魂選塔

正体

九

視界が急速にボク達へ迫り、色が目の中に入って、放たれ、膨張し破裂する。再会したボクとメロルは顔を見合わせ、ため息をつかれた。


「私を消してくれると思ったのに」


不貞腐れた彼女にボクは笑いかける。本心を見てしまった後ではその言葉が嘘ではないことを知っているが、生き返ることを望んだのも嘘ではない。


ボクを睨みつけるも間もなく表情を和らげ、彼女は首を傾げた。


「あなた、一体何者なの？　そういえば思い出があるのに初めは私たちと同じく白かったし、なのに合わせて人の形になったんだよね？　そうだ、あなたがさっき消した女性に話してた身の上話は」


「思い出ショッピングの終了をお知らせします。繰り返します」


絶えずされていた質問を遮るようにアナウンスが鳴り響いた。メロルは黙り込み、ボクは天井を仰ぐ。彼女の視線を受けていると笑いがこみ上げた。


あまりにも純粋で残酷だ。