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第45話 望月ちゃんへの注目度が増してきたようです
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「いい感じにレベルも上がってきて、下層にもようやく慣れてきたね」
『あぁ』
『えぇ』
JDCの順位が2桁に乗った翌日。
俺達は上がった順位に胡坐をかくことなどすることなく、下層に潜っていた。
敵をある程度倒したところで、小休憩とばかりに一人と二匹で休憩をする。
竜乃は周囲を警戒することは忘れないものの文字通り羽を伸ばしているし、俺も先ほどの戦いを復習しながらも休んでいた。
そして望月ちゃんは配信ドローンと向き合って、コメントを読んでいる。
配信を始めてから新たに追加されたルーティンのようなものだが、良い具合に休めるのでプラスに働いている。
“キミー:初日以降、大きなミスもないし、凄く良い感じだよ”
“下層に潜ったときはどうなるかと思ったけど、見違えるほど良くなったと思う”
“虎太郎の旦那が適応してくれたのもそうだけど、モッチーや竜乃ちゃんもレベルが上がってる”
“危ない場面も全くないし、安定してていいね!”
“この調子で、目指せTOP10だね!”
配信を見てくれている人数は100人ちょっとといつも通りだ。
けれど今居る人たちは毎日の配信で顔を出してくれる常連さんばかりで、コメント欄には見慣れた名前が並んでいる。
最初は2人しか居なかった配信の事を考えると、この光景を見ると心にこみ上げてくるものがある。
そんな事を思っていると、不意に配信ドローンの視聴者数の数字に変化が訪れた。
これまでは100ちょっとで止まっていたのだが、増え始める。
(……ん? 一気に10数人増えたな)
配信開始してすぐならともかく、もう3回は下層モンスターと戦っている。
1人や2人増える程度ならばよくある話だが、こんなに一気に増えるなんて珍しいと思っていると。
“こんにちは”
“初めましてー”
“お邪魔しまーす”
“よっすよっす”
これまで目にしたことのない名前の視聴者さん達が次々とコメントをしてくる。
この感じ、増えた人のほとんどがコメントを残してくれているようだ。
“どここれ?”
“こんな場所、東京にも京都にもあったか?”
“新規さんかな?こんにちは”
“こんにちは。ランキングから来ました”
「……え? ランキング……ですか?」
流れるコメントを見て、望月ちゃんが首を傾げた。
“キミー:政府の出しているJDCランキング表がついさっき更新されたみたいだね”
「あ、そうだったんですね」
すぐさま優さんがコメントをしてくれた。
どうやら政府の出しているランキング表は翌日に更新らしい。
ということは、今見てくれている人は望月ちゃんが100位以内に入ってきたから見に来てくれたという事だろう。
ランキングが上がるにつれて人気が出るのでは、と思っていたが、嬉しい限りだ。
“こんちゃ。望月さんで合ってますか?”
「はい、初めまして望月です。あと竜乃くんと虎太郎君です。楽しんでいってくださいね」
“ちょっと待って、テイムモンスターが2体?”
“本当に望月さん以外探索者居ないの?”
“これどこ? 隠し階層とか? 君今どこに居るの?”
矢継ぎ早に質問が行われる。
この間にも視聴者数は上がっているが、主に質問をしているのは最初に来た視聴者さん達のようだ。
“なんか、急に人が増えてきた”
“モッチーが人気になってハッピーです”
“これが古参の気持ちってことぉ?”
“古参の気持ち、悪くないです”
“どうも古参です”
“どうも古参です”
「あ、え、えっと……竜乃ちゃんと虎太郎君は私を助けてくれる頼れる子たちです。
私たち以外には居ません。えっと……今私達が居るのは茨城のダンジョンの下層です」
一つ一つの質問に、丁寧に望月ちゃんは答える。
けれど急な視聴者数の増加に、望月ちゃんも戸惑っているようだ。
“茨城……?”
“え? どゆこと?”
