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第2章 宿敵の家の当主を妻に貰ってから

第122話 ワイルダー家への訪問

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 サイモン家を訪れた数日後、今度はワイルダー家を訪れていた。
 サイモン家を訪れたときは結果としてアランさんと仲良くなったものの、初対面という事で緊張していた。けど今回訪れるのはナタさんとセシリアさんの実家だ。当主のハインズさんと話すのは初めてだけど、そこまで緊張はしていなかった。

 ワイルダー家に到着して馬車から降りれば、数日前のサイモン家と同じように出迎えてくれた。数人の使用人が待ち構えてくれていて、頭を深く下げてくれたくらいだ。

「ん、久しぶり」

 そして彼らの前にはナタさんもいて、いつも通りの無表情で迎えてくれた。

「こんにちはナタさん」

「ん。お父様とお姉ちゃんは応接間で待ってる。案内する」

「よろしくお願いします」

 踵を返して屋敷の方へ向かうナタさんの後を追う。ここにナタさんを置いて俺を案内するようにしてくれたのは当主のハインズさんの気遣いだと感じた。

 すぐに見えてきたのは、先日訪れたサイモン家よりも大きな屋敷。さっきは緊張しないと思ったけど、こうして挨拶するときが近づいてくると少し緊張してきたな。

「ナタさんは、最近どうですか?」

「普通。あなたの妻からちょっと大変なこと頼まれたり、あなたの義姉と一緒に仕事したり」

「そうですか、元気そうで何よりです」

 緊張を和らげるために話しかけてみると、いつも通りのナタさんが返答してくれた。人によっては彼女の対応が冷たいと感じるかもしれないけど、この人はいつもこんな感じだ。
 そういうところも含めて天才っていうやつなんだろうなって思っている。

「そういえば、当主就任おめでとう」

「ありがとうございます。ナタさんには色々お世話になりましたね」

「ん。あのろくでなしがなるよりはずっと良い」

 屋敷の入り口を開けて中へと入るナタさん。彼女の後に従って中に入れば、綺麗に清掃された内装が目に入る。普段から手が行き届いているようで、管理の良さが感じられた。

「これから大変かもしれないけど、頑張ってね」

「そうですね。分からないことも多いですけど支えてくれる人もいるし、頑張ります。
 ナタさんの力もお借りするかもしれませんので、その時はよろしくお願いします」

「む、人使いが荒いのはあなたの妻だけで十分。けど、お友達価格で引き受けてあげる」

「ははっ、ありがたいです」

 シア経由で出会ってから時間が経つので、ナタさんとは少し仲良くなれた気がする。最初は警戒されていたけど、こういった良い関係になれて本当に良かった。

「ただ、依頼するときはレティシア様と一緒に来てね」

「? なぜです?」

「念のため」

 よく分からないけど、ナタさんがそう言うならそうするとしよう。シアと予定を合わせるのはちょっと大変かもしれないけど、確かに何か依頼するなら彼女も連れて行った方が俺の気付かないところに気づいてくれると思うし。

「ついた、ここ」

 そう言ってナタさんはあっさりと応接間だと思われる部屋の扉を開く。白い扉が開いた先にはやや広めの空間があって、そこに一組の男女が座って待っていた。
 部屋に入ると彼らは立ち上がる。

「初めましてノヴァ・フォルス様、私はセシリアとナターシャの父、ハインズ・ワイルダーです。今日はワイルダー家までご足労頂き、ありがとうございます」

「こちらこそ、急な訪問で申し訳ありません。改めまして、ノヴァ・フォルスです……その、呼びやすい呼び方で構いません。ナタさん……いえナターシャさんとはすでに友じ……知り合いですし」

 娘であるセシリアさん、ナタさんの二人とは面識があるけど、その父であるハインズさんとは遠くから見たことはあったけど初対面だ。
 でもこの関係性でハインズさんにだけ畏まられるとこっちも困ってしまう。そういうわけで前回のサイモン家と同じように言ってみたけど、ナタさんの下りで小さく小突かれてしまった。

