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第4章 魔王の影を払う少女
第106話 エリシアを蝕む闇の終わり
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「花が……消えた? どうして……」
唖然と呟くパインの言葉にレオも同意だった。
空に浮かんでいた漆黒の華は消え、代わりに舞っているのは黒い花弁だけだ。
アトが爆発で開けた雲の穴が、ゆっくりと閉じ始めている。
そこから差し込む日光も次第に細くなり、消えていく。
まるでもう幕が閉じたかのように、終わりを知らせるように光が消えていく。
雲の穴が完全に閉じ、世界が日の光のささない不気味な暗さで満ちたとき。
「……!」
レオは感じた。
「……来る」
続いて、シェイミが気付いた。
地面を響かせる大量の足音が、今レオの耳に届いている。
その音の数は、次々と増していく。
振り返り、アリエス達に視線を向ければ、彼女達はまだ何が起きているのか分かっていないようで、レオ達の様子に戸惑っているようだった。
「みんな」
そんな彼女たちの不安を消すように、レオは振り返って三人と順に目を合わせる。
「行ってくる」
告げれば、不安に揺れていた彼女達の瞳は止まる。
パインは目を瞑って祈りを捧げ、リベラは微笑む。
そしてアリエスはレオをまっすぐに見つめ、一度だけ頷いた。
それぞれ違いはあったが、全員がレオの事を信じていた。
胸を満たす温かさを感じながらレオは振り返る。
「シェイミ」
頼りになりすぎる勇者の名を呼ぶ。
「うん」
阿吽の呼吸のようにシェイミは答え、それだけで二人の意思は繋がった。
足に力を入れ、空高く跳びあがる。
エリシアに力を分け与えたせいでややぎこちない動きだが、それでも無事にはるか上空で静止することが出来た。
さっきまで見上げていた漆黒の華があった場所まで昇ったレオは南の方角を見る。
遥か先はエニフ谷。そして近い位置ではアルティス。
そういった場所から、あるいは町や村を避けるように黒い点が発生し、動きを見せる。
数は次第に増し、まるで流れる水が合流するかのように合体し、黒を増やしていく。
やがて大地を覆うほどの黒が、この場所目がけて押し寄せてきているのをレオは知覚した。
そしてその一つ一つの黒が、何であるのかも。
「……大地を覆うほどの、魔物」
先ほどからずっと気配を感じていた背後のシェイミが北の方角を見ながらそう呟いた。
彼女の目にも、レオのものと同じ光景が映っているのだろう。
「これが、アトの狙いか」
エリシアが死ぬことでアトはその体を捨て、漆黒の華へと変化する。
その際に赤い破滅の光線を発することで、覚醒した地点を更地にする。
さらに漆黒の華は花弁をまき散らすことでその役目を終える。
魔物に力を与え、もとの華のあった場所まで殺到させることが彼の目的だったのだろう。
これがアルティスで行われていれば、アルティスは文字通り消失し、押し寄せた魔物はやがて行き場をなくして他の街や村を襲うはずだ。
この世界ごと破壊するような強大な呪い。それがアトの正体だ。
(……こんなものを……一人で背負っていたのか……)
このことをどこまでエリシアが伝えられていたのかは知らないが、自分の死が世界を壊すことに繋がるのは分かっていた筈だ。
そんな重荷を誰にも話すことができず、一人で抱えるしかなかったのか。
いつか来る終わりゆえに希望が持てずに、全てを諦めていたのか。
そんな生きることも死ぬことも諦めた地獄で、生きてきたというのか。
剣を握る手に力が入る。
ギリギリと震えるほど強く握り、怒りに染まった目で大地を見下ろす。
――ふざけるな
「シェイミ」
小さく、けれどこれまで出したどの声よりも低い声でレオはシェイミの名を呼んだ。
声音に怒りという感情を乗せ、短く一言を告げた。
「絶対に壊せ」
返答など聞く気もない。彼女ならば完璧にやるだろう。
だからレオは両手を一度広げ、左手側に右手を回して剣を水平に構えた。
宇宙を映す刃が、その中に遥かなる輝きを持った星々を映す。
これまで全力を出したことはあっても、発揮することはなかった。
とくに右目に呪いを受けてからは、その機会は殊更失われていた。
けれど、今は。
何も考えなくていい。ただ、力の限りに全力で剣を振るえばいい。
眼下に捉えるは無数の有象無象。
