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おもちゃたちの魂
二
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「じゃあ、ムロルも?」
「私は……もともと、一人しか、私のこと知らなかったからね。その子が死んでから来たから、最近よ」
肩に乗ったくまを一瞥して、私は目の前の扉を開けてみた。
「話を戻すけど、ヒロタがね、一人の……一体のって言ったらいいのかな、ぬいぐるみに強い照明を当てて、消滅させてたんだよね。あれはどういうことなの?」
部屋の中はやはりぬいぐるみだらけだったが、私は天井に扉があるのを見つける。こんなのどうやって開けたらいいのだろう。ムロルは私の肩から、私の腰あたりの背のテーブルに乗り移った。
「四十九日を越えた魂は成仏できないと霊になるのよ」
視線を移すとやはり立ち上がることが出来ないらしく、足を前にして私に手を指し、話してくれた。
「そうなの?」
ムロルは不器用ながら頷いた。
「私は……もともと、一人しか、私のこと知らなかったからね。その子が死んでから来たから、最近よ」
肩に乗ったくまを一瞥して、私は目の前の扉を開けてみた。
「話を戻すけど、ヒロタがね、一人の……一体のって言ったらいいのかな、ぬいぐるみに強い照明を当てて、消滅させてたんだよね。あれはどういうことなの?」
部屋の中はやはりぬいぐるみだらけだったが、私は天井に扉があるのを見つける。こんなのどうやって開けたらいいのだろう。ムロルは私の肩から、私の腰あたりの背のテーブルに乗り移った。
「四十九日を越えた魂は成仏できないと霊になるのよ」
視線を移すとやはり立ち上がることが出来ないらしく、足を前にして私に手を指し、話してくれた。
「そうなの?」
ムロルは不器用ながら頷いた。
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