“あ、茨城のTier2ダンジョンの下層か。暗黒がテーマの”
“は? 意味わからんのだが。なぜTier2ダンジョンで98位?”
新規で訪れた視聴者達は望月ちゃんの答えを聞いて、各々が反応をする。
勢いに望月ちゃんが返答に詰まっていると、ひときわ目立つコメントが流れた。
“キミー:初見の皆さん、こんにちは。望月ちゃんからコメント管理者を任されているキミーという者です。他の人からはキミーパイセンと呼ばれることもあります。
望月ちゃんはモンスターテイマーの職業で、シークレットスキルによって2体のモンスターと契約しています。
また彼女は現在、茨城にあるTier2ダンジョンの下層を攻略中です。
もし質問等あれば代わりに自分が答えますので、よろしくお願いします”
優さんの助け舟のコメントはすぐに固定化され、一番上に表示される。
どれだけ他のコメントがスクロールして画面外に消えていっても、このコメントだけは残っていた。
望月ちゃんのポケットから振動音が聞こえ、端末を取り出す。
なにがあったのかは角度的に見ることはできなかったが、望月ちゃんは端末を見て安心した表情を浮かべ、再びそれをしまった。
“望月さんのレベルはどのくらい?”
“どのくらいのレベルですか?”
“キミー:正確なレベルはともかく、実力的には下層モンスターに少し及ばないくらいです。
ですが望月ちゃんに力を貸してくれている虎太郎君は下層モンスターよりも遥かに強いので食らいつけています”
強さに対する質問に対して、優さんは1歩先の回答を示した。
聞きたいことが同じことばかりなのか、新規参加者のコメントの流れもやや遅くなる。
“なるほど、ソロでモンスターテイマーで、格上を倒せるってことか。それなら順位が上がるのも納得か”
“なるほどですね。まさかそんな風にダンジョン探索をしている人が居るなんて”
“これならTier2ダンジョンに居てもJDCのランキングには載れるのか……”
JDCのランキングを見て配信に来てくれただけあって、新規の視聴者達はすぐに順位のカラクリに気づいたようだ。
“でも、それってちょっとずるくね?”
けれどその中にあって、一つのコメントだけが嫌に目にとまった。
しばしコメントの流れが止まる。
視聴者数は増え続け、200人に迫りそうな勢いだ。
“キミー:そうでしょうか? イベントのルールを破っているわけではありません。
虎太郎君は確かに強いですが、彼が力を貸してくれているのは望月ちゃんの力です”
少し時間をおいて、優さんのコメントが表示される。
望月ちゃんの握る拳に、少しだけ力が入った。
優さんの後に流れが止まるコメント欄。
視聴者数はそれでも増え続け、200人を越えたとき。
“まぁ、トップランカー達もズルみたいなスキル持ってるしな”
“他人に迷惑かけてるわけでもないし”
“それに本当にNGなら政府からなんか言われるやろ”
驚いたことに優さんを指示するようなコメントを発したのは、新規で訪れた視聴者さん達だった。
“なんかすまん。ちょっと言い方が悪かった”
“キミー:気にしないでくれ、そのくらい望月ちゃん達のことを強いと感じてくれていることだと思うから”
「はい、気にしないでください。竜乃ちゃんと虎太郎君が注目されてさえいれば、私はOKです」
“モッチーの親バカ”
“モッチーの子煩悩”
“むしろ飼い主バカで飼い主煩悩か”
“悪口なはずなのに、モッチーに使って頭に親つけるとほっこりする、不思議”
いつものようにコメント欄は望月ちゃんを揶揄う方向に変わった。
「皆さんもちゃんと配信見返して二人の雄姿を目に焼き付けてくださいね。
最低でも一日2回ですよ。土日はアーカイブ周回です」
“ヒェ”
“ハイ”
“モチロンデス”
“自分の配信をこんな濃く見返している配信者居る?”
