
龍の夫ヤトと人間の妻アズサ。夫婦は新年の儀を行うべく、二人きりで山の中の館にいた。新婚夫婦が寝室で二人きり、何も起きないわけなく……。独占欲つよつよヤンデレ気味な夫が妻を愛でる作品です。そこに愛はあります。ムーンライトノベルズにも掲載しています。

若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~

雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」 夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。 そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。 全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

騎士団長のアレは誰が手に入れるのか!?

うさぎくま
恋愛
黄金のようだと言われるほどに濁りがない金色の瞳。肩より少し短いくらいの、いい塩梅で切り揃えられた柔らかく靡く金色の髪。甘やかな声で、誰もが振り返る美男子であり、屈強な肉体美、魔力、剣技、男の象徴も立派、全てが完璧な騎士団長ギルバルドが、遅い初恋に落ち、男心を振り回される物語。 濃厚で甘やかな『性』やり取りを楽しんで頂けたら幸いです!

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

処理中です...