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第3章 神に愛された女教皇
第60話 エニフ谷への旅路
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翌日、最悪な光景を見た後、昼過ぎに門の外で待っていたレオ達。
予定通りにルシャ達は現れ、レオ達は一つの馬車に乗ることになった。
レオ達とルシャ達で分かれるのかと、最初は思っていたのだが。
「…………」
四人乗りの馬車の最後の一席にはララ枢機卿が着席していた。
緊張しているように見えるのは、おそらく教会側の人間が彼女一人だけだからだろう。
震えているようにも見えるので、レオはなるべく彼女に目線を合わせないように窓の外を見ることにした。
どうやらララはルシャに言われてレオたちの馬車に同行したらしい。
親睦を深めてくれとのことだったらしいが、今の彼女は見ていて少し可哀そうになってくる。
「……大丈夫ですか?」
「はい大丈夫です。すみません、こんなんで……」
「いえ、それはいいのですが……」
残念だが、レオはこれ以上窓の外を見ることはできない。
なぜならもう両目で見てしまっているからだ。
「……それなら、ララ枢機卿の事を聞かせてください」
不意にララの隣に座るリベラが手を上げて発言した。
彼女は教会に対して憧れのようなものを抱いている。
ザウラク教皇やガーランド教皇のせいでその憧れは打ち砕かれているが、ルシャ教皇派閥のララを見る目は輝いていた。
「ララで大丈夫ですよ。それかさん付けで。役職名で呼ばれるのあまり好きではないんです」
苦笑いするようにララは言う。どうやら思った以上に話しやすい人物のようだ。
「私はルシャ教皇様とファイ枢機卿に憧れて枢機卿になったんです。
ルシャ教皇はあれだけ凄い祝福を持っているのに女神さまのような方ですし」
「教会内でも随一の祝福量だって聞いたよ。
ファイ枢機卿もすごい祝福の持ち主なの?」
「リベラ、いくらなんでも態度が代わりすぎては……」
あっという間に敬語を取り払ったリベラに対して、アリエスは咎めるように注意をする。
しかし、ララはまったく気にしていないようで微笑みながら首を横に振った。
「大丈夫です。私、教会内に女性の友人のような人が居ないので、リベラさんみたいな人好きですよ」
「おぉー」
感動したように声を出すリベラに内心で笑いそうになってしまう。
アリエスは呆れた雰囲気だが、リベラのこういった明るさは美点だ。
「あ、ファイさんについてでしたね。
ファイさんはすごい祝福は持っていないんです。
けれどそれでも今の地位にまで上り詰めた本当にすごい人なんですよ!」
やや熱の入った発言の具合が、どこかの誰かと被った気がした。
「すごく優秀な方なのですね。会ったときから誠実さは感じていましたが」
そんなどこかの誰かの発言に、ララは大きく首を縦に振った。
「本当、ルシャ様の派閥を支えているのはファイさんと言っても過言ではないと言いますか……あ、もちろんルシャ様あっての派閥ですよ?」
ララの言葉を聞いているとルシャ教皇の派閥はザウラク教皇やガーランド教皇の派閥とは全く違う印象を受ける。
女神のようと言われるルシャに、誠実なファイ、そして健気なララ。
サマカという人物は居たものの、人に恵まれているそんな印象だ。
「……だから、サマカ枢機卿がお亡くなりになられて、ファイさんがあちこち駆けまわって神聖玉作成の旅どころではなくなりそうで……でもそんなときにレオさんが現れてくれたんです。
ごめんなさい、私しっかりと目を見て言えませんが……でも、心からレオさんに感謝しています。ありがとうございます!」
ララが頭を下げるのが視界の隅に映った。その体は少し震えているようにも見える。
彼女の言う通り、ララはレオとは目を合わせられない。
今ともに馬車に居るのもギリギリの状態だ。
けれど、彼女の心は本物だった。
それこそ目を見て話してくれる人と同じくらいレオは彼女の事を好意的に捉えている。
「ああ、なるべく頑張るよ」
「はい、よろしくお願いします!」
一言だけそう返して、レオは再び窓の外に意識を向けた。
「……それにしても、サマカ枢機卿の死について何か分かったことはあるのですか?」
アリエスの問いにララは悩むようなそぶりを見せたものの、すぐに顔を上げた。
