魂選塔

中釡 あゆむ

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曖昧

十二

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確かに嘘をついても本当のことをわかっている様子ではなかった。つまり、私が刺したと彼は今も信じているのだ。


「だからこうして指をくわえて待っているんだけど、そうだな、君が言うように、もし、ボクが消してきた中にいたらどうだろう。もう、ここにいる意味がなくなる……」


力無く言うと彼は視線をミキサーに向けた。切なそうにも見えないその目は、何を思っているのだろう。


「えっと、さっきの話の続きだけど」


ミルビーは私を見て首を傾げた。


「あのね、確認だけど……あなた、死ぬ間際何をしていたの?」


ミルビーは首を傾げ、死ぬ間際のことを思い出しているようだった。さっきは燃やされた、と言っていたが、もしかしたらあれも適当だったのかもしれない。
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