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心に残っていたもの
八
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至る場所で扉を開けていった。ミルビーを探すために。もうすぐ終わりだとカツギは言っていたのだ、その終わりがいつ訪れるのか、時間だけが刻一刻と刻まれる。
もう叫び声も何も聞こえなかった。もしかしたら、私たち以外もはや誰もいないのかもしれない。そう思えてしまうほどに静かで、時折追いかけてくる鬼の声だけが響く。
しばらく走り続け、果てに金色を見つける。私は立ち止まり、呼び止めた。
「ミルビー!」
彼は、左からゆっくり振り向いた。手には私が落とした包丁を持っている。黒い目と目が合い、パステルブルーの目が私を見つける。金色の髪と真っ黒の髪が半々のままだ。まるで別人のように。
「メロル……」
私たちはついにお互いを見つけてしまった。ミルビー。私は一つの仮定を立てていた。話を聞いた全てを合わせて、辻褄が合うように考えた。だから他に言葉を紡ごうとして、アナウンスに口を噤んだ。
「鬼ごっこを終了します。鬼ごっこを終了します」
試練の終わりだった。私たちはどちらともなく、近付き、触れようとはしなかった。
もう叫び声も何も聞こえなかった。もしかしたら、私たち以外もはや誰もいないのかもしれない。そう思えてしまうほどに静かで、時折追いかけてくる鬼の声だけが響く。
しばらく走り続け、果てに金色を見つける。私は立ち止まり、呼び止めた。
「ミルビー!」
彼は、左からゆっくり振り向いた。手には私が落とした包丁を持っている。黒い目と目が合い、パステルブルーの目が私を見つける。金色の髪と真っ黒の髪が半々のままだ。まるで別人のように。
「メロル……」
私たちはついにお互いを見つけてしまった。ミルビー。私は一つの仮定を立てていた。話を聞いた全てを合わせて、辻褄が合うように考えた。だから他に言葉を紡ごうとして、アナウンスに口を噤んだ。
「鬼ごっこを終了します。鬼ごっこを終了します」
試練の終わりだった。私たちはどちらともなく、近付き、触れようとはしなかった。
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