エリシアをこれまで苦しめてきた、アトの最後の災い。
それらをしっかりと両目で捉え、剣を強く握りしめる。
「おおおおおおおぉ!!」
咆哮。
初めて出した大声でさらに自分を奮い立たせ、レオは左から右へと力の限りに振り抜いた。
宇宙の切っ先が押し寄せる黒の先頭を素早く正確になぞり。
刃から放たれた領域外の波が、光速で黒を飲み込んだ。
人や自然といった壊してはならないものは壊さずに、ただ黒をことごとく、灰も残らず壊しつくした。
振り抜いた剣圧で雲が割れ、これまでは穴から差し込むだけだった太陽の光が世界を明るく照らす。
その眩いほどの光の中で、少なくともレオの視界には一つも黒を見つけることはできなかった。
アトが更地にした大地は残っていても、それ以外は何の変化もなかった。
「……はぁ……はぁ……ははっ」
思わず笑みが漏れたのは、災いを退けられたからではない。
大量の魔物を殲滅するという大きすぎる芸当が成功したからでもない。
これだけの事で自身のほぼすべての力を使ってしまったことを、自嘲したからだ。
以前までのレオならば、このくらいならまだ余力を残していた筈なのにこの様だ。
元勇者としては不甲斐ない結果ではある。
けれどその目はアリエス達と、彼女達に抱えられたエリシアに向いていた。
「……まあでも」
――悪くはないか
笑みを穏やかなものに変え、レオは剣を下ろす。
アトはこれまでのどの敵よりも強大であった。
この被害状況を見るにそれは間違いないが、それでもレオには予想外の助力があった。
チラリと背後を確認すれば、同じようにおびただしい数の黒を排除した少女が立っている。
レオと違って息一つ切らすことなく、まだ余力があるようだ。
「自分達の、勝ち」
背後から聞こえた言葉にレオは思わず笑いそうになる。
戦いを義務としか考えていない自分達にとって、勝利を喜ぶなんて。
けれどその気持ちが、今のレオならば分かる気もした。
「ああ、俺達の勝ちだ」
いくつかの犠牲を払ったとしても、レオ達はエリシアの呪いに打ち勝った。
そしてレオはエリシアを救い、右目の光景を越えることに成功したのだから。
雲一つない空から照らす太陽の光は眩しく、そして温かかった。
唖然と呟くパインの言葉にレオも同意だった。
空に浮かんでいた漆黒の華は消え、代わりに舞っているのは黒い花弁だけだ。
アトが爆発で開けた雲の穴が、ゆっくりと閉じ始めている。
そこから差し込む日光も次第に細くなり、消えていく。
まるでもう幕が閉じたかのように、終わりを知らせるように光が消えていく。
雲の穴が完全に閉じ、世界が日の光のささない不気味な暗さで満ちたとき。
「……!」
レオは感じた。
「……来る」
続いて、シェイミが気付いた。
地面を響かせる大量の足音が、今レオの耳に届いている。
その音の数は、次々と増していく。
振り返り、アリエス達に視線を向ければ、彼女達はまだ何が起きているのか分かっていないようで、レオ達の様子に戸惑っているようだった。
「みんな」
そんな彼女たちの不安を消すように、レオは振り返って三人と順に目を合わせる。
「行ってくる」
告げれば、不安に揺れていた彼女達の瞳は止まる。
パインは目を瞑って祈りを捧げ、リベラは微笑む。
そしてアリエスはレオをまっすぐに見つめ、一度だけ頷いた。
それぞれ違いはあったが、全員がレオの事を信じていた。
胸を満たす温かさを感じながらレオは振り返る。
「シェイミ」
頼りになりすぎる勇者の名を呼ぶ。
「うん」
阿吽の呼吸のようにシェイミは答え、それだけで二人の意思は繋がった。
足に力を入れ、空高く跳びあがる。
エリシアに力を分け与えたせいでややぎこちない動きだが、それでも無事にはるか上空で静止することが出来た。
さっきまで見上げていた漆黒の華があった場所まで昇ったレオは南の方角を見る。
遥か先はエニフ谷。そして近い位置ではアルティス。
そういった場所から、あるいは町や村を避けるように黒い点が発生し、動きを見せる。
数は次第に増し、まるで流れる水が合流するかのように合体し、黒を増やしていく。
やがて大地を覆うほどの黒が、この場所目がけて押し寄せてきているのをレオは知覚した。
そしてその一つ一つの黒が、何であるのかも。
「……大地を覆うほどの、魔物」
先ほどからずっと気配を感じていた背後のシェイミが北の方角を見ながらそう呟いた。
彼女の目にも、レオのものと同じ光景が映っているのだろう。
「これが、アトの狙いか」