「友人でいい」

 どうやら知人呼ばわりが気に食わなかったらしい。苦笑いをして謝罪の意を伝えると、その様子を見ていたセシリアさんが声を上げた。

「こらナタ、失礼でしょ。すみませんノヴァさん、それとお久しぶりです」

「セシリアさんも、お久しぶりです」

 話に入って来てくれたセシリアさんにも挨拶をすると、ナタさんとセシリアさんを順に見たハインズさんはにっこりと笑顔になった。

「ふむ……それではノヴァ殿とお呼びしてもよろしいですか?」

「はい、こちらもハインズ殿でよろしいですか?」

「ハインズさん、でも構いませんよ。あるいはハインズお義――」

「お父様?」

「っ……おいおい、冗談だ。足を踏むな」

 ハインズさんは何かを言いかけていたけど、なぜかセシリアさんに制止されていた。よく分からないけど、彼がそれで良いって言うならハインズさんと呼ばせてもらおうかな。一人だけ殿呼びも変だし。

「さあ、立ち話もなんですから座りましょう」

 ハインズさんに言われて指し示された椅子に座る。高級な椅子らしく、座ると心地良く沈み込む感覚がした。
 席順は俺の正面にハインズさん、右隣りにナタさん、左隣にセシリアさんだ。今回この場を設けることを依頼したのは俺だけど、その時にセシリアさんも呼んで欲しいと頼んだ。どうしても言わなくてはならないことがあったから。

「本日は挨拶に伺いました。それと謝罪にも……我が兄、ゼロードが多大な迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした」

 ハインズさんとセシリアさんにしっかりと目を合わせて謝罪をする。

「私としては、その件に関しては先代のトラヴィス殿にも謝罪をして頂いています。ですがここで改めて受け入れましょう」

「ノヴァさん、大丈夫ですから頭を上げてください」

 暖かい言葉をかけられて頭を上げる。すると隣に座るナタさんが息を吐いた。

「そもそも、今回の件に関しては少なくとも私は良かったと思ってる。あのろくでなしと結婚してもお姉ちゃんは幸せになれないから。だから、ありがとう?」

「いや、ナタさんそれは……」

 言いたいことはなんとなく分かるけど、流石にお礼は違うんじゃないだろうか。チラリと見てみればセシリアさんも困ったように苦笑いしているし。
 すると様子を伺っているのか気づかれたのか、小さく笑ってセシリアさんは口を開いた。

「ナタが言うほどではありませんが、良い方向で考えるようにしています。もちろん残念ではありますが、きっと私では何をしてもあの人は止まらなかったと思うので……」

「…………」

 いくら政略結婚とはいえ婚約者は婚約者。そのゼロードがあんな事件を起こして、セシリアさんだって衝撃を受けたし傷ついたはずだ。それでもそこまで思いつめてはいないみたいで、本当に良かった。

「ふむ……」

 その一言は、やけに大きく聞こえた気がした。

「とはいうもののですね、ノヴァ殿。ゼロードの一件は貴族たちの間で広まっていて、セシリアはその婚約者。少なくとも数年は彼女に縁談話は出てこないでしょう」

「それは……本当にすみません」

「セシリアも年齢はノヴァ殿よりも上、親としては心配ではあります」

 言いたいことがなんとなく分かった。父上が言っていたことと同じ感じになりそうだ。

「お父様、やめてください。ノヴァさんを責めるのはお門違いです」

「同意、やめて」

 セシリアさんとナタさんも止めにかかるけど、ハインズさんは止まらなかった。

「一番丸いのはノヴァ殿がセシリアを側室に向かえることなのは言うまでもないでしょう?
 それにあなた様はナタとも仲が良い。どうせなら二人とも側室にしていただけないでしょうか?」

「お父様!!」

「待って、自分が何を言っているか分かっているの?」

「お前達は黙っていなさい。これは私とノヴァ殿の話だ」

 ハインズさんの言い分に怒るセシリアさんとナタさん。特にナタさんに関しては射殺せそうなほど冷たい視線を実の父に向けている。

 ハインズさんの言いたいことは分かるし、気持ちも分かる。だから俺は彼の瞳を正面からまっすぐに捉えて、そして。

「すみませんが、それは出来かねます」

 はっきりと、断った。

「私には、心から愛する人がいます。もしお二人を側室に迎えたとして、私はお二人を愛する人と同じくらい愛する自信がない。今心から愛している人と同じには決して扱えない。それはお二人に対して逆に失礼になります」

