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36.宰相様の溺愛が過ぎる件について。
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美月が尻餅をついて悶えていると、寝室の外から声がかかった。
「――美月? 起きてるの?」
(こ、この声は……)
間違いない。美月をこんな状態にした張本人の声だ。
正直、今はどんな顔をしたら良いのか分からないので、会いたくないような。
でも、少しは会いたいような。
(……複雑……)
コンコン。と、軽いノック音がする。
「……っ」
どうしたものかと考えていると、ドアが開いてしまった。
「……ああ。やっぱり起きてたんですね」
慌ててシーツを掻き寄せ、ベッドの影から頭を出した状態で覗くと、眩しそうにこちらを見て笑っているのは、勿論この部屋の主人であるレオンハルトだ。
久方ぶり……とは、言っても昨夜気を失う前振りぐらいだから、そんなに時間は経っていないはずだが、心なしか……病み上がりのはずであった彼の顔はツヤツヤとしている。
(何でそんなに嬉しそうなの)
入室して来た彼は、仕事をして帰って来たばかりなのか、いつか見たようなやや茶色味がかったフロックコートの下に臙脂色のベストを着こみ、きっちりと絵に描いたような紳士らしい服装をしている。それに比べて、今しがた起きたばかりの自分は素っ裸にシーツが一枚。
何だろう? 何か……心許なさ過ぎる。
しかし、まぁ、ここは彼の寝室なのだから、ノックも無しに入って来てもおかしくないのに、一応は美月に気を遣ってくれたのだろう。
「身体は大丈夫ですか?」
「…………」
声を掛けながらゆっくりと近づいてくるレオンハルトに、美月はぐるぐるに巻かれたシーツの塊の中で、顔を隠す。
何だか居た堪れないのだ。
こんな身体中筋肉痛のヘロヘロのふにゃふにゃになるまで抱いたのは、間違いなくこの男であるのに、腹が立つとか何故かそういう気分にはならない。その代わり、めちゃくちゃ居た堪れない。
「……美月? 大丈夫ですか?」
(大丈夫じゃない。大丈夫じゃないから、暫く放っておいて欲しい……こういうの慣れてないから……)
だから、こういう時、どうしていいのか分からない。
普通の恋人同士なら、甘えたりするのだろうか?
ふわり。と、身体が急に温かくなった。
美月が頭から被ったシーツごと、彼に抱き寄せられたのだと気付いたのは、その胸に収まった後のことだ。
「……声を聞かせてくれないんですか?」
少し掠れた声で悲しげに囁かれて、散々抱かれた身体がぴくん、と反応する。それは自分の意思では無いはずなのに。
「…………た、の?」
小さな声でやっと言葉を紡ぐと、レオンハルトはシーツの塊のままの彼女を更に愛しげにぎゅっと抱きしめた。
「ええ。貴女が眠っている間に、少しだけ、仕事をして来ました」
「…………り、なさい」
こそりとシーツの隙間から顔を出し、そう呟いた美月に、レオンハルトは堪らなくなってその腕に更に力を込めた。
(うっ……く、苦しい……)
この男は華奢だが、思いのほか力がある。羽交い締めにでもされているかのようにがっちりと抱きしめられて、息も出来ない。
「――ッ! れ、オン……苦し……ッ」
いよいよ苦しくなって胸元をバシバシと叩くと、やっと我に返ったレオンハルトはその腕を離した。
「ああ。すみません……つい」
「ケホッケホッ……」
酸欠で思わず頭のシーツを取ると、すかさずレオンハルトの口付けが降って来る。
頭のてっぺん、額、頰、耳、唇……。
「――っ、レオン!」
真っ赤になった彼女の抗議を封じ込めるように、再び唇を塞がれた。
(な、何? さっきから何なの? この雰囲気の甘さは……恥ずかしいし、居た堪れないし……もう、どうにかして欲しい……)
彼の腕の中で溺れてしまいそうだ。
この男の、自分に向けられた好意は誰にも制することは出来ない。
「んん……っ……」
甘く唇を吸われるだけで、身体が疼く。
こんな淫らな女だっただろうか? 自分は。
「……美月、これ以上したらまた君を抱きたくなりそうです……」
それは彼も同じだったのか、レオンハルトは僅かに欲が篭ったような目で彼女を見つめると、ぼそりと呟き、困ったように笑いながら唇を離した。
と、言うか……レオンハルトって、こんなに情熱的だったかしら?
