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17.魔術師二人
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コーウェンは、呆然とした声で呟いた。
「――アイリスが帰って来て無いだと?!」
アイリスがコーウェンを訪ねて来たのは昨日の夕刻。
コーウェンがいつものように、仕事絡みの案件でこのエーディス公爵邸に訪れたのは、彼女と会った翌日。
そして、約束の時間の正午より少し前、午前の仕事を終えたアイリスの父ユーリが戻って来るのを彼の執務室で待っていた。
思えば、今日のエーディス公爵邸は本館どころか離れでさえも、どこかいつもよりざわついた様子だった。
――その後、待ち合わせの時間に、予定の時刻より少し遅くやって来たユーリが開口一番に口にしたのは、彼の娘が行方不明になったと言う一報だった。
「……ッ、どうして、早く言わないんだ!」
「お前の所に行ったとエメリアが言ったんだ! だから、安心してたんだよ……俺の情報網に引っかからなくなるなんて、そうそう無いからな」
「――っ、姫さんが?」
「ああ。お前に会いに行くのが視えたのだと……」
(何てこった……)
「――ッ、クソッ……」
コーウェンは歯噛みをするような思いで唸った。
アイリスの母エメリアには先見の力がある。
そのエメリアにそれが視えたと言うのなら、娘が会いに行く相手が自分ならばと思って、外出を許したのかもしれない。
彼は居なくなる前のアイリスと会っている。昼日中、あの外套も持っている彼女の身を安全だと疑わなかった自分がどうかしていた。
(あいつは只の跳ねっ返りじゃあ無い。エーディス公爵令嬢だ。少し考えりゃ、分かるこった……公爵令嬢である彼女を狙う奴だっているかもしれないってのは分かってたはずだ)
元々愛らしい少女だったが、年頃になって更に美しく成長したアイリス。彼女は彼女自身が思うよりもずっと魅力的であることに、コーウェンは気付いている。
舞踏会の日、彼女に言い寄っていた二人組も、婚約者であるクラウスも。他の男の視線もあった。
拐かしたり、危ない目に合わされたり、彼女を陥れて得をするような女なら、物騒なことを考える奴だっているかもしれない。
彼女の身分や容姿を考えれば、その可能性はいくつもある。
(それを追いかけることもせず、何故、迎えの確認もせずに一人で帰したんだ……俺はッ)
彼女の想いを打ち明けられて、動揺しつつも舞い上がっていた自分の落ち度だ。
居なくなったとすれば、間違い無く自分の責任だ。
「……悪りぃ。ユーリ、俺の責任だ……俺が……アイリスを見つけ出……ぅ……ぐ、ゥッ……!!」
ユーリがいつに無く感情を露わにして愛娘の為に眦を吊り上げ、激昂した。
「――ッ……の、野郎!!」
鈍い音がして、左の頬が熱くなる。
拳で殴られたのだと気付くまで暫くかかった。やがて、その場所に血が集まり、じんじんと熱を持って腫れて行く。
じくじくと鈍い痛みがあるはずなのに、その瞬間は心ここに在らずで、不思議なことに痛くも痒くも無い。
「……アイリスが誰を愛してもいい。例えば、その相手がお前だとしても! だが、あの子を……うちの娘を無責任に突き放すのはやめろ!」
ユーリにとって、コーウェンは旧い友人だ。アイリスとのやりとりについては本人達にしか知らないはずだが、コーウェンの友として、アイリスの父親として、何か感じる所があったのだろう。そして、それは恐らく当たらずとも遠からずだ。
彼が激怒するのは当然の反応だと言える。
「…………」
「あの子が、昔からお前を慕っていることには……気付いていたよ。俺は、お前がお前だから……何も言わなかったんだ」
「俺は……」
「知っている。お前は“死ねない魔術師”コーウェン。その魔力は、魔術師の国ティバリーに於いても屈指。エーディスの魔眼による契約で魔力を得ている人工的な魔術師の俺なんかより、ずっと高位の本物の魔術師……だよな?」
「……知っていたのか……」
「同じ魔術師だぞ。知らない訳が無い」
二人が知り合う以前から、ユーリは“死ねない魔術師”の噂は聞いていた。しかしながら、魔術師が極めて少ないアルディア王国には、そもそも高位魔術師が存在しない。
国の守りの要である、代々魔術師を輩出して来たエーディス公爵家の人間でさえも、本物の“死ねない魔術師”に会った者は一人も居なかった。
もしも、エメリアと出会わず、崩壊したタイラントへ出向かなければ、この男――コーウェンと出会うことも無かっただろう。
全てが必然なのだとすれば、コーウェンとアイリスが出会ったことにも意味があるのかもしれない。
「コーウェン、俺はお前をかけがえの無い友人だと思っている。お前がどんな事情を抱えていようが、それは変わらない」
不死たる所以も、明朗快活豪胆な彼が時折見せる翳のある表情の意味も。
「……ユーリ……」
「なぁ? コーウェン……お前が……もしも、うちの娘を憎からず思ってくれるなら……あの子を、見つけてくれ。頼む」
「…………」
「残念だが、俺の力さえ及ばぬ魔術が絡んでいる。戦闘に特化したこの魔眼では手に負えぬ……何か、得体の知れない術だ。お前になら、分かるのだろう? 俺は、この件と例の件が関係しているのか調べておく。だから、お前は……」
「わかっている。……アイリスは、必ず俺が連れ帰る……必ず、だ!」
(あの時と逆だな……)
エメリアが選んだのがユーリであり、ユーリはエメリアを必ず守ると決めた。
(……あの時、決意を固めた二人の前で、俺はただ見守ることしか出来なかった)
それは、叶うはずも無く、彼女に直接想いを告げる事も無く、静かに燻っているだけの一方的な想いだった。
――ファルマールの建国以前、ユーリとエメリア、そして、コーウェンの三人は同じ相手を敵にしていた。
相手は司祭崩れの禁術使い。
禁術使い相手に、“死ねない魔術師”であるコーウェンが引けを取るはずなど無かった。しかし、当時コーウェンにはエメリアよりも守らなければならない主人が居た。
それこそが、タイラント帝国崩壊後に建国されたファルマールの初代国王レヴィである。
結局、ユーリはエメリアを選び、コーウェンはエメリアに惹かれつつも、主人を選んだのだ。
(選ぶべき相手……か……俺は……この“死ねない魔術師”は……彼女を選んでも良いのだろうか?)