「ファイさんから聞いた話ですが、サマカさんの遺体には胸を鋭利な刃物で貫かれた跡があったようです。
それと……中央塔の上階の爆破はサマカさんが行ったわけではないようです。
怪しいと考えているのはガーランド教皇様の派閥の方のようですね」
中央塔はガーランド教皇の派閥の部屋のある塔だったはず。
だからこそ、その派閥の人間が怪しいのは当然だろう。
他の派閥の人間が出入りをすれば怪しまれるのだから。
それにしても、予測はしていたがサマカは何者かに殺害されたようだ。
彼が自殺と同時に爆発を決行した可能性は低いように感じる。
まあ、あの性格的にしなさそうではあるが。
「サマカ枢機卿に恨みを持っている人が殺害したということですね……」
同じような結論にアリエスが至れない筈はなく、彼女は何かを考え込んでいるようだ。
間違いなく自分では思いつかないところまで考えているのだろうと、レオは思った。
「……そうなのですが、実はサマカさん結構恨みを買っていまして……」
「あまり亡くなった人を悪く言いたくはないんだけど、ちょっと感じが悪かったというか……」
「すみません、同じ教会の一員として謝罪します」
リベラの発言にどこかで聞いたものと同じ言葉を返したララ。
「サマカさんはちょっと横暴なのですが、優れた祝福を持っていたために、それも分からなくもないんですよね……サマカさんのお世話になった人も多いですし」
「優れた祝福ですか?」
アリエスの問いにララは「はい」と答え、サマカの祝福を告げた。
「サマカさんは他者の祝福を看破する祝福を持っていましたから」
頭が一瞬真っ白になった。
アリエスとリベラも言葉を失っている。
その祝福を知っている。いや知っているどころではない。
実際に、レオも所持している。だが、そうなると。
――俺たちのことが、知られていた?
頭を過ぎる最悪の結論。しかし、それをすんでのところで理性が止めにかかる。
(いや、仮に祝福を看破できる祝福でも、姿を隠した状態では見えない筈だ)
レオの中の祝福は常に進化を続ける。
姿を隠す祝福ならば、祝福を看破する祝福からも身を隠すだろう。
「……サマカ枢機卿が分かるのは、祝福を持っているかと、その大きさもですか?」
「いえ、分かるのは祝福を持っているかどうかだけだと伺っています」
アリエスの問いに答えたララの言葉に、レオは内心で安堵の息を吐く。
どうやら自分の持つ祝福ほど強くはなさそうだ。
サマカに見抜かれていた可能性は低いし、もし見抜いていたならガーランド教皇の派閥の枢機卿と会話などしないだろう。
「そ、そうなんだ。ララさんは何の祝福を持っているの?」
やや話の逸らし方が下手なものの、ララは特に気にすることなく自信満々にリベラの問いに答えた。
「私は他者の傷を癒す祝福を持っています。病もちょっとだけなら治せるんですよ」
「……す、すごいね」
「えへへ、ありがとうございます!」
リベラは必死に言葉を紡ぐことしかできず、レオはただ窓の外を見ることしかできない。
そして、傷も病も呪いもなんでも治す白銀の少女は明後日の方向を見た。
「し、神聖玉ってそれぞれの街で使われている結界の装置みたいなものだよね?」
「あ、ご存じなんですね! そうです、大きな街とかだとあまり効果はないのですが、小さな町はこれの有り無しで被害が変わったりもするんですよ。
もちろん冒険者や勇者の方々の貢献は大きいですが、これも少しですが貢献してるんです」
なんとか誰にも影響のない話題に移行することができてほっとする。
神聖玉の話になり、ようやく再起動したアリエスも口を開いた。
「それを今から造りに行くんですよね。
ここからエニフ谷までは一日かからないとお聞きしましたが、どれくらいで神聖玉はできるのですか?」
「そこまで時間はかからない予定です。本日で谷まで行き、そこで一日明かし、翌日に儀式をしてその日の内にはレーヴァティに戻ります。
お時間を取ってしまって申し訳ないです」
「いえ、大丈夫です。わかりました、ありがとうございます」
明日までかかるとのことなので、最低でもあと一回はあの光景を見ることになる。
眠るときはなるべく人の居ない馬車や荷車を借りようとレオは心に決めた。
その後、ララとリベラはレーヴァティの美味しいものなどで盛り上がっていた。
会話にアリエスもたまに交じり、馬車は西へと進んでいく。
途中で魔物にも遭遇したようだったが、レオが出るまでもなく兵士が片付けていた。