“竜乃ちゃんと虎太郎の旦那鑑賞時間>>ダンジョン勉強時間やからな”
“頭おかしい。いつ寝るねん”
“なおそのためにキミーパイセンは犠牲になる模様”
“キミー:情報集めるの好きだから、やりがいはあるよ”
“狂ってる人間しか居ないんか……”
前からそうだが、望月ちゃんは俺達に対する愛が重い。
以前コメントで目にしたのだが、SNSでは俺達の事ばかり呟いているらしい。
しかも一日中。
飼い主に愛されて飼い獣冥利に尽きるけど、体には気を付けてくれ。
“キミーさん? キミーパイセンさん? 何て呼べばいいのか分からないけれど、茨城の下層だったよね? それなら望月さんは暗黒城は攻略した?”
流れたコメントは、優さんに対するものだった。
そのコメントを目にして、俺は「来たか」と内心でほくそ笑む。
(そりゃあダンジョンに詳しい視聴者なら、知ってるよな)
そして知っているのは、優さんも同じだったらしい。
“キミー:望月ちゃんのレベルが上がるのを待ってたんだ。丁度明日くらいから探索をしないかと打診しようとしていたところだよ”
やはり優さんも俺と同じ結論に至っていたようだ。
順位をさらに伸ばすための、一つの方法。
それは、モンスターハウスを超える規模のモンスターが出現するエリアの攻略だ。
“キミー:ダンジョンの奥深くには、モンスターが大量に出現する広大な施設があるんだ。
このダンジョンの施設名は暗黒城。その名の通り、ダーク系統のモンスターが大量に出てくる城だよ”
「暗黒……城……」
“キミー:そう。そこを攻略すれば、望月ちゃん達はさらにランクを上げることが出来ると思う。
どうかな?”
「…………」
優さんの言葉に、望月ちゃんは考え込む。
けれど俺達に向けた視線に目を向ければ、その目はもう答えを出しているようだった。
俺達は言葉を交わすことなく頷き合う。
正確には言葉は交わせない。でもここまで探索してきた俺達にとって、言葉は不要なものになっていた。
「行きます。今夜情報を送ってください」
公式の配信に載せてもらえるのはランキングのTOP10位まで。
そこに入り込むための最後のピースを取りに行こう。
『あぁ』
『えぇ』
JDCの順位が2桁に乗った翌日。
俺達は上がった順位に胡坐をかくことなどすることなく、下層に潜っていた。
敵をある程度倒したところで、小休憩とばかりに一人と二匹で休憩をする。
竜乃は周囲を警戒することは忘れないものの文字通り羽を伸ばしているし、俺も先ほどの戦いを復習しながらも休んでいた。
そして望月ちゃんは配信ドローンと向き合って、コメントを読んでいる。
配信を始めてから新たに追加されたルーティンのようなものだが、良い具合に休めるのでプラスに働いている。
“キミー:初日以降、大きなミスもないし、凄く良い感じだよ”
“下層に潜ったときはどうなるかと思ったけど、見違えるほど良くなったと思う”
“虎太郎の旦那が適応してくれたのもそうだけど、モッチーや竜乃ちゃんもレベルが上がってる”
“危ない場面も全くないし、安定してていいね!”
“この調子で、目指せTOP10だね!”
配信を見てくれている人数は100人ちょっとといつも通りだ。
けれど今居る人たちは毎日の配信で顔を出してくれる常連さんばかりで、コメント欄には見慣れた名前が並んでいる。
最初は2人しか居なかった配信の事を考えると、この光景を見ると心にこみ上げてくるものがある。
そんな事を思っていると、不意に配信ドローンの視聴者数の数字に変化が訪れた。
これまでは100ちょっとで止まっていたのだが、増え始める。
(……ん? 一気に10数人増えたな)
配信開始してすぐならともかく、もう3回は下層モンスターと戦っている。
1人や2人増える程度ならばよくある話だが、こんなに一気に増えるなんて珍しいと思っていると。
“こんにちは”
“初めましてー”
“お邪魔しまーす”
“よっすよっす”
これまで目にしたことのない名前の視聴者さん達が次々とコメントをしてくる。
この感じ、増えた人のほとんどがコメントを残してくれているようだ。
“どここれ?”
