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鬼は誰
二
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「嫌だ、嫌だ、あ、あいつが……きっと、あいつがあたしをここまで追ってきたんだ!」
「あいつ?」
聞いてみるが答えない。リスリの肩を掴もうとすると払いのけられた。
「ゆ、ユウカが! あたしを消しに来たんだ!」
「誰も来てないよ、落ち着いて」
今度こそ肩を掴み、力強く伝えるとリスリは私を視界に入れた。大きく見開いていた目はやがて冷静さを取り戻していく。安堵した。
「リスリ、怖いんだね」
背中を撫で、ゆっくり腰を下ろさせるとリスリは子どものように何度も頷いた。少年がいつの間にか取れてしまった私の帽子を手渡してくる。ありがとう、伝え、リスリと向き直った。
「ユウカがどうしてここまで来たと思うの?」
「あいつ?」
聞いてみるが答えない。リスリの肩を掴もうとすると払いのけられた。
「ゆ、ユウカが! あたしを消しに来たんだ!」
「誰も来てないよ、落ち着いて」
今度こそ肩を掴み、力強く伝えるとリスリは私を視界に入れた。大きく見開いていた目はやがて冷静さを取り戻していく。安堵した。
「リスリ、怖いんだね」
背中を撫で、ゆっくり腰を下ろさせるとリスリは子どものように何度も頷いた。少年がいつの間にか取れてしまった私の帽子を手渡してくる。ありがとう、伝え、リスリと向き直った。
「ユウカがどうしてここまで来たと思うの?」
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