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葛藤ミキサー
七
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「……私、恋人と……心中しちゃって……だから、この葛藤ミキサーで、消えちゃうかも……そういう人が、いたらいいなって……」
負のオーラが漂っている。苦笑いを零した。
「消えちゃうかもって、どうしてそう思うの?」
「……葛藤……自分の心と戦うこと、を……言うんでしょう? だから……」
下を向いてもぞもぞと呟かれる。どうしてか、ムキになって言い返していた。
「負けるか、なんてわからないじゃん」
「負けますよ……どうせ、私なんて」
俯いて、口を噤まれた。じんわりと、彼女の言葉は毒ガスのように私の内側を侵食しようとしていた。私なんて……母に対して、私だってそう思っていた。
負のオーラが漂っている。苦笑いを零した。
「消えちゃうかもって、どうしてそう思うの?」
「……葛藤……自分の心と戦うこと、を……言うんでしょう? だから……」
下を向いてもぞもぞと呟かれる。どうしてか、ムキになって言い返していた。
「負けるか、なんてわからないじゃん」
「負けますよ……どうせ、私なんて」
俯いて、口を噤まれた。じんわりと、彼女の言葉は毒ガスのように私の内側を侵食しようとしていた。私なんて……母に対して、私だってそう思っていた。
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