結局のところ、大きな出来事が起こることもなく、レオ達は夜になる頃には西のエニフ谷にたどり着いていた。
予定通りにルシャ達は現れ、レオ達は一つの馬車に乗ることになった。
レオ達とルシャ達で分かれるのかと、最初は思っていたのだが。
「…………」
四人乗りの馬車の最後の一席にはララ枢機卿が着席していた。
緊張しているように見えるのは、おそらく教会側の人間が彼女一人だけだからだろう。
震えているようにも見えるので、レオはなるべく彼女に目線を合わせないように窓の外を見ることにした。
どうやらララはルシャに言われてレオたちの馬車に同行したらしい。
親睦を深めてくれとのことだったらしいが、今の彼女は見ていて少し可哀そうになってくる。
「……大丈夫ですか?」
「はい大丈夫です。すみません、こんなんで……」
「いえ、それはいいのですが……」
残念だが、レオはこれ以上窓の外を見ることはできない。
なぜならもう両目で見てしまっているからだ。
「……それなら、ララ枢機卿の事を聞かせてください」
不意にララの隣に座るリベラが手を上げて発言した。
彼女は教会に対して憧れのようなものを抱いている。
ザウラク教皇やガーランド教皇のせいでその憧れは打ち砕かれているが、ルシャ教皇派閥のララを見る目は輝いていた。
「ララで大丈夫ですよ。それかさん付けで。役職名で呼ばれるのあまり好きではないんです」
苦笑いするようにララは言う。どうやら思った以上に話しやすい人物のようだ。
「私はルシャ教皇様とファイ枢機卿に憧れて枢機卿になったんです。
ルシャ教皇はあれだけ凄い祝福を持っているのに女神さまのような方ですし」
「教会内でも随一の祝福量だって聞いたよ。
ファイ枢機卿もすごい祝福の持ち主なの?」
「リベラ、いくらなんでも態度が代わりすぎては……」
あっという間に敬語を取り払ったリベラに対して、アリエスは咎めるように注意をする。
しかし、ララはまったく気にしていないようで微笑みながら首を横に振った。
「大丈夫です。私、教会内に女性の友人のような人が居ないので、リベラさんみたいな人好きですよ」
「おぉー」
感動したように声を出すリベラに内心で笑いそうになってしまう。
アリエスは呆れた雰囲気だが、リベラのこういった明るさは美点だ。
「あ、ファイさんについてでしたね。
ファイさんはすごい祝福は持っていないんです。
けれどそれでも今の地位にまで上り詰めた本当にすごい人なんですよ!」
やや熱の入った発言の具合が、どこかの誰かと被った気がした。
「すごく優秀な方なのですね。会ったときから誠実さは感じていましたが」
そんなどこかの誰かの発言に、ララは大きく首を縦に振った。
「本当、ルシャ様の派閥を支えているのはファイさんと言っても過言ではないと言いますか……あ、もちろんルシャ様あっての派閥ですよ?」
ララの言葉を聞いているとルシャ教皇の派閥はザウラク教皇やガーランド教皇の派閥とは全く違う印象を受ける。
女神のようと言われるルシャに、誠実なファイ、そして健気なララ。
サマカという人物は居たものの、人に恵まれているそんな印象だ。
「……だから、サマカ枢機卿がお亡くなりになられて、ファイさんがあちこち駆けまわって神聖玉作成の旅どころではなくなりそうで……でもそんなときにレオさんが現れてくれたんです。
ごめんなさい、私しっかりと目を見て言えませんが……でも、心からレオさんに感謝しています。ありがとうございます!」
ララが頭を下げるのが視界の隅に映った。その体は少し震えているようにも見える。
彼女の言う通り、ララはレオとは目を合わせられない。
今ともに馬車に居るのもギリギリの状態だ。
けれど、彼女の心は本物だった。
それこそ目を見て話してくれる人と同じくらいレオは彼女の事を好意的に捉えている。
「ああ、なるべく頑張るよ」
「はい、よろしくお願いします!」
一言だけそう返して、レオは再び窓の外に意識を向けた。
「……それにしても、サマカ枢機卿の死について何か分かったことはあるのですか?」
アリエスの問いにララは悩むようなそぶりを見せたものの、すぐに顔を上げた。
「ファイさんから聞いた話ですが、サマカさんの遺体には胸を鋭利な刃物で貫かれた跡があったようです。
それと……中央塔の上階の爆破はサマカさんが行ったわけではないようです。
怪しいと考えているのはガーランド教皇様の派閥の方のようですね」