彼女を大切に思う気持ちに偽りは無い。
しかし、安易に惚れた腫れただの言える立場で無いことも確かなのだ。
不死である自分と、限りある生命を生きる彼女。
それは、二人の間にある真実。
「……頼む」
自らの落ち度で娘を拐かされたにもかかわらず、コーウェンに向かって懇願の滲む声で友であるユーリが頭を下げ、自分を見送るのを眉間に皺を寄せた表情で、複雑な想いを抱えながら背に受け、執務室を出て、エーディス公爵邸の離れから外へ出る。
秋色に染まった赤や黄色の葉が、黄昏色の空でカサカサと音を立てて揺れている。
コーウェンは邸の門の外に出てから、そっと後ろを振り向いた。
今しがた出て来たばかりのエーディス公爵邸の離れには、施した者を超える魔力を持った魔術師にしか見えない秘められた呪が、蜘蛛の巣みたいに何かの模様を描き、透明の糸のように張り巡らされているのが見えた。
これは、伴侶であるエメリアとユーリを繋ぐ契約の要。
二人の絆と共にある、運命の鍵。
「……人生ってのは、どう転ぶかわかんねぇな」
(アイリスは、本当に不死である俺を選ぶのだろうか?)
――俺の過去を知っても?
「……俺は、どう腹を括るか……」
「――アイリスが帰って来て無いだと?!」
アイリスがコーウェンを訪ねて来たのは昨日の夕刻。
コーウェンがいつものように、仕事絡みの案件でこのエーディス公爵邸に訪れたのは、彼女と会った翌日。
そして、約束の時間の正午より少し前、午前の仕事を終えたアイリスの父ユーリが戻って来るのを彼の執務室で待っていた。
思えば、今日のエーディス公爵邸は本館どころか離れでさえも、どこかいつもよりざわついた様子だった。
――その後、待ち合わせの時間に、予定の時刻より少し遅くやって来たユーリが開口一番に口にしたのは、彼の娘が行方不明になったと言う一報だった。
「……ッ、どうして、早く言わないんだ!」
「お前の所に行ったとエメリアが言ったんだ! だから、安心してたんだよ……俺の情報網に引っかからなくなるなんて、そうそう無いからな」
「――っ、姫さんが?」
「ああ。お前に会いに行くのが視えたのだと……」
(何てこった……)
「――ッ、クソッ……」
コーウェンは歯噛みをするような思いで唸った。
アイリスの母エメリアには先見の力がある。
そのエメリアにそれが視えたと言うのなら、娘が会いに行く相手が自分ならばと思って、外出を許したのかもしれない。
彼は居なくなる前のアイリスと会っている。昼日中、あの外套も持っている彼女の身を安全だと疑わなかった自分がどうかしていた。
(あいつは只の跳ねっ返りじゃあ無い。エーディス公爵令嬢だ。少し考えりゃ、分かるこった……公爵令嬢である彼女を狙う奴だっているかもしれないってのは分かってたはずだ)
元々愛らしい少女だったが、年頃になって更に美しく成長したアイリス。彼女は彼女自身が思うよりもずっと魅力的であることに、コーウェンは気付いている。
舞踏会の日、彼女に言い寄っていた二人組も、婚約者であるクラウスも。他の男の視線もあった。
拐かしたり、危ない目に合わされたり、彼女を陥れて得をするような女なら、物騒なことを考える奴だっているかもしれない。
彼女の身分や容姿を考えれば、その可能性はいくつもある。
(それを追いかけることもせず、何故、迎えの確認もせずに一人で帰したんだ……俺はッ)
彼女の想いを打ち明けられて、動揺しつつも舞い上がっていた自分の落ち度だ。
居なくなったとすれば、間違い無く自分の責任だ。
「……悪りぃ。ユーリ、俺の責任だ……俺が……アイリスを見つけ出……ぅ……ぐ、ゥッ……!!」
ユーリがいつに無く感情を露わにして愛娘の為に眦を吊り上げ、激昂した。
「――ッ……の、野郎!!」
鈍い音がして、左の頬が熱くなる。
拳で殴られたのだと気付くまで暫くかかった。やがて、その場所に血が集まり、じんじんと熱を持って腫れて行く。
じくじくと鈍い痛みがあるはずなのに、その瞬間は心ここに在らずで、不思議なことに痛くも痒くも無い。
「……アイリスが誰を愛してもいい。例えば、その相手がお前だとしても! だが、あの子を……うちの娘を無責任に突き放すのはやめろ!」
