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32.捕食……されています。★
しおりを挟むレオンハルトの吐息が、あらぬ場所に吹きかかるのを感じて美月は焦った。
必死に抵抗するが、力強い腕に阻まれ、軽々と脚を持ち上げられて割り開かれる。
「ああッ……やだ……ッやだ、やだやだっ……だめぇ……ッ」
恥ずかしくなり、腕で顔を隠した美月の下腹から蜜の滴る入り口へとレオンハルトの息遣いが近づき、期待に震えるその場所に舌がそっと這わされる。
「ん、ひあぁぁ……ッ?!」
感じたことの無い刺激に再び身体が仰け反った。
「もうトロトロですね……」
「ん……ンんッ……だ、だめっ……だめぇ……ッふ、ぅ……あ、あぁンッ」
赤く充血してすっかり泥濘んだ熱い蜜壺の中へ、尖らせた肉厚の滑った舌が侵入する。熱くうねる内部を蹂躙し、奥からとめどなく溢れ出す蜜を啜るじゅるじゅると言う卑猥な音が、いやに大きく耳の中に響いた。
それがまた美月に一層の羞恥を誘い、頭の中がくらくらした。
触れられれば触れられる程、下腹の奥が熱く疼く。恥ずかしさだけでは無くて、甘い快感と熟れた熱が腹の中に吹き溜まっていくような、そんな感覚に戸惑いながらも、その快楽の波に逆らうことが出来ない。
「……ここ、気持ちいい?」
「んん、ひぅ……ッわかん、な……ぁ……ッふ、ぅ……」
「……っしっかり……馴らしておかないとね」
レオンハルトの問いに答えられる余裕も無い。
時折蜜口の上の硬くなった粒も指先で優しく転がされると、痺れるような快感が走る。美月は息も絶え絶えに、ただこくこくとただ頷くことしか出来ない。彼が喋る度、そこに息が吹きかかり、それにすらも感じてしまう。
内部を彼の舌でぴちゃぴちゃと抉られながら、くりんとしてきた粒を親指でこりこりと引っ掻かれると、美月は耐えられずについに甲高い声をあげ――果てた。
「あ、ンあぁぁッ――……っ!!」
ビクビクと身体が打ち揚げられた魚のようにヒクつく。
レオンハルトから次々と与えられる経験したことの無い過ぎた快楽に、だらだらと涎を垂らし、蜜口がヒクつくいていた。
「……美月、可愛い……」
口元についた美月の蜜を拭い、レオンハルトはうっとりと満足そうに、それから舌舐めずりをする空腹の獣のような欲情の篭った目で彼女を見ていた。
完全にキャパシティオーバーの出来事に、はぁはぁと、全力で走った後みたいに激しく呼吸しながら、美月はただぼんやりと霞む頭でそんなレオンハルトの姿を見つめることしか出来ない。
そんな中で彼はするすると着ていた服を潔く落とし、精悍な裸身を美月の前に晒した。
文武両道と言われるルーデンボルグ家の家訓通りか、レオンハルトの身体は細身ながらきちんと筋肉がつき、鍛えられて引き締まった身体をしている。
ばくばくと鳴り響く自分の心臓の音が煩いくらいに大きく聞こえた。
身体が鉛のように重い。
同じく裸になった彼の前でしどけない裸体を晒したままであるのに、思うように身体が動かなくて、隠すこともままならない。
少し、泣きたくなって来た。
舌っ足らずな甘い声をあげて喘いでいた自分に、美月は内心驚いていた。どこからそんな声が出たのかと思う程、恥ずかしい、欲に塗れて鼻にかかったような甲高い女の声が、他の誰でも無く自分の口から漏れてしまうのを止められなかった。
彼の自分を呼ぶ声に……その手に、その肌の熱さに、与えられる感覚全てに信じられないくらい感じてしまう。
「……っ……わた、私……どうしてい……かっ……わか、らな……ッ」
何度目かの果てを見て、美月の身体は敏感になっていた。
触れられれば触れられる程、不思議と彼への想いが増していく。
「……すごく可愛いかったですよ」
「や、やだって……っやだって言っ……た、のに……っ」
顔を真っ赤にしてレオンハルトを詰る美月の頰を両手で包み込み、それからあやすように彼女を抱きしめて真っ白な背中をそっと撫でた。それだけでも、敏感になった身体はぴくりと反応してしまったが、温かい掌のぬくもりが、昂ぶった感情を宥めるように素肌を滑ると、次第に落ち着いてくる。
「……落ち着いた?」
こくん。と頷き、美月が恥ずかしそうに目を逸らしたまま、少し逡巡した後、レオンに抱きつく。
しかし、抱きついたことでお臍の下辺りに何か硬いものが触れていることに違和感を覚えた。
(……何か当たって……?)
