魂選塔

中釡 あゆむ

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「人に寄せてるんですよ。だってそうしなきゃ、怖いでしょう? 君たち臆病者には」


嫌味な言い方と卑屈な笑みで顔を近づけた。ミルビーは人差し指を口元に持っていって、唸り、つまり自殺者には、ということだね、と高らかに言い放った。それなら問題ないと付け足して。


「ボクは怖くないよ、本当の姿があるならなってみせてよ」


「……チルギ様」


今にも撃ちたそうにじれったい声でカツギが神を呼ぶ。神は、ミルビーの言葉の真意を汲み取ろうとしているらしく、観察する目で眺めていた。


「不思議なんだよね、二人とも髪が白い、目も白い」


「なにが不思議だと言うんです?」


「神様ってどうやって生まれたの? それとも元々人間で、死んだの? でも思い出がないから白いってこと? あるいは初めから神やその側近は白で出来てるってこと?」
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