ユーリにとって、コーウェンは旧い友人だ。アイリスとのやりとりについては本人達にしか知らないはずだが、コーウェンの友として、アイリスの父親として、何か感じる所があったのだろう。そして、それは恐らく当たらずとも遠からずだ。
彼が激怒するのは当然の反応だと言える。
「…………」
「あの子が、昔からお前を慕っていることには……気付いていたよ。俺は、お前がお前だから……何も言わなかったんだ」
「俺は……」
「知っている。お前は“死ねない魔術師”コーウェン。その魔力は、魔術師の国ティバリーに於いても屈指。エーディスの魔眼による契約で魔力を得ている人工的な魔術師の俺なんかより、ずっと高位の本物の魔術師……だよな?」
「……知っていたのか……」
「同じ魔術師だぞ。知らない訳が無い」
二人が知り合う以前から、ユーリは“死ねない魔術師”の噂は聞いていた。しかしながら、魔術師が極めて少ないアルディア王国には、そもそも高位魔術師が存在しない。
国の守りの要である、代々魔術師を輩出して来たエーディス公爵家の人間でさえも、本物の“死ねない魔術師”に会った者は一人も居なかった。
もしも、エメリアと出会わず、崩壊したタイラントへ出向かなければ、この男――コーウェンと出会うことも無かっただろう。
全てが必然なのだとすれば、コーウェンとアイリスが出会ったことにも意味があるのかもしれない。
「コーウェン、俺はお前をかけがえの無い友人だと思っている。お前がどんな事情を抱えていようが、それは変わらない」
不死たる所以も、明朗快活豪胆な彼が時折見せる翳のある表情の意味も。
「……ユーリ……」
「なぁ? コーウェン……お前が……もしも、うちの娘を憎からず思ってくれるなら……あの子を、見つけてくれ。頼む」
「…………」
「残念だが、俺の力さえ及ばぬ魔術が絡んでいる。戦闘に特化したこの魔眼では手に負えぬ……何か、得体の知れない術だ。お前になら、分かるのだろう? 俺は、この件と例の件が関係しているのか調べておく。だから、お前は……」
「わかっている。……アイリスは、必ず俺が連れ帰る……必ず、だ!」
(あの時と逆だな……)
エメリアが選んだのがユーリであり、ユーリはエメリアを必ず守ると決めた。
(……あの時、決意を固めた二人の前で、俺はただ見守ることしか出来なかった)
それは、叶うはずも無く、彼女に直接想いを告げる事も無く、静かに燻っているだけの一方的な想いだった。
――ファルマールの建国以前、ユーリとエメリア、そして、コーウェンの三人は同じ相手を敵にしていた。
相手は司祭崩れの禁術使い。
禁術使い相手に、“死ねない魔術師”であるコーウェンが引けを取るはずなど無かった。しかし、当時コーウェンにはエメリアよりも守らなければならない主人が居た。
それこそが、タイラント帝国崩壊後に建国されたファルマールの初代国王レヴィである。
結局、ユーリはエメリアを選び、コーウェンはエメリアに惹かれつつも、主人を選んだのだ。
(選ぶべき相手……か……俺は……この“死ねない魔術師”は……彼女を選んでも良いのだろうか?)
彼女を大切に思う気持ちに偽りは無い。
しかし、安易に惚れた腫れただの言える立場で無いことも確かなのだ。
不死である自分と、限りある生命を生きる彼女。
それは、二人の間にある真実。
「……頼む」
自らの落ち度で娘を拐かされたにもかかわらず、コーウェンに向かって懇願の滲む声で友であるユーリが頭を下げ、自分を見送るのを眉間に皺を寄せた表情で、複雑な想いを抱えながら背に受け、執務室を出て、エーディス公爵邸の離れから外へ出る。
秋色に染まった赤や黄色の葉が、黄昏色の空でカサカサと音を立てて揺れている。
コーウェンは邸の門の外に出てから、そっと後ろを振り向いた。
今しがた出て来たばかりのエーディス公爵邸の離れには、施した者を超える魔力を持った魔術師にしか見えない秘められた呪が、蜘蛛の巣みたいに何かの模様を描き、透明の糸のように張り巡らされているのが見えた。
これは、伴侶であるエメリアとユーリを繋ぐ契約の要。
二人の絆と共にある、運命の鍵。
「……人生ってのは、どう転ぶかわかんねぇな」
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