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41.幸福な独占欲と一抹の不安。★
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薄暗い夕闇に染まる部屋の中、ゆらゆらと頼り無げに揺れる蝋燭立ての灯りが、二人を照らす。それは、先程まで色を塗っていた彼の絵に使っていた朱色の一つに似て暖かで、それでいて何故か淫靡に見えた。
「……陽は、すっかり暮れてしまいましたね」
ぽつりと呟くレオンハルトの手が、捲れ上がった宵色のドレスをたくし上げ、指先が焦らすようにその内腿を辿る。
「……ぁっ」
薄い皮膚を滑るその感覚に、美月は思わず小さな声を漏らした。ぴくりと身体を捩る彼女の右の胸に、右の手で脇からそっと持ち上げるようにして掴みながら、手の中で自在に形を変える女性にしか無いまろやかで柔らかな質量を愉しむ。ぐにぐにとまるでマシュマロのように柔らかく彼の手に収まる乳房を押し潰し、持ち上げ、揺らす。
「……っ!」
その間もレオンハルトの唇が、耳の後ろを舐り、頸に息を吹き掛けて肩口へと舌を這わせていく。甘いその肌の味を確かめるように舐ると、血管の透ける白い肌が微かな薄紅に色づいていった。
「美月……」
脇から背中に回った手がドレスのボタンを一つ一つ……もどかしくなる程ゆっくりと外し、コルセットを緩めると、露わになる白い背中に口付けを落とす。脚の付け根を彷徨う手が、指先をそろそろと彼女の下着の小さな布をずらして滑り込んだ。
「んっ……っ」
美月の世界にあったようなブラジャーやパンティーの形そのままでは無いが、コルセットを分解したような形のブラジャーにあたるものや、所謂紐パンみたいなタイプの下着は存在している。腰の脇部分で紐で結んだだけの頼り無い下着は、その僅かな白い布があっさりとズラされ、忍び込んだ長い指が彼女の中を出入りする。くちゅくちゅ、と小さな音が静かな部屋でやたらと大きく響いて聞こえた。
胸の前で辛うじて手で布を押さえる美月の手を捕まえると布が開け、腰の付近まで露わになる。
「……やだ……恥ずかし……っあッ……ぁあっ……」
どうにか捕まえられた手を外して半裸の身体を隠そうとする美月の声は、脚の間でレオンハルトの指が中を掻き混ぜるように蠢くと、艶やかな嬌声に変わった。美月の中のザラザラとした熱い内壁がぬめりを伴って彼の指に吸い付く。
「美月の中、熱いですね……僕の指はそんなに美味しいですか? 気持ち良さそうに、こんなに締め付けて……」
「……んんっ……あっ……」
もう何度彼と身体を重ねただろうか?
何度も抱かれた身体は、レオンハルトの与える刺激にすっかり慣らされて、少しの触れ合いにも敏感に反応する。それどころかもっともっとと飢えて自ら求めてしまう。
「ここも好きですよね……こんなに尖らせて……ああ、慌てなくてもちゃんと触ってあげますよ」
「ん、ちがっ……あぁぁっ……ッ……」
蜜口の上の突起を擦り、弾きながら裏側あたりを指が擦り上げると、美月は膝をがくがくと震わせて果てた。
「はぁっ……はぁっ……」
目の焦点の合わないままの、彼女のくたりとした身体からドレスの布を取り払う。
「……っ」
「美月の絵を初めて見た時――なんて艶めかしくて、綺麗な人だろう。と、思いました」
つう、と何も身につけていない背中を背骨の窪みに沿って撫で下ろされ、美月は背中を仰け反らせて震えた。滑らかで肌理細かな肌は透明感があって、長い髪の纏わりつく様は一本一本まで細かく描かれていた。
こちらを振り向くその表情は、じっと目を凝らすように真っ直ぐに見る者を射抜く。唇は僅かに何かを語るように開かれ、薄い薄い紅の色が、人物が作り物ではないと言うように柔らかく彩っている。そして、彼女の好きな青をふんだんに使った背景はまるで空か海のような色合いで、青の奥行きが人物の肌の白さを強調し、他を寄せ付けない神々しさすら感じる作品だった。
――少なくとも、レオンハルトはその人物とその絵に取り憑かれたように魅せられてしまった。
「あなたをこうして生身で感じとることが出来るのは――僕だけです」