“こんな場所、東京にも京都にもあったか?”
“新規さんかな?こんにちは”
“こんにちは。ランキングから来ました”
「……え? ランキング……ですか?」
流れるコメントを見て、望月ちゃんが首を傾げた。
“キミー:政府の出しているJDCランキング表がついさっき更新されたみたいだね”
「あ、そうだったんですね」
すぐさま優さんがコメントをしてくれた。
どうやら政府の出しているランキング表は翌日に更新らしい。
ということは、今見てくれている人は望月ちゃんが100位以内に入ってきたから見に来てくれたという事だろう。
ランキングが上がるにつれて人気が出るのでは、と思っていたが、嬉しい限りだ。
“こんちゃ。望月さんで合ってますか?”
「はい、初めまして望月です。あと竜乃くんと虎太郎君です。楽しんでいってくださいね」
“ちょっと待って、テイムモンスターが2体?”
“本当に望月さん以外探索者居ないの?”
“これどこ? 隠し階層とか? 君今どこに居るの?”
矢継ぎ早に質問が行われる。
この間にも視聴者数は上がっているが、主に質問をしているのは最初に来た視聴者さん達のようだ。
“なんか、急に人が増えてきた”
“モッチーが人気になってハッピーです”
“これが古参の気持ちってことぉ?”
“古参の気持ち、悪くないです”
“どうも古参です”
“どうも古参です”
「あ、え、えっと……竜乃ちゃんと虎太郎君は私を助けてくれる頼れる子たちです。
私たち以外には居ません。えっと……今私達が居るのは茨城のダンジョンの下層です」
一つ一つの質問に、丁寧に望月ちゃんは答える。
けれど急な視聴者数の増加に、望月ちゃんも戸惑っているようだ。
“茨城……?”
“え? どゆこと?”
“あ、茨城のTier2ダンジョンの下層か。暗黒がテーマの”
“は? 意味わからんのだが。なぜTier2ダンジョンで98位?”
新規で訪れた視聴者達は望月ちゃんの答えを聞いて、各々が反応をする。
勢いに望月ちゃんが返答に詰まっていると、ひときわ目立つコメントが流れた。
“キミー:初見の皆さん、こんにちは。望月ちゃんからコメント管理者を任されているキミーという者です。他の人からはキミーパイセンと呼ばれることもあります。
望月ちゃんはモンスターテイマーの職業で、シークレットスキルによって2体のモンスターと契約しています。
また彼女は現在、茨城にあるTier2ダンジョンの下層を攻略中です。
もし質問等あれば代わりに自分が答えますので、よろしくお願いします”
優さんの助け舟のコメントはすぐに固定化され、一番上に表示される。
どれだけ他のコメントがスクロールして画面外に消えていっても、このコメントだけは残っていた。
望月ちゃんのポケットから振動音が聞こえ、端末を取り出す。
なにがあったのかは角度的に見ることはできなかったが、望月ちゃんは端末を見て安心した表情を浮かべ、再びそれをしまった。
“望月さんのレベルはどのくらい?”
“どのくらいのレベルですか?”
“キミー:正確なレベルはともかく、実力的には下層モンスターに少し及ばないくらいです。
ですが望月ちゃんに力を貸してくれている虎太郎君は下層モンスターよりも遥かに強いので食らいつけています”
強さに対する質問に対して、優さんは1歩先の回答を示した。
聞きたいことが同じことばかりなのか、新規参加者のコメントの流れもやや遅くなる。
“なるほど、ソロでモンスターテイマーで、格上を倒せるってことか。それなら順位が上がるのも納得か”
“なるほどですね。まさかそんな風にダンジョン探索をしている人が居るなんて”
“これならTier2ダンジョンに居てもJDCのランキングには載れるのか……”
JDCのランキングを見て配信に来てくれただけあって、新規の視聴者達はすぐに順位のカラクリに気づいたようだ。
“でも、それってちょっとずるくね?”