さっきから、すごく甘い言葉だの、スキンシップだのの嵐で、目眩がしそう。
「……今、一体何時ですか?」
「もうすぐ夕刻です。僕も先ほど帰ったんです。自分の仕事は終えましたが、後はアルフレッドの処理待ちのものだけだったので、彼に任せて帰って来ました」
「え。……そ、それっていいの?」
(王太子殿下に仕事押し付けて帰って来たってこと?!)
「ああ、いいんですよ。あの人は本当は出来る人なんです。ただ、普段からサボってるだけで。……だから、あれくらいでちょうどいいんです」
「えぇ?」
(……前から思ってたけど、自国の王太子殿下に……そんなんでいいんだろうか?)
宰相様、怖い。
美月がぼんやりとそんな感想を抱いていると、当のレオンハルトはと言うと、そんなことよりも――と、口を開いた。
「それよりも、お腹空きませんか? 夕食はここに運ばせますから、まずは入浴でもどうぞ。用意させていますから」
おお……何と気が利く人だろうか。
今しがた、お風呂に入ろうと不自由に力の入らない身体を奮い立たせた自分の意図をまるで汲んでくれたような申し出だ。
「ありがとう……お風呂、入りたい」
(身体のこの生まれたての子鹿のような動きをする筋肉もほぐしてやらないと……)
素っ裸のまま居るのも居た堪れないし、気のせいかもしれないけど、身体のあちこちがカピカピするような気がするから清めたい。
現代日本生まれの日本人である美月にとって、お風呂は癒しでもあるのだ。嬉しくない訳が無い。
「じゃあ、早速お連れしますね」
「え?」
オツレシマスネ?
「きゃっ?! ちょっ……あわ、わわわ」
抱き締められた身体がふわりと浮いた。
(待て! 待て待て待てー!! 何で私、この人にお姫様抱っことかされてるの?!)
齢二十四にして、初めての……まさかの、お姫様抱っこ。
羞恥の極み。
(何これ……私、今なら羞恥で死ねるかもっ……)
「れ、レオン!! 降ろして! 今すぐ降ろして!! 私、重いからっ!!」
「何言ってるんですか? 腰立たないんでしょう? 浴室までちゃんと僕がお連れしますよ」
レオンハルトは、実に爽やかに笑いかけて美月を抱き上げたまま、スタスタと歩いている。
(やだー!! 私、死ぬ! 恥ずかしくて死ぬ!)
