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第1章 呪いを恐れない奴隷少女
第1話 魔王討伐
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――これから先、何があっても俺は敵を壊して壊して、壊し続けるのだろう
響く打撃音。
金属と金属がぶつかり合う、高く、そして鈍い音が半壊した広間に響く。
広間のつくりとしては王城の謁見の間に近いだろう。
しかし玉座は背もたれが崩れ、絨毯はいたるところがボロボロに解れている。
一部に関しては剥がれきって、石造りの床を晒していた。
壁に設置されていた豪華なつくりをしていたであろう窓はガラスどころか窓枠から破壊され、広間の空気の通りを良くしていた。
そこから眩いばかりの日光と風で運ばれた砂が室内に入り込み、広間の視界を悪くしている。
王城のような綺麗な場所とは程遠い、廃墟のような状態だった。
この破損状態は今起きたものではない。
長年の歳月をかけて、ゆっくりとゆっくりと破壊が侵食されて出来たものだろう。
そんなこの世の終わりとも呼べる場所で、剣を振るいあう人影が二つ。
「…………」
金髪を砂の混じった風に遊ばれながら、勇者レオは片手に持つ剣を振るう。
それを、彼と対峙する一人の女性は両手に持つ細剣で防いだ。
女性の面相は必死で、生きるか死ぬかの瀬戸際に居ることがよく伝わってくるほど鬼気迫っていた。
しかし、にもかかわらず剣を止められたのは一瞬だけ。
レオはそのまま力任せに剣を振り抜き、女性を玉座まで吹き飛ばした。
この部屋に入ってきたときに座っていた場所に力任せに戻された女性は、自分の体で半壊していた玉座を完全に破壊し、土煙で見えなくなる。
その様子を、剣を構えたままのレオはいつもの何の感情も読み取れない目でただ見ていた。
弱い。
聞いていた以上に、弱い。
ここまで弱いものなのか。
けれど彼女は本物だ。
事実、彼女は自分が魔王であると部屋に入ってきたレオに告げた。
その言葉に、態度に嘘はなかったように思える。
仮に彼女が偽物であったにせよ、この程度の強さならば本物も大したことがなさそうだ。
問題なく壊せるだろう。
「……弱いな」
心底興味が無さそうに呟くレオ。
それに応えるかのように、次第に吹き荒れる風で玉座に沸き上がった土煙が消えていく。
倒壊した玉座の前には、剣を床に刺して肩で息をする女性。
美しく絹のような黒髪は砂で汚れ、床に垂れている。
「――――」
女性が、なにかを呟く。
それはレオに対して発せられた恨み言だったのだろう。
しかし、レオはその言葉を認識できなかった。
聞き取れなかったのではない、敵の言葉など聞く必要はないと教えられて育った。
そのため、彼は女性の言葉を理解することを拒んだ。
彼女が魔王であるということを聞いた時点で、レオの使命は彼女を壊すことになった。
ならばそれ以外は不要。
必要なことは、人類の敵を壊すことだけ。
女性は足に力を入れて、力強く立ち上がる。
血に濡れた褐色の肌に、立ち上がったときに揺れる黒いローブ越しでも分かる大きな胸。
片目を隠した長い黒髪に、殺意を抱いた深紅の瞳。
ぞっとするほどの美人が、レオを射殺さんばかりに睨みつけている。
けれど、レオが心を揺さぶられることはない。
女性のこの世ならざる美しさも、天上のものともいえる肢体も、普通の人ならば失神するような襲い掛かる殺意も、レオには意味がない。
これから壊れる相手に、何を思えというのか。
「――――!!」
何かを叫び、女性は床から細剣を引き抜く。
白銀の刀身に加え柄に豪華絢爛な装飾が施されたそれは、名剣と呼ばれるものなのだろう。
