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鬼ごっこ
七
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「どうしたの」
「えっ……と」
あまりにも無垢な子どもだった。怖くてたまらなかったその正体は非力な少年で、拍子抜けをした。
屈んで彼と同じ視線になってみせる。黒髪でもみあげが頬下まであり、大きな黒目が私を見つめる。小麦色の肌で健康的に見えた。
「おねーちゃんだよね、自分で死んだ人」
言った途端、彼の目が鋭くなった。邪気に満ちたその顔に。私は咄嗟に後ずさった。少年が距離を詰めてくる。
「どうなの?」
頬が落ちそうなくらい少年は緩く笑った。それが余計に怖くて、私は必死に頭を振った。こんな小さな子は自殺者にいなかったはずだ。
「えっ……と」
あまりにも無垢な子どもだった。怖くてたまらなかったその正体は非力な少年で、拍子抜けをした。
屈んで彼と同じ視線になってみせる。黒髪でもみあげが頬下まであり、大きな黒目が私を見つめる。小麦色の肌で健康的に見えた。
「おねーちゃんだよね、自分で死んだ人」
言った途端、彼の目が鋭くなった。邪気に満ちたその顔に。私は咄嗟に後ずさった。少年が距離を詰めてくる。
「どうなの?」
頬が落ちそうなくらい少年は緩く笑った。それが余計に怖くて、私は必死に頭を振った。こんな小さな子は自殺者にいなかったはずだ。
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