羞恥に顔を真っ赤にした美月がレオンハルトの肩口に顔を埋めても、逆効果でしか無い。
「……可愛い。誰も見てやしませんよ……あ、リーリアはそこに居ますけど」
部屋付きのメイドの名を挙げられ、真っ赤に染まった顔を隠したまま、美月はびくりと震えた。
(嘘だ。きっと誰も居ない。居ない……居なかった……は、ず……)
「レオンハルト様、浴室の準備が整いました」
「!!」
やっぱり……居た。
「ありがとう。リーリア、彼女の着替えと……僕のも頼みます」
「え? 何で?」
「僕も帰宅したばかりですから、一緒に入ります。その身体では身体を洗うのも大変でしょう?」
美月は愕然とした。
「……お風呂くらい、一人で入れます」
「無理ですね」
「入ります!!」
「……大丈夫。人払いはしてありますから」
(……話が通じない……)
いや、この賢くて察しのいい彼が、美月の言わんとしていることを分かってないはずが無い。
「僕が隅々まで洗ってあげますね」
レオンハルトの笑顔が、悪魔のように見えた。
「――美月? 起きてるの?」
(こ、この声は……)
間違いない。美月をこんな状態にした張本人の声だ。
正直、今はどんな顔をしたら良いのか分からないので、会いたくないような。
でも、少しは会いたいような。
(……複雑……)
コンコン。と、軽いノック音がする。
「……っ」
どうしたものかと考えていると、ドアが開いてしまった。
「……ああ。やっぱり起きてたんですね」
慌ててシーツを掻き寄せ、ベッドの影から頭を出した状態で覗くと、眩しそうにこちらを見て笑っているのは、勿論この部屋の主人であるレオンハルトだ。
久方ぶり……とは、言っても昨夜気を失う前振りぐらいだから、そんなに時間は経っていないはずだが、心なしか……病み上がりのはずであった彼の顔はツヤツヤとしている。
(何でそんなに嬉しそうなの)
入室して来た彼は、仕事をして帰って来たばかりなのか、いつか見たようなやや茶色味がかったフロックコートの下に臙脂色のベストを着こみ、きっちりと絵に描いたような紳士らしい服装をしている。それに比べて、今しがた起きたばかりの自分は素っ裸にシーツが一枚。
何だろう? 何か……心許なさ過ぎる。
しかし、まぁ、ここは彼の寝室なのだから、ノックも無しに入って来てもおかしくないのに、一応は美月に気を遣ってくれたのだろう。
「身体は大丈夫ですか?」
「…………」
声を掛けながらゆっくりと近づいてくるレオンハルトに、美月はぐるぐるに巻かれたシーツの塊の中で、顔を隠す。
何だか居た堪れないのだ。
こんな身体中筋肉痛のヘロヘロのふにゃふにゃになるまで抱いたのは、間違いなくこの男であるのに、腹が立つとか何故かそういう気分にはならない。その代わり、めちゃくちゃ居た堪れない。
「……美月? 大丈夫ですか?」
(大丈夫じゃない。大丈夫じゃないから、暫く放っておいて欲しい……こういうの慣れてないから……)
だから、こういう時、どうしていいのか分からない。
普通の恋人同士なら、甘えたりするのだろうか?
ふわり。と、身体が急に温かくなった。
美月が頭から被ったシーツごと、彼に抱き寄せられたのだと気付いたのは、その胸に収まった後のことだ。
「……声を聞かせてくれないんですか?」
少し掠れた声で悲しげに囁かれて、散々抱かれた身体がぴくん、と反応する。それは自分の意思では無いはずなのに。
「…………た、の?」
小さな声でやっと言葉を紡ぐと、レオンハルトはシーツの塊のままの彼女を更に愛しげにぎゅっと抱きしめた。
「ええ。貴女が眠っている間に、少しだけ、仕事をして来ました」
「…………り、なさい」
こそりとシーツの隙間から顔を出し、そう呟いた美月に、レオンハルトは堪らなくなってその腕に更に力を込めた。
(うっ……く、苦しい……)
この男は華奢だが、思いのほか力がある。羽交い締めにでもされているかのようにがっちりと抱きしめられて、息も出来ない。
「――ッ! れ、オン……苦し……ッ」
いよいよ苦しくなって胸元をバシバシと叩くと、やっと我に返ったレオンハルトはその腕を離した。
「ああ。すみません……つい」
「ケホッケホッ……」
酸欠で思わず頭のシーツを取ると、すかさずレオンハルトの口付けが降って来る。
頭のてっぺん、額、頰、耳、唇……。
「――っ、レオン!」
真っ赤になった彼女の抗議を封じ込めるように、再び唇を塞がれた。
(な、何? さっきから何なの? この雰囲気の甘さは……恥ずかしいし、居た堪れないし……もう、どうにかして欲しい……)
彼の腕の中で溺れてしまいそうだ。
この男の、自分に向けられた好意は誰にも制することは出来ない。
「んん……っ……」
甘く唇を吸われるだけで、身体が疼く。
こんな淫らな女だっただろうか? 自分は。
「……美月、これ以上したらまた君を抱きたくなりそうです……」
それは彼も同じだったのか、レオンハルトは僅かに欲が篭ったような目で彼女を見つめると、ぼそりと呟き、困ったように笑いながら唇を離した。
と、言うか……レオンハルトって、こんなに情熱的だったかしら?
