魂選塔

中釡 あゆむ

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答え

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気遣いながら包んで放たれた言葉は、私の内側に到達したとき全て剥がれてまんまと刃物になって射し込んできた。刺される鈍い音がした。


分かっている、分かっているよ、お父さん。私はいらないよね。こんな娘、早く死んだ方が良かったよね……。


父にそう告げると、彼は泣きじゃくったのだ。


――君は自由になる。思い出は消えないけど、思い出によって感じていた感情がなくなる。君は、より強い心を手に入れるんだよ。


だとしたら、この気持ちも、痛みも無くなるのだろうか。父を刺せば私は楽になってミルビーと一緒に残るだろう。何の悔いもなく、感謝もなく、愛もなく、私は居座れるだろう。


包丁を、力強く握った。


「そうじゃないんだ」
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