中央塔はガーランド教皇の派閥の部屋のある塔だったはず。
だからこそ、その派閥の人間が怪しいのは当然だろう。
他の派閥の人間が出入りをすれば怪しまれるのだから。
それにしても、予測はしていたがサマカは何者かに殺害されたようだ。
彼が自殺と同時に爆発を決行した可能性は低いように感じる。
まあ、あの性格的にしなさそうではあるが。
「サマカ枢機卿に恨みを持っている人が殺害したということですね……」
同じような結論にアリエスが至れない筈はなく、彼女は何かを考え込んでいるようだ。
間違いなく自分では思いつかないところまで考えているのだろうと、レオは思った。
「……そうなのですが、実はサマカさん結構恨みを買っていまして……」
「あまり亡くなった人を悪く言いたくはないんだけど、ちょっと感じが悪かったというか……」
「すみません、同じ教会の一員として謝罪します」
リベラの発言にどこかで聞いたものと同じ言葉を返したララ。
「サマカさんはちょっと横暴なのですが、優れた祝福を持っていたために、それも分からなくもないんですよね……サマカさんのお世話になった人も多いですし」
「優れた祝福ですか?」
アリエスの問いにララは「はい」と答え、サマカの祝福を告げた。
「サマカさんは他者の祝福を看破する祝福を持っていましたから」
頭が一瞬真っ白になった。
アリエスとリベラも言葉を失っている。
その祝福を知っている。いや知っているどころではない。
実際に、レオも所持している。だが、そうなると。
――俺たちのことが、知られていた?
頭を過ぎる最悪の結論。しかし、それをすんでのところで理性が止めにかかる。
(いや、仮に祝福を看破できる祝福でも、姿を隠した状態では見えない筈だ)
レオの中の祝福は常に進化を続ける。
姿を隠す祝福ならば、祝福を看破する祝福からも身を隠すだろう。
「……サマカ枢機卿が分かるのは、祝福を持っているかと、その大きさもですか?」
「いえ、分かるのは祝福を持っているかどうかだけだと伺っています」
アリエスの問いに答えたララの言葉に、レオは内心で安堵の息を吐く。
どうやら自分の持つ祝福ほど強くはなさそうだ。
サマカに見抜かれていた可能性は低いし、もし見抜いていたならガーランド教皇の派閥の枢機卿と会話などしないだろう。
「そ、そうなんだ。ララさんは何の祝福を持っているの?」
やや話の逸らし方が下手なものの、ララは特に気にすることなく自信満々にリベラの問いに答えた。
「私は他者の傷を癒す祝福を持っています。病もちょっとだけなら治せるんですよ」
「……す、すごいね」
「えへへ、ありがとうございます!」
リベラは必死に言葉を紡ぐことしかできず、レオはただ窓の外を見ることしかできない。
そして、傷も病も呪いもなんでも治す白銀の少女は明後日の方向を見た。
「し、神聖玉ってそれぞれの街で使われている結界の装置みたいなものだよね?」
「あ、ご存じなんですね! そうです、大きな街とかだとあまり効果はないのですが、小さな町はこれの有り無しで被害が変わったりもするんですよ。
もちろん冒険者や勇者の方々の貢献は大きいですが、これも少しですが貢献してるんです」
なんとか誰にも影響のない話題に移行することができてほっとする。
神聖玉の話になり、ようやく再起動したアリエスも口を開いた。
「それを今から造りに行くんですよね。
ここからエニフ谷までは一日かからないとお聞きしましたが、どれくらいで神聖玉はできるのですか?」
「そこまで時間はかからない予定です。本日で谷まで行き、そこで一日明かし、翌日に儀式をしてその日の内にはレーヴァティに戻ります。
お時間を取ってしまって申し訳ないです」
「いえ、大丈夫です。わかりました、ありがとうございます」
明日までかかるとのことなので、最低でもあと一回はあの光景を見ることになる。
眠るときはなるべく人の居ない馬車や荷車を借りようとレオは心に決めた。
その後、ララとリベラはレーヴァティの美味しいものなどで盛り上がっていた。
会話にアリエスもたまに交じり、馬車は西へと進んでいく。
途中で魔物にも遭遇したようだったが、レオが出るまでもなく兵士が片付けていた。
結局のところ、大きな出来事が起こることもなく、レオ達は夜になる頃には西のエニフ谷にたどり着いていた。
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