「……それでは、あなたは何もしないと?」

「いえ、今回の件については思うところも多く、セシリアさんは大切な友人であるナタさんのお姉さんでもあります。私は無理ですが、良いと思える人を紹介できればと考えています……今すぐは、無理ですが……」

 セシリアさんの事を考えて俺が出来ることはこれくらいしかない。けど俺はまだフォルス家の当主になったばかりで、南側の貴族は勿論の事、人との関わりがあんまりない。だから今すぐには無理だけど、もしも良い人がいればセシリアさんに紹介したい、とは思った。

 いずれにせよ、決めるのはセシリアさんだという意味を込めて、真正面からハインズさんを見つめ返した。

「…………」

「…………」

 互いに見つめ合ったまま無言。重々しい雰囲気にセシリアさんは緊張したように俺達を交互に見ているし、ナタさんはハインズさんをじっと睨みつけている。
 やはり、こんな考えじゃ受け入れてくれないか。そう思ったとき。

「なるほど、セシリアに良い人を紹介してくださると。これは嬉しいことを言ってくれる」

「……え?」

 急に笑顔になったハインズさんに、俺は間の抜けた声を出してしまった。目の前のハインズさんからはさっきまでの重々しい雰囲気は霧散していて、楽しそうに笑っている。
 楽し、そうに。

「えっと?」

 思わず聞いてみれば、ハインズさんはちょっとムカつくくらいのニッコリ笑顔で返してくれた。

「すみません、最初の話は冗談です。いくら私でも北の大貴族、アークゲートの当主を妻に持つノヴァ殿に無理に側室を迎えさせるような無謀なことはしません。命が惜しいので」

「……はぁ、試したんですね。心臓に悪いのでやめてください」

「本当にすみません。ですが断ってくださってよかった。もし受け入れられでもしたらどうしようかと……痛いっ!」

「お父様のっ! 馬鹿っ!」

「セシリア強い! あ、ちょっとナタ、その抓りも痛い!」

 セシリアさんに叩かれて、ナタさんに抓られるハインズさん。左右からの娘の攻撃に彼は困ったように微笑んでいた。その姿は普通の父親っていう感じで、でも受け入れていた時のもしもを話していた時の声はかなり低くて、正直ちょっと怖かった。

 やがて娘からの攻撃を甘んじてすべて受け入れたハインズさんは、表情を真顔に戻して俺に口を開いた。

「先ほどの非礼、重ねてお詫び申し上げます。加えて紹介して頂けるのは嬉しく思いますが、無理に紹介して頂かなくても構いません。もちろん良いと思って頂いた人が居れば紹介して頂きたいですが、親として、私はこの子には次はきちんと思い合って結ばれてほしいと思っていますから」

「ハインズさん……はい、分かりました。心から良いと思った人だけを紹介します」

 そう言うとハインズさんはにっこりと笑って軽く頭を下げた。
 さっきまで怒っていたセシリアさんもナタさんも良い雰囲気だし、一瞬どうなるかと思ったけど、丸く収まって本当に良かった。

 そう思っていると、頭を上げたハインズさんは再び口を開いた。

「ところでノヴァ殿? できれば全く男性の影のないナタだけでも――あ、痛いっ!」

「謝罪、ノヴァさん、この馬鹿お父様の言うことは無視して」

「痛いっ……結構本気……いや、私はお前の事を心配して――」

「余計な、お世話」

「は……ははっ」

 ナタさんに強くつねられるハインズさんを見ながら、俺は苦笑いをするしかなかった。

 この後、ワイルダー家の三人とは普通に色々な話をして、楽しい時間を過ごした。世間話もあれば真面目な話もある、そんな充実した一日だった。
 ちなみにナタさんにも良い人を将来紹介するべきかと思ったけど、「私は研究で忙しい、余計な、お世話」と強く言われてしまった。どうやらナタさん相手に男性の話はしない方が良いらしい。
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