「……ッちょっ、待っ……」
一瞬、切なげに顔を歪めたレオンハルトに美月は気付かぬままだった。
果てたばかりで敏感になった身体はぬちゃぬちゃとした音を立てながら蜜を垂らして、彼の指を突き立てられて嬉しそうに呑み込んでいる。快楽に耐えられず前のめりになった身体の前に回した彼のもう一方の手は、ふるんと揺れる乳房を押し潰すように鷲掴んで、その先端のぴんと硬く尖った乳首を、その周囲の薄い色付いた部分と一緒に感触を愉しむようにコリコリと耐えず刺激する。
「あ、だ、だめ……レオン……ッ両方は……っあッ……んんっ」
「だめじゃなくて、気持ちいいんでしょう?」
レオンハルトの声が低く、耳元で囁く。美月が一等好きな、その声だけで中が収縮し、彼の指を一層強く咥え込もうと疼いた。
ビリビリとした痺れるような快感が脳裡を焼いて身体を支配していく。
気持ちいい。
身体の奥がむず痒くなるような、それでいて恍惚とするような心地よい刺激に身体が跳ねる。
跳ねて、うねって、蜜を溢す。
そのどれもが身体の反応なのに、気持ちはそれとは逆にきゅんと切なくて、触れられれば触れられるほど彼が愛しくて、欲しくて仕方無くなる。
「……レオン、好き……もっと……っ」
自分の口から唐突に溢れた言葉に、美月は一瞬驚いた。
「……っレオンの、顔、見たい……」
背後から抱き留められて身体を優しく愛撫されても物足りず、美月はきちんと彼の顔を見たくなった。
レオンハルトは美月の身体を抱き締め、上等な布を張った重厚な作りの長椅子の上に座り、彼女の身体を自分の腰の上に向かい合うようにして跨らせる。
「……っ」
見つめ合えば、それだけで切なく蜜を垂らす身体。
(いつの間にこんなに淫らな身体になったのだろうか)
ぎゅっと裸のまま抱き着く美月の華奢で柔らかな身体を抱き締めて、寛げたトラウザーズからいきり勃つ自身を取り出し、彼女の蜜口を擦りあげる。
「……ッ……レオン……」
くちくちと粘着質な音をたてながら、つるりとした感触の熱い肉棒が入り口を何度も焦らすように往復する。焦れたように自分を見つめる上気した美月の頰に、レオンハルトは唇を寄せながら、少し汗ばんでしっとりとした黒髪をそっと優しく撫でた。
「……ぅあ……んっ……ぁ、早くッ……」
「……美月……」
敏感になった身体がヒクついた。身体の奥が彼を欲して熱く疼く。
(ああ、もう……好き……彼が好きで、愛しくて堪らない)
瞼の裏が熱い。潤んだ視界の先にある彼の青い瞳が情欲のこもった目で美月を見つめている。
そっと、どちらからとも無く近付いて、唇を合わせると……もう、止まらなくなった。
その唇の柔らかさも弾力も、息遣いすらも愛しい。何度も口付けて、舌を絡ませながら、見つめ合う。
「……ッ」
「美月……」
視線を絡ませたまま、彼の質量を既に知って、早くそれが欲しいと泥濘んだ蜜口に宛てがった熱い剛直を、慣れない手つきで手を添え、その上からゆっくりと呑み込むように腰を落とすと、ぬるりと美月の中に収まる。
「……ッあぁぁっ……んっ……」
中にぴったりと収まる彼の肉茎が、熱く漲り、脈打つのを感じる。先端が下腹の最奥に当たっているような気がする。
「……ああ……美月……君の中、気持ち良すぎる……」
苦しげに眉根を寄せた彼がこくりと喉を鳴らして唾を飲み込んで、呻くように低く呟く声が艶やかで、彼にそんな顔をさせているのが自分だと思うと、更に嬉しくて、それに一層感じてしまう。
(気持ちいい、気持ちいい……もっと、気持ちよくなりたい……彼を、もっと気持ち良くしたい)
堪らずゆるゆると腰を動かし、突き上げてくる彼の腰の動きに合わせ、美月の腰も自然と揺らす。中を擦るレオンハルトの先端が、下がった子宮にこつこつと当たって狂おしい程の快感が駆け抜ける。彼の首に腕を回し、粘ついた音を立てて彼の肉茎を貪る下半身に合わせ、目を合わせたまま唇を合わせると、全身が彼と一つになったような感覚に陥る。
汗で滑った身体が互いの肌に吸い付き、余計に密着した皮膚が擦れ合う感覚ですら感じる。
「……あ、あぁッ……レオン! レオンッ!」
抽挿する彼の肉茎の動きに合わせて腰をくねらせる。