エリシアが死ぬことでアトはその体を捨て、漆黒の華へと変化する。
その際に赤い破滅の光線を発することで、覚醒した地点を更地にする。
さらに漆黒の華は花弁をまき散らすことでその役目を終える。
魔物に力を与え、もとの華のあった場所まで殺到させることが彼の目的だったのだろう。
これがアルティスで行われていれば、アルティスは文字通り消失し、押し寄せた魔物はやがて行き場をなくして他の街や村を襲うはずだ。
この世界ごと破壊するような強大な呪い。それがアトの正体だ。
(……こんなものを……一人で背負っていたのか……)
このことをどこまでエリシアが伝えられていたのかは知らないが、自分の死が世界を壊すことに繋がるのは分かっていた筈だ。
そんな重荷を誰にも話すことができず、一人で抱えるしかなかったのか。
いつか来る終わりゆえに希望が持てずに、全てを諦めていたのか。
そんな生きることも死ぬことも諦めた地獄で、生きてきたというのか。
剣を握る手に力が入る。
ギリギリと震えるほど強く握り、怒りに染まった目で大地を見下ろす。
――ふざけるな
「シェイミ」
小さく、けれどこれまで出したどの声よりも低い声でレオはシェイミの名を呼んだ。
声音に怒りという感情を乗せ、短く一言を告げた。
「絶対に壊せ」
返答など聞く気もない。彼女ならば完璧にやるだろう。
だからレオは両手を一度広げ、左手側に右手を回して剣を水平に構えた。
宇宙を映す刃が、その中に遥かなる輝きを持った星々を映す。
これまで全力を出したことはあっても、発揮することはなかった。
とくに右目に呪いを受けてからは、その機会は殊更失われていた。
けれど、今は。
何も考えなくていい。ただ、力の限りに全力で剣を振るえばいい。
眼下に捉えるは無数の有象無象。
エリシアをこれまで苦しめてきた、アトの最後の災い。
それらをしっかりと両目で捉え、剣を強く握りしめる。
「おおおおおおおぉ!!」
咆哮。
初めて出した大声でさらに自分を奮い立たせ、レオは左から右へと力の限りに振り抜いた。
宇宙の切っ先が押し寄せる黒の先頭を素早く正確になぞり。
刃から放たれた領域外の波が、光速で黒を飲み込んだ。
人や自然といった壊してはならないものは壊さずに、ただ黒をことごとく、灰も残らず壊しつくした。
振り抜いた剣圧で雲が割れ、これまでは穴から差し込むだけだった太陽の光が世界を明るく照らす。
その眩いほどの光の中で、少なくともレオの視界には一つも黒を見つけることはできなかった。
アトが更地にした大地は残っていても、それ以外は何の変化もなかった。
「……はぁ……はぁ……ははっ」
思わず笑みが漏れたのは、災いを退けられたからではない。
大量の魔物を殲滅するという大きすぎる芸当が成功したからでもない。
これだけの事で自身のほぼすべての力を使ってしまったことを、自嘲したからだ。
以前までのレオならば、このくらいならまだ余力を残していた筈なのにこの様だ。
元勇者としては不甲斐ない結果ではある。
けれどその目はアリエス達と、彼女達に抱えられたエリシアに向いていた。
「……まあでも」
――悪くはないか
笑みを穏やかなものに変え、レオは剣を下ろす。
アトはこれまでのどの敵よりも強大であった。
この被害状況を見るにそれは間違いないが、それでもレオには予想外の助力があった。
チラリと背後を確認すれば、同じようにおびただしい数の黒を排除した少女が立っている。
レオと違って息一つ切らすことなく、まだ余力があるようだ。
「自分達の、勝ち」
背後から聞こえた言葉にレオは思わず笑いそうになる。
戦いを義務としか考えていない自分達にとって、勝利を喜ぶなんて。
けれどその気持ちが、今のレオならば分かる気もした。
「ああ、俺達の勝ちだ」
いくつかの犠牲を払ったとしても、レオ達はエリシアの呪いに打ち勝った。
そしてレオはエリシアを救い、右目の光景を越えることに成功したのだから。
雲一つない空から照らす太陽の光は眩しく、そして温かかった。
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狭い視野となんの知識もないドンボは、道中でフラットに教えられた生きる意味を活かし、この世界から再び脅威を取り除くことができるのであろうか。
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