それをレオに向けた女性の背後に、紫の魔法陣が展開する。
広間を、重圧が襲う。
床が、天井が、城全体が悲鳴を上げている。
切っ先に集まっていく黒い光。
それが集まれば集まる程に、城は悲鳴を上げる。
女性が魔王として集めてきたであろう、あらゆる力を可能な限り集めた一撃。
白銀の刃が黒く染まり、女が歯を剥く。
風圧で、片目を隠していた髪が舞う。
右足を、強く、力強く前に出し、床を踏みつける。
まるですべての恨みをぶつけるかのように魔王は咆哮し、剣を突き出した。
轟音。
一筋の黒い光となって、破滅はレオへと向かう。
女性のこれまでを詰め込んだ攻撃は、当たるだけであらゆるものを破壊する性質を持つだろう。
それこそ、レオくらいの大人一人ならば、光が通り過ぎた後に塵も残らないはずだ。
物体を消滅させるという概念、すなわちそういった呪いが込められた一撃。
それを見て、レオは目を見開いた。
女性の決死の一撃に、その強大さに驚いたのではない。
――この程度なのか
彼は知らないが、その時レオが抱いた感情は失望に近かった。
片手で握る、シンプルなつくりの両刃剣。
女性の持つ細剣と比べれば、ただの無骨な、それこそ適当な武器屋で売っていてもおかしくないような剣。
しかし、レオが柄を強く握りしめ、心で命令すればそれは起動する。
刀身が、変わる。
鈍い銀色から、きらめく夜空へと。
それは刃という二次元の平面上に映し出されているにもかかわらず、三次元のような奥行きがあるように見受けられた。
刃に星空を内包した剣が、世界に顕現する。
レオがしたことは、ただ迫りくる黒い光線に刃を添えただけ。
叩き斬るとか、防ぐとか、そういったことではない。
まるでなぞるかのように、ゆっくりと破滅の光線を両刃剣の鍔近くで受け止め、そのまま軽く払った。
ただそれだけで、城一つどころか国を一つ滅ぼすであろう破滅の黒は掻き消えた。
「…………」
レオの前に立つ女性はその光景に目を見開いていた。
レオのやった芸当が信じられない、否、信じたくないと震えていた。
彼女の瞳の奥に、明白な恐怖の色が見えた。
これまでレオが何度も見てきた、壊される側の反応だ。
――結局、することは変わらないか
溜息を吐いてレオは剣をだらりと下ろす。
もう勝負は終わったも同然だった。
魔王の底は見えた。
彼女はなにをしてもレオには勝てない。
そしてレオは、何があっても彼女には負けない。
それが二人の間にある絶対的な差だった。
「解放する必要もなかったかもしれないな……終わりにしよう。世界を救うために」
さらに力を開放すれば、神秘的な光が広間を包む。
金、銀、黄色、白、赤、青――数えきれないほど光の粒が、空間全体を満たしていく。
その全てがレオが出した力の影響だということを悟り、女は奥歯を強く噛みしめた。
女性のこれまでを込めた一撃を防いだときも、本気ではなかった。
いや、むしろ今ですらレオは本気ではない。
魔王はそれを悟ったのか、乾いた笑みを浮かべる。
疲れ切ったような笑顔は、彼女がもう諦めたようにも見える。
けれど、目は死んでいない。
赤い目は今もなおレオに確かな敵意を、殺気を抱いている。
レオが本気で来るなら、こちらもそれに応えよう。
そんな意志が女性から見えたとき。
次の瞬間には魔王の胸にレオの持つ剣が突き立てられていた。
深く深く、刀身が女性の背中から突き出るくらいに、深く貫かれている。
致命傷なのは間違いない。
いや、仮に女性の本当の弱点が別の場所だったとしても、彼女が消滅するのは時間の問題だ。
彼女はレオが剣を構えたことも、近づいたことも、自分を突き刺したことも、気づかなかったのだから。