美月の白く柔らかな乳房が前後左右に揺さぶられる度に跳ねるのを、捕まえて揉みしだくと、乳房の先を親指で押し潰しながら膣内を突き上げる。
「……ああッ……んっ……それ……ッ……やらぁ……ッ……」
頭の中が焼き切れてしまいそうだ。
身体中がじんじんする。
気が遠くなる程の快楽に溺れながら、美月は必死にレオンハルトの名を呼んだ。
「レオン……レオン……ッ……レオン……ッ……ああぁぁっ……っ……ッん、んンッ……ぅ」
「……美月っ……」
レオンハルトが彼女にぐっと腰を押し付け、熱い子種を解放した後も、普段は絵を描く場所であるはずの、静かな美月の部屋には二人の激しい息遣いに満たされていた。
「……美月……愛しています……だから、側にいて下さい」
(どこか遠くに行かないで欲しい)
きちんと約束を交わしたのに、どこか不安になる気持ちを抑えられず、レオンハルトは彼女の中に入ったまま、長椅子の上に彼女を組み敷いた。
「……ッぁ……っ? レオン?」
一度は欲を吐き出して力を失ったはずの彼の肉茎が、美月の身体の中で力を取り戻していく。
(……誰にも、渡さない……)
力の入らない両脚を肩にかけられ、腰を浮かせたまま再び真上から貫かれる。
「あぁ……ッ、待っ……あっ……あぁっ……」
先ほど放ったばかりの欲を潤滑剤がわりにして、蕩けきった柔らかな膣内を何度も抽挿する。
「美月、ごめん。腰が止まらない……」
美月の嬌声と卑猥な交接音が絶えず響く。
「レオン……ッ、わた……わた、し……も……っ……ッ! ……ッ!!」
声にならない声をあげて美月が果て、レオンハルトもほぼ同時に彼女の膣内で果てた。
どくどくと激しく脈打つ鼓動と真っ白になった視界。ゆるゆるとやって来る気だるさと、上り詰めた幸福感にふわりと意識を手放しそうになる。
「……君は僕のものです」
その言葉を、ここで言うのが狡いと言っても彼は怪訝な顔をするのだろう。そんなことをふわふわと考えながら、美月はことりと眠りの海に沈んだ。
「……陽は、すっかり暮れてしまいましたね」
ぽつりと呟くレオンハルトの手が、捲れ上がった宵色のドレスをたくし上げ、指先が焦らすようにその内腿を辿る。
「……ぁっ」
薄い皮膚を滑るその感覚に、美月は思わず小さな声を漏らした。ぴくりと身体を捩る彼女の右の胸に、右の手で脇からそっと持ち上げるようにして掴みながら、手の中で自在に形を変える女性にしか無いまろやかで柔らかな質量を愉しむ。ぐにぐにとまるでマシュマロのように柔らかく彼の手に収まる乳房を押し潰し、持ち上げ、揺らす。
「……っ!」
その間もレオンハルトの唇が、耳の後ろを舐り、頸に息を吹き掛けて肩口へと舌を這わせていく。甘いその肌の味を確かめるように舐ると、血管の透ける白い肌が微かな薄紅に色づいていった。
「美月……」
脇から背中に回った手がドレスのボタンを一つ一つ……もどかしくなる程ゆっくりと外し、コルセットを緩めると、露わになる白い背中に口付けを落とす。脚の付け根を彷徨う手が、指先をそろそろと彼女の下着の小さな布をずらして滑り込んだ。
「んっ……っ」
美月の世界にあったようなブラジャーやパンティーの形そのままでは無いが、コルセットを分解したような形のブラジャーにあたるものや、所謂紐パンみたいなタイプの下着は存在している。腰の脇部分で紐で結んだだけの頼り無い下着は、その僅かな白い布があっさりとズラされ、忍び込んだ長い指が彼女の中を出入りする。くちゅくちゅ、と小さな音が静かな部屋でやたらと大きく響いて聞こえた。
胸の前で辛うじて手で布を押さえる美月の手を捕まえると布が開け、腰の付近まで露わになる。
「……やだ……恥ずかし……っあッ……ぁあっ……」
どうにか捕まえられた手を外して半裸の身体を隠そうとする美月の声は、脚の間でレオンハルトの指が中を掻き混ぜるように蠢くと、艶やかな嬌声に変わった。美月の中のザラザラとした熱い内壁がぬめりを伴って彼の指に吸い付く。
「美月の中、熱いですね……僕の指はそんなに美味しいですか? 気持ち良さそうに、こんなに締め付けて……」
「……んんっ……あっ……」
もう何度彼と身体を重ねただろうか?