けれどその中にあって、一つのコメントだけが嫌に目にとまった。
しばしコメントの流れが止まる。
視聴者数は増え続け、200人に迫りそうな勢いだ。
“キミー:そうでしょうか? イベントのルールを破っているわけではありません。
虎太郎君は確かに強いですが、彼が力を貸してくれているのは望月ちゃんの力です”
少し時間をおいて、優さんのコメントが表示される。
望月ちゃんの握る拳に、少しだけ力が入った。
優さんの後に流れが止まるコメント欄。
視聴者数はそれでも増え続け、200人を越えたとき。
“まぁ、トップランカー達もズルみたいなスキル持ってるしな”
“他人に迷惑かけてるわけでもないし”
“それに本当にNGなら政府からなんか言われるやろ”
驚いたことに優さんを指示するようなコメントを発したのは、新規で訪れた視聴者さん達だった。
“なんかすまん。ちょっと言い方が悪かった”
“キミー:気にしないでくれ、そのくらい望月ちゃん達のことを強いと感じてくれていることだと思うから”
「はい、気にしないでください。竜乃ちゃんと虎太郎君が注目されてさえいれば、私はOKです」
“モッチーの親バカ”
“モッチーの子煩悩”
“むしろ飼い主バカで飼い主煩悩か”
“悪口なはずなのに、モッチーに使って頭に親つけるとほっこりする、不思議”
いつものようにコメント欄は望月ちゃんを揶揄う方向に変わった。
「皆さんもちゃんと配信見返して二人の雄姿を目に焼き付けてくださいね。
最低でも一日2回ですよ。土日はアーカイブ周回です」
“ヒェ”
“ハイ”
“モチロンデス”
“自分の配信をこんな濃く見返している配信者居る?”
“竜乃ちゃんと虎太郎の旦那鑑賞時間>>ダンジョン勉強時間やからな”
“頭おかしい。いつ寝るねん”
“なおそのためにキミーパイセンは犠牲になる模様”
“キミー:情報集めるの好きだから、やりがいはあるよ”
“狂ってる人間しか居ないんか……”
前からそうだが、望月ちゃんは俺達に対する愛が重い。
以前コメントで目にしたのだが、SNSでは俺達の事ばかり呟いているらしい。
しかも一日中。
飼い主に愛されて飼い獣冥利に尽きるけど、体には気を付けてくれ。
“キミーさん? キミーパイセンさん? 何て呼べばいいのか分からないけれど、茨城の下層だったよね? それなら望月さんは暗黒城は攻略した?”
流れたコメントは、優さんに対するものだった。
そのコメントを目にして、俺は「来たか」と内心でほくそ笑む。
(そりゃあダンジョンに詳しい視聴者なら、知ってるよな)
そして知っているのは、優さんも同じだったらしい。
“キミー:望月ちゃんのレベルが上がるのを待ってたんだ。丁度明日くらいから探索をしないかと打診しようとしていたところだよ”
やはり優さんも俺と同じ結論に至っていたようだ。
順位をさらに伸ばすための、一つの方法。
それは、モンスターハウスを超える規模のモンスターが出現するエリアの攻略だ。
“キミー:ダンジョンの奥深くには、モンスターが大量に出現する広大な施設があるんだ。
このダンジョンの施設名は暗黒城。その名の通り、ダーク系統のモンスターが大量に出てくる城だよ”
「暗黒……城……」
“キミー:そう。そこを攻略すれば、望月ちゃん達はさらにランクを上げることが出来ると思う。
どうかな?”
「…………」
優さんの言葉に、望月ちゃんは考え込む。
けれど俺達に向けた視線に目を向ければ、その目はもう答えを出しているようだった。
俺達は言葉を交わすことなく頷き合う。
正確には言葉は交わせない。でもここまで探索してきた俺達にとって、言葉は不要なものになっていた。
「行きます。今夜情報を送ってください」
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