「!」
レオンハルトの欲望が頭を擡げ、美月の下腹に触れている。
レオンハルトは少し困ったように笑うだけだ。
(…………お、おっきくない?)
男の人のそれは、こんなに大きくなるものなのだろうか?
木炭デッサンで彫刻の男性像を描くことも多々あったが、肉体美の塊である彫像でも、こんなに大きくはない。
……無かった……はず。
反り返ったそれは細い美月の腕くらいはありそうだ。
(は……入る、かな?)
美月がこんな風にされても、嫌では無いのは相手がレオンハルトだからだ。
彼が自分に触れているから、こんなにも気持ちいい。そう、気持ち良かった。美月はちゃんと感じていた。
自分を可愛いと、そんな風に愛おしんで触れてくれる彼だから、美月は身を任せたのだ。
求められるのは、嬉しい。
何故なら、自分もまた彼のものになりたいと、どこかで願っていたから。
だが、そんな少々場違いな美月の感慨も束の間。
「……まだまだこれからですよ?」
妙に妖艶な笑みを浮かべ、そう、レオンが囁いた。
「え」
「美味しく頂く為に、ちゃんと貴女も気持ち良くなれるようにしてあげますからね」
――あれから更に入念にレオンハルトに攻め立てられ、身体中口付けられて愛撫されて、もう美月は限界だった。
「駄目、ですよっ……美月、イク時はイクって言ってください」
「あ、あぁッ……だ、め……もっ……んんンッ――ッ」
長い指を三本入れられて、膣内を掻き回され、あっさり探り当てられた美月の一番感じる部分を重点的に攻められ、涙を流しながら身体を仰け反らせて絶頂した。
(私……初心者なんですけどっ……)
こ、こんなに普通ハードなんでしょうか?
何回イかされたか、もうよく分からない。
視界が暗転し、こてんと意識が遠退く。
そして、再び意識が浮上した時には、レオンハルトがまたあの、人の悪い妖艶な笑みを浮かべて彼女を押し倒していた。
汗やら何やらでもう身体中がぐちゃぐちゃだ。息つく間もなく、レオンハルトの唇が降りてくる。何度も唇を合わせたせいか、唇も心なしか腫れているような気がした。
ずっと煽られ続けた身体は、唇を合わせるだけでじわりと蜜を吐き出す。
「ん……ぁ、あッ……」
「……ここをこりこりされるの好きですよね」
唇を合わせながら降りてきた手が柔らかな白い乳房を先端の赤い部分を引っ張るようにして揉み、その先端を人差し指と親指で摘み上げ、こりこりと捏ね回されるのが気持ち良くて声が勝手に漏れてしまう。
「あ、もっ……もっと……」
(もっと触って欲しい。もっと……)
合わせていた唇を離すと、名残を惜しむような銀糸が唇と唇を繋いだ。そのまま細い首筋を辿り、白い乳房の形を辿るように舐めて、先端の赤く尖った乳首を吸い上げた。時折歯を立てながら、転がされ、下半身に伸びた手が、すっかり蜜液に塗れてぐちゃぐちゃになった入り口を撫でる。撫でるだけで、今まで散々中を満たしていたそれが中へは一向に入って来ないことに焦れて、腰が震えた。
自分がそんなはしたないことを言うなんて、思いもしなかった。でも、今は、彼から与えられる甘美な刺激がもっと欲しくなり、下腹の奥がむずむずして腰が勝手に揺れてしまう。
「……ッ、レオン……」
「美月、腰が揺れていますよ?」
少し汗の浮いたレオンハルトの美しい顔を見上げ、手を伸ばす。青い瞳は明らかな欲を湛えて美月を見つめている。
「……もっと、気持ち良くなりたいですか……
?」
「……ッ、んあっ! あ、は、早く……欲しいの……っ」
自分が処女であることなど、関係なかった。初めては痛いとか、この歳になれば耳年増になり、情報としては知っている。
それでも、もう散々追い上げられた身体は限界だった。
もっと確かな質量を求めて、焦れて、欲しくて欲しくて堪らない。
「……何が欲しいんですか?」
わかっているのに、わざとらしくそう尋ねるレオンハルトもまた、限界だった。
愛しい、欲しいと思う気持ちが強くなって、今度は自分だけでは無くて、彼のことを愛したいと思うようになった。彼の切羽詰まった反り返った欲にそっと触れると、レオンが息を詰めた。
「――ッ」
「れ、レオンの……こ、これが……っ、欲しい、の……」
硬く反った肉棒の熱さにたじろぎながら、そっと触れた手に、レオンハルトの手が重ねられる。
「……っ!! 僕も……限界ですっ!」
「――ッぁ、あああああッ……っ!!」
蜜口に熱い塊が擦り付け、ぐぐっと彼女が圧迫感を感じる前に散々慣らされた愛しい人の中へ、レオンハルトは一気に押し入った。
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