――これからも俺は、敵を壊し続けるだけだ
レオは力を込めてさらに刃を体に深く突き刺す。
女性が一瞬咳き込み、血を吐いたが、それで彼の手が止まるはずもなかった。
今この瞬間、魔王ミリアは勇者レオに討伐された。
流石にこの時ばかりは、レオもわずかに気を緩めたのかもしれない。
魔王が壊れたことを、確信したのだから。
「――っ!」
だからこそ女性の、ミリアの右手に自身の左手を掴まれたときにレオは反応できなかった。
けれどそれなら振り払えばよかっただけの事。
既に致命傷は与えている。
この状態でミリアの体から剣を引き抜いたところで、彼女は消滅するだろう。
だが。
「なに……を……」
ミリアはレオを突き飛ばすのではなく、逆に力任せに引き寄せた。
衝撃でレオの剣がより深くミリアの体に突き刺さる。
刃の根元まで、彼女の胸に埋まっていた。
剣を構える関係上、レオの上半身は傾いている。
「――――」
ミリアが何かを呟き、近づいたレオの頬に手を添える。
彼女の長く細い指が頬に這い、親指がその目元をなぞった。
レオの背中を、ぞっとした何かが駆け抜ける。
――俺は、なにを
なぜ離れない。
なぜ受け入れている。
これは明確な攻撃だ。
防がねばならないものだ。
避けなければならないものだ。
レオは動けない。
至近距離で微笑んでいる女が怖いわけではない。
戦闘において恐怖など、自分にあるわけがない。
にもかかわらず、足は、腕は、少しも動こうとはしなかった。
「――――」
結局、最後の最後までレオはミリアの言うことが理解できなかった。
判別しようとしなかったから、今この瞬間に彼女が何をしようとしているのかを予測できなかった。
レオに敵の言葉を聞くなと教えたモノは、戦闘が終わる寸前や、あるいは終わった後ならば聞いても良いと教えるべきだった。
刹那、レオの視界が黒く染まる。
体中を走る激痛。軋む体。
声にならない悲鳴を上げながら、レオは意識を深い深い闇へと落としていった。
響く打撃音。
金属と金属がぶつかり合う、高く、そして鈍い音が半壊した広間に響く。
広間のつくりとしては王城の謁見の間に近いだろう。
しかし玉座は背もたれが崩れ、絨毯はいたるところがボロボロに解れている。
一部に関しては剥がれきって、石造りの床を晒していた。
壁に設置されていた豪華なつくりをしていたであろう窓はガラスどころか窓枠から破壊され、広間の空気の通りを良くしていた。
そこから眩いばかりの日光と風で運ばれた砂が室内に入り込み、広間の視界を悪くしている。
王城のような綺麗な場所とは程遠い、廃墟のような状態だった。
この破損状態は今起きたものではない。
長年の歳月をかけて、ゆっくりとゆっくりと破壊が侵食されて出来たものだろう。
そんなこの世の終わりとも呼べる場所で、剣を振るいあう人影が二つ。
「…………」
金髪を砂の混じった風に遊ばれながら、勇者レオは片手に持つ剣を振るう。
それを、彼と対峙する一人の女性は両手に持つ細剣で防いだ。
女性の面相は必死で、生きるか死ぬかの瀬戸際に居ることがよく伝わってくるほど鬼気迫っていた。
しかし、にもかかわらず剣を止められたのは一瞬だけ。
レオはそのまま力任せに剣を振り抜き、女性を玉座まで吹き飛ばした。
この部屋に入ってきたときに座っていた場所に力任せに戻された女性は、自分の体で半壊していた玉座を完全に破壊し、土煙で見えなくなる。
その様子を、剣を構えたままのレオはいつもの何の感情も読み取れない目でただ見ていた。
弱い。
聞いていた以上に、弱い。
ここまで弱いものなのか。
けれど彼女は本物だ。
事実、彼女は自分が魔王であると部屋に入ってきたレオに告げた。
その言葉に、態度に嘘はなかったように思える。