さっきから、すごく甘い言葉だの、スキンシップだのの嵐で、目眩がしそう。
「……今、一体何時ですか?」
「もうすぐ夕刻です。僕も先ほど帰ったんです。自分の仕事は終えましたが、後はアルフレッドの処理待ちのものだけだったので、彼に任せて帰って来ました」
「え。……そ、それっていいの?」
(王太子殿下に仕事押し付けて帰って来たってこと?!)
「ああ、いいんですよ。あの人は本当は出来る人なんです。ただ、普段からサボってるだけで。……だから、あれくらいでちょうどいいんです」
「えぇ?」
(……前から思ってたけど、自国の王太子殿下に……そんなんでいいんだろうか?)
宰相様、怖い。
美月がぼんやりとそんな感想を抱いていると、当のレオンハルトはと言うと、そんなことよりも――と、口を開いた。
「それよりも、お腹空きませんか? 夕食はここに運ばせますから、まずは入浴でもどうぞ。用意させていますから」
おお……何と気が利く人だろうか。
今しがた、お風呂に入ろうと不自由に力の入らない身体を奮い立たせた自分の意図をまるで汲んでくれたような申し出だ。
「ありがとう……お風呂、入りたい」
(身体のこの生まれたての子鹿のような動きをする筋肉もほぐしてやらないと……)
素っ裸のまま居るのも居た堪れないし、気のせいかもしれないけど、身体のあちこちがカピカピするような気がするから清めたい。
現代日本生まれの日本人である美月にとって、お風呂は癒しでもあるのだ。嬉しくない訳が無い。
「じゃあ、早速お連れしますね」
「え?」
オツレシマスネ?
「きゃっ?! ちょっ……あわ、わわわ」
抱き締められた身体がふわりと浮いた。
(待て! 待て待て待てー!! 何で私、この人にお姫様抱っことかされてるの?!)
齢二十四にして、初めての……まさかの、お姫様抱っこ。
羞恥の極み。
(何これ……私、今なら羞恥で死ねるかもっ……)
「れ、レオン!! 降ろして! 今すぐ降ろして!! 私、重いからっ!!」
「何言ってるんですか? 腰立たないんでしょう? 浴室までちゃんと僕がお連れしますよ」
レオンハルトは、実に爽やかに笑いかけて美月を抱き上げたまま、スタスタと歩いている。
(やだー!! 私、死ぬ! 恥ずかしくて死ぬ!)
羞恥に顔を真っ赤にした美月がレオンハルトの肩口に顔を埋めても、逆効果でしか無い。
「……可愛い。誰も見てやしませんよ……あ、リーリアはそこに居ますけど」
部屋付きのメイドの名を挙げられ、真っ赤に染まった顔を隠したまま、美月はびくりと震えた。
(嘘だ。きっと誰も居ない。居ない……居なかった……は、ず……)
「レオンハルト様、浴室の準備が整いました」
「!!」
やっぱり……居た。
「ありがとう。リーリア、彼女の着替えと……僕のも頼みます」
「え? 何で?」
「僕も帰宅したばかりですから、一緒に入ります。その身体では身体を洗うのも大変でしょう?」
美月は愕然とした。
「……お風呂くらい、一人で入れます」
「無理ですね」
「入ります!!」
「……大丈夫。人払いはしてありますから」
(……話が通じない……)
いや、この賢くて察しのいい彼が、美月の言わんとしていることを分かってないはずが無い。
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レオンハルトの笑顔が、悪魔のように見えた。
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