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第2章 宿敵の家の当主を妻に貰ってから
第102話 事件の顛末
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夕暮れ時の執務室。専属侍女兼秘書のような立ち位置のターニャから手紙を受け取って、それに目を通した俺はポツリと呟いた。
「……ゼロードが捕まって……そしてすぐに次期当主の発表か」
差出人は父上で、そこには数日前の事件の後処理について書かれていた。
あの日の夜に別邸から逃亡していたゼロードは馬車を借りるために寄った街で怪しさから警備の人に呼び止められたところを逃亡するも捕縛。
またゼロードに当日変身していた魔法使いも逃亡中だったらしいけど、こっちも捕まったらしい。こっちは逃げたことすら知らなかったな……。
あと貴族達にも事情を聞いたらしいけど、ゼロードの偽物と会場で話していた貴族は、ただゼロードに当日話したい内容があると言われたからそれを話していただけらしい。
こっちは無関係って判断されたんだとか。
それにしても、ゼロードは満身創痍だったみたいで、あっけなく捕まったらしいけど。
「……覇気を使えるゼロードがそんな簡単に捕まるのかな?」
「猿の剣は旦那様が砕いたのですよね? 流石に剣無しