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三人の真実
八
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ヒロタは、自殺者だとぬいぐるみたちが言っていた。彼がどう死んだのかは私にはわからない。けれど、自殺したことは間違いないようだった。
ヒロタもまたぬいぐるみを愛していた男だった。それを父は嫌がったのだ、男のくせに気味が悪い、と何度も燃やされそうになったそうだが大喧嘩の末、ついに燃やされてしまう。
ヒロタは、高校生といえ、まだ子どもの心を持っていた。いつも大人になりたくないと繰り返し書いていた。
大喧嘩の内容は書かれていないが、将来のことだろうか、と私は推測する。ヒロタが将来に不安を感じているのは明白だったから。
私はページを捲った。最後のページには大きな文字で告白をしていた。私はその告白に、目を見張った。
「父、チルギは神主失格だ。子どもを殺したのだから」
ヒロタもまたぬいぐるみを愛していた男だった。それを父は嫌がったのだ、男のくせに気味が悪い、と何度も燃やされそうになったそうだが大喧嘩の末、ついに燃やされてしまう。
ヒロタは、高校生といえ、まだ子どもの心を持っていた。いつも大人になりたくないと繰り返し書いていた。
大喧嘩の内容は書かれていないが、将来のことだろうか、と私は推測する。ヒロタが将来に不安を感じているのは明白だったから。
私はページを捲った。最後のページには大きな文字で告白をしていた。私はその告白に、目を見張った。
「父、チルギは神主失格だ。子どもを殺したのだから」
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