仮に彼女が偽物であったにせよ、この程度の強さならば本物も大したことがなさそうだ。
問題なく壊せるだろう。
「……弱いな」
心底興味が無さそうに呟くレオ。
それに応えるかのように、次第に吹き荒れる風で玉座に沸き上がった土煙が消えていく。
倒壊した玉座の前には、剣を床に刺して肩で息をする女性。
美しく絹のような黒髪は砂で汚れ、床に垂れている。
「――――」
女性が、なにかを呟く。
それはレオに対して発せられた恨み言だったのだろう。
しかし、レオはその言葉を認識できなかった。
聞き取れなかったのではない、敵の言葉など聞く必要はないと教えられて育った。
そのため、彼は女性の言葉を理解することを拒んだ。
彼女が魔王であるということを聞いた時点で、レオの使命は彼女を壊すことになった。
ならばそれ以外は不要。
必要なことは、人類の敵を壊すことだけ。
女性は足に力を入れて、力強く立ち上がる。
血に濡れた褐色の肌に、立ち上がったときに揺れる黒いローブ越しでも分かる大きな胸。
片目を隠した長い黒髪に、殺意を抱いた深紅の瞳。
ぞっとするほどの美人が、レオを射殺さんばかりに睨みつけている。
けれど、レオが心を揺さぶられることはない。
女性のこの世ならざる美しさも、天上のものともいえる肢体も、普通の人ならば失神するような襲い掛かる殺意も、レオには意味がない。
これから壊れる相手に、何を思えというのか。
「――――!!」
何かを叫び、女性は床から細剣を引き抜く。
白銀の刀身に加え柄に豪華絢爛な装飾が施されたそれは、名剣と呼ばれるものなのだろう。
それをレオに向けた女性の背後に、紫の魔法陣が展開する。
広間を、重圧が襲う。
床が、天井が、城全体が悲鳴を上げている。
切っ先に集まっていく黒い光。
それが集まれば集まる程に、城は悲鳴を上げる。
女性が魔王として集めてきたであろう、あらゆる力を可能な限り集めた一撃。
白銀の刃が黒く染まり、女が歯を剥く。
風圧で、片目を隠していた髪が舞う。
右足を、強く、力強く前に出し、床を踏みつける。
まるですべての恨みをぶつけるかのように魔王は咆哮し、剣を突き出した。
轟音。
一筋の黒い光となって、破滅はレオへと向かう。
女性のこれまでを詰め込んだ攻撃は、当たるだけであらゆるものを破壊する性質を持つだろう。
それこそ、レオくらいの大人一人ならば、光が通り過ぎた後に塵も残らないはずだ。
物体を消滅させるという概念、すなわちそういった呪いが込められた一撃。
それを見て、レオは目を見開いた。
女性の決死の一撃に、その強大さに驚いたのではない。
――この程度なのか
彼は知らないが、その時レオが抱いた感情は失望に近かった。
片手で握る、シンプルなつくりの両刃剣。
女性の持つ細剣と比べれば、ただの無骨な、それこそ適当な武器屋で売っていてもおかしくないような剣。
しかし、レオが柄を強く握りしめ、心で命令すればそれは起動する。
刀身が、変わる。
鈍い銀色から、きらめく夜空へと。
それは刃という二次元の平面上に映し出されているにもかかわらず、三次元のような奥行きがあるように見受けられた。
刃に星空を内包した剣が、世界に顕現する。
レオがしたことは、ただ迫りくる黒い光線に刃を添えただけ。
叩き斬るとか、防ぐとか、そういったことではない。
まるでなぞるかのように、ゆっくりと破滅の光線を両刃剣の鍔近くで受け止め、そのまま軽く払った。
ただそれだけで、城一つどころか国を一つ滅ぼすであろう破滅の黒は掻き消えた。
「…………」
レオの前に立つ女性はその光景に目を見開いていた。
レオのやった芸当が信じられない、否、信じたくないと震えていた。
