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契約
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異世界転移とは何ぞと聞いてもさっぱりだった。僕が来たとは知ってはいたが、転移するためにはある程度知識は必要だから、儀式以外の召喚となる。自分は彼女の知らない方法で召喚をされたのである。
「で、後はお前の正体だ。わが地とか支配って・・・」
彼女は胸を張りフンと鼻息を出した。
「と、いうわけでして・・・自己紹介でもしましょうか。私の名はキャトル・イルスー。この世界の旧支配者の祖先にして混沌の邪神でございます。」
彼女は口を割くようにに笑う。嘘は無いような雰囲気を出していた。
「でも、なんで襲った時あんなに雑魚かったんだ?」
「痛いところをつきますねぇ。難しい話ですのでいろいろ割愛しますが、相性が合わなくてですね、この魔人の私でさえも理不尽なこともなるのです。あなた美味そうなのに残念です。」
食う気だったのか。相性が悪くて幸運だ。もしそうならば10分内にこの世からゲームオーバーだ。いや、この世からはもう去っているのだろうか。
「あー、あと、これからどうします?」
「これからっていわれても、ここがどこかもわからないし生き方だってわからないさ。」
「ならさ、私の僕になる?じゃないと生きていけないでしょう。」
嗚呼、いやな選択だ。訳の分からない世界でホームレスか、邪神の手先か、究極の選択の一つだな。どちらも最悪の。
ため息をつく。
「わかった。お前の部下になる。生きるすべしらしらないんだ。・・・お世話になります。」
彼女は腰に手を当て、むふーと鼻息をこぼす。そして僕の顎を撫でた。まるで僕は買ったばかりの犬だ。
「よろしくね、我が下僕。いい名前も付けてあげないとねー。天木蒼汰なんて違和感バリバリよ。そうだ!」
ああもう、ほんとに犬じゃないか。
「キャトル・ソトホート!いい名前、いい名前!」
もっとましな名前はなかったのか。そう思い嘆くしかなかった。
「で、後はお前の正体だ。わが地とか支配って・・・」
彼女は胸を張りフンと鼻息を出した。
「と、いうわけでして・・・自己紹介でもしましょうか。私の名はキャトル・イルスー。この世界の旧支配者の祖先にして混沌の邪神でございます。」
彼女は口を割くようにに笑う。嘘は無いような雰囲気を出していた。
「でも、なんで襲った時あんなに雑魚かったんだ?」
「痛いところをつきますねぇ。難しい話ですのでいろいろ割愛しますが、相性が合わなくてですね、この魔人の私でさえも理不尽なこともなるのです。あなた美味そうなのに残念です。」
食う気だったのか。相性が悪くて幸運だ。もしそうならば10分内にこの世からゲームオーバーだ。いや、この世からはもう去っているのだろうか。
「あー、あと、これからどうします?」
「これからっていわれても、ここがどこかもわからないし生き方だってわからないさ。」
「ならさ、私の僕になる?じゃないと生きていけないでしょう。」
嗚呼、いやな選択だ。訳の分からない世界でホームレスか、邪神の手先か、究極の選択の一つだな。どちらも最悪の。
ため息をつく。
「わかった。お前の部下になる。生きるすべしらしらないんだ。・・・お世話になります。」
彼女は腰に手を当て、むふーと鼻息をこぼす。そして僕の顎を撫でた。まるで僕は買ったばかりの犬だ。
「よろしくね、我が下僕。いい名前も付けてあげないとねー。天木蒼汰なんて違和感バリバリよ。そうだ!」
ああもう、ほんとに犬じゃないか。
「キャトル・ソトホート!いい名前、いい名前!」
もっとましな名前はなかったのか。そう思い嘆くしかなかった。
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