何度も抱かれた身体は、レオンハルトの与える刺激にすっかり慣らされて、少しの触れ合いにも敏感に反応する。それどころかもっともっとと飢えて自ら求めてしまう。
「ここも好きですよね……こんなに尖らせて……ああ、慌てなくてもちゃんと触ってあげますよ」
「ん、ちがっ……あぁぁっ……ッ……」
蜜口の上の突起を擦り、弾きながら裏側あたりを指が擦り上げると、美月は膝をがくがくと震わせて果てた。
「はぁっ……はぁっ……」
目の焦点の合わないままの、彼女のくたりとした身体からドレスの布を取り払う。
「……っ」
「美月の絵を初めて見た時――なんて艶めかしくて、綺麗な人だろう。と、思いました」
つう、と何も身につけていない背中を背骨の窪みに沿って撫で下ろされ、美月は背中を仰け反らせて震えた。滑らかで肌理細かな肌は透明感があって、長い髪の纏わりつく様は一本一本まで細かく描かれていた。
こちらを振り向くその表情は、じっと目を凝らすように真っ直ぐに見る者を射抜く。唇は僅かに何かを語るように開かれ、薄い薄い紅の色が、人物が作り物ではないと言うように柔らかく彩っている。そして、彼女の好きな青をふんだんに使った背景はまるで空か海のような色合いで、青の奥行きが人物の肌の白さを強調し、他を寄せ付けない神々しさすら感じる作品だった。
――少なくとも、レオンハルトはその人物とその絵に取り憑かれたように魅せられてしまった。
「あなたをこうして生身で感じとることが出来るのは――僕だけです」
「……ッちょっ、待っ……」
一瞬、切なげに顔を歪めたレオンハルトに美月は気付かぬままだった。
果てたばかりで敏感になった身体はぬちゃぬちゃとした音を立てながら蜜を垂らして、彼の指を突き立てられて嬉しそうに呑み込んでいる。快楽に耐えられず前のめりになった身体の前に回した彼のもう一方の手は、ふるんと揺れる乳房を押し潰すように鷲掴んで、その先端のぴんと硬く尖った乳首を、その周囲の薄い色付いた部分と一緒に感触を愉しむようにコリコリと耐えず刺激する。
「あ、だ、だめ……レオン……ッ両方は……っあッ……んんっ」
「だめじゃなくて、気持ちいいんでしょう?」
レオンハルトの声が低く、耳元で囁く。美月が一等好きな、その声だけで中が収縮し、彼の指を一層強く咥え込もうと疼いた。
ビリビリとした痺れるような快感が脳裡を焼いて身体を支配していく。
気持ちいい。
身体の奥がむず痒くなるような、それでいて恍惚とするような心地よい刺激に身体が跳ねる。
跳ねて、うねって、蜜を溢す。
そのどれもが身体の反応なのに、気持ちはそれとは逆にきゅんと切なくて、触れられれば触れられるほど彼が愛しくて、欲しくて仕方無くなる。
「……レオン、好き……もっと……っ」
自分の口から唐突に溢れた言葉に、美月は一瞬驚いた。
「……っレオンの、顔、見たい……」
背後から抱き留められて身体を優しく愛撫されても物足りず、美月はきちんと彼の顔を見たくなった。
レオンハルトは美月の身体を抱き締め、上等な布を張った重厚な作りの長椅子の上に座り、彼女の身体を自分の腰の上に向かい合うようにして跨らせる。
「……っ」
見つめ合えば、それだけで切なく蜜を垂らす身体。
(いつの間にこんなに淫らな身体になったのだろうか)
ぎゅっと裸のまま抱き着く美月の華奢で柔らかな身体を抱き締めて、寛げたトラウザーズからいきり勃つ自身を取り出し、彼女の蜜口を擦りあげる。
「……ッ……レオン……」
くちくちと粘着質な音をたてながら、つるりとした感触の熱い肉棒が入り口を何度も焦らすように往復する。焦れたように自分を見つめる上気した美月の頰に、レオンハルトは唇を寄せながら、少し汗ばんでしっとりとした黒髪をそっと優しく撫でた。
「……ぅあ……んっ……ぁ、早くッ……」
「……美月……」
敏感になった身体がヒクついた。身体の奥が彼を欲して熱く疼く。