彼女の瞳の奥に、明白な恐怖の色が見えた。
これまでレオが何度も見てきた、壊される側の反応だ。
――結局、することは変わらないか
溜息を吐いてレオは剣をだらりと下ろす。
もう勝負は終わったも同然だった。
魔王の底は見えた。
彼女はなにをしてもレオには勝てない。
そしてレオは、何があっても彼女には負けない。
それが二人の間にある絶対的な差だった。
「解放する必要もなかったかもしれないな……終わりにしよう。世界を救うために」
さらに力を開放すれば、神秘的な光が広間を包む。
金、銀、黄色、白、赤、青――数えきれないほど光の粒が、空間全体を満たしていく。
その全てがレオが出した力の影響だということを悟り、女は奥歯を強く噛みしめた。
女性のこれまでを込めた一撃を防いだときも、本気ではなかった。
いや、むしろ今ですらレオは本気ではない。
魔王はそれを悟ったのか、乾いた笑みを浮かべる。
疲れ切ったような笑顔は、彼女がもう諦めたようにも見える。
けれど、目は死んでいない。
赤い目は今もなおレオに確かな敵意を、殺気を抱いている。
レオが本気で来るなら、こちらもそれに応えよう。
そんな意志が女性から見えたとき。
次の瞬間には魔王の胸にレオの持つ剣が突き立てられていた。
深く深く、刀身が女性の背中から突き出るくらいに、深く貫かれている。
致命傷なのは間違いない。
いや、仮に女性の本当の弱点が別の場所だったとしても、彼女が消滅するのは時間の問題だ。
彼女はレオが剣を構えたことも、近づいたことも、自分を突き刺したことも、気づかなかったのだから。
――これからも俺は、敵を壊し続けるだけだ
レオは力を込めてさらに刃を体に深く突き刺す。
女性が一瞬咳き込み、血を吐いたが、それで彼の手が止まるはずもなかった。
今この瞬間、魔王ミリアは勇者レオに討伐された。
流石にこの時ばかりは、レオもわずかに気を緩めたのかもしれない。
魔王が壊れたことを、確信したのだから。
「――っ!」
だからこそ女性の、ミリアの右手に自身の左手を掴まれたときにレオは反応できなかった。
けれどそれなら振り払えばよかっただけの事。
既に致命傷は与えている。
この状態でミリアの体から剣を引き抜いたところで、彼女は消滅するだろう。
だが。
「なに……を……」
ミリアはレオを突き飛ばすのではなく、逆に力任せに引き寄せた。
衝撃でレオの剣がより深くミリアの体に突き刺さる。
刃の根元まで、彼女の胸に埋まっていた。
剣を構える関係上、レオの上半身は傾いている。
「――――」
ミリアが何かを呟き、近づいたレオの頬に手を添える。
彼女の長く細い指が頬に這い、親指がその目元をなぞった。
レオの背中を、ぞっとした何かが駆け抜ける。
――俺は、なにを
なぜ離れない。
なぜ受け入れている。
これは明確な攻撃だ。
防がねばならないものだ。
避けなければならないものだ。
レオは動けない。
至近距離で微笑んでいる女が怖いわけではない。
戦闘において恐怖など、自分にあるわけがない。
にもかかわらず、足は、腕は、少しも動こうとはしなかった。
「――――」
結局、最後の最後までレオはミリアの言うことが理解できなかった。
判別しようとしなかったから、今この瞬間に彼女が何をしようとしているのかを予測できなかった。
レオに敵の言葉を聞くなと教えたモノは、戦闘が終わる寸前や、あるいは終わった後ならば聞いても良いと教えるべきだった。
刹那、レオの視界が黒く染まる。
体中を走る激痛。軋む体。
声にならない悲鳴を上げながら、レオは意識を深い深い闇へと落としていった。
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