(ああ、もう……好き……彼が好きで、愛しくて堪らない)
瞼の裏が熱い。潤んだ視界の先にある彼の青い瞳が情欲のこもった目で美月を見つめている。
そっと、どちらからとも無く近付いて、唇を合わせると……もう、止まらなくなった。
その唇の柔らかさも弾力も、息遣いすらも愛しい。何度も口付けて、舌を絡ませながら、見つめ合う。
「……ッ」
「美月……」
視線を絡ませたまま、彼の質量を既に知って、早くそれが欲しいと泥濘んだ蜜口に宛てがった熱い剛直を、慣れない手つきで手を添え、その上からゆっくりと呑み込むように腰を落とすと、ぬるりと美月の中に収まる。
「……ッあぁぁっ……んっ……」
中にぴったりと収まる彼の肉茎が、熱く漲り、脈打つのを感じる。先端が下腹の最奥に当たっているような気がする。
「……ああ……美月……君の中、気持ち良すぎる……」
苦しげに眉根を寄せた彼がこくりと喉を鳴らして唾を飲み込んで、呻くように低く呟く声が艶やかで、彼にそんな顔をさせているのが自分だと思うと、更に嬉しくて、それに一層感じてしまう。
(気持ちいい、気持ちいい……もっと、気持ちよくなりたい……彼を、もっと気持ち良くしたい)
堪らずゆるゆると腰を動かし、突き上げてくる彼の腰の動きに合わせ、美月の腰も自然と揺らす。中を擦るレオンハルトの先端が、下がった子宮にこつこつと当たって狂おしい程の快感が駆け抜ける。彼の首に腕を回し、粘ついた音を立てて彼の肉茎を貪る下半身に合わせ、目を合わせたまま唇を合わせると、全身が彼と一つになったような感覚に陥る。
汗で滑った身体が互いの肌に吸い付き、余計に密着した皮膚が擦れ合う感覚ですら感じる。
「……あ、あぁッ……レオン! レオンッ!」
抽挿する彼の肉茎の動きに合わせて腰をくねらせる。
美月の白く柔らかな乳房が前後左右に揺さぶられる度に跳ねるのを、捕まえて揉みしだくと、乳房の先を親指で押し潰しながら膣内を突き上げる。
「……ああッ……んっ……それ……ッ……やらぁ……ッ……」
頭の中が焼き切れてしまいそうだ。
身体中がじんじんする。
気が遠くなる程の快楽に溺れながら、美月は必死にレオンハルトの名を呼んだ。
「レオン……レオン……ッ……レオン……ッ……ああぁぁっ……っ……ッん、んンッ……ぅ」
「……美月っ……」
レオンハルトが彼女にぐっと腰を押し付け、熱い子種を解放した後も、普段は絵を描く場所であるはずの、静かな美月の部屋には二人の激しい息遣いに満たされていた。
「……美月……愛しています……だから、側にいて下さい」
(どこか遠くに行かないで欲しい)
きちんと約束を交わしたのに、どこか不安になる気持ちを抑えられず、レオンハルトは彼女の中に入ったまま、長椅子の上に彼女を組み敷いた。
「……ッぁ……っ? レオン?」
一度は欲を吐き出して力を失ったはずの彼の肉茎が、美月の身体の中で力を取り戻していく。
(……誰にも、渡さない……)
力の入らない両脚を肩にかけられ、腰を浮かせたまま再び真上から貫かれる。
「あぁ……ッ、待っ……あっ……あぁっ……」
先ほど放ったばかりの欲を潤滑剤がわりにして、蕩けきった柔らかな膣内を何度も抽挿する。
「美月、ごめん。腰が止まらない……」
美月の嬌声と卑猥な交接音が絶えず響く。
「レオン……ッ、わた……わた、し……も……っ……ッ! ……ッ!!」
声にならない声をあげて美月が果て、レオンハルトもほぼ同時に彼女の膣内で果てた。
どくどくと激しく脈打つ鼓動と真っ白になった視界。ゆるゆるとやって来る気だるさと、上り詰めた幸福感にふわりと意識を手放しそうになる。
「……君は僕のものです」
その言葉を、ここで言うのが狡いと言っても彼は怪訝な顔をするのだろう。そんなことをふわふわと考えながら、美月はことりと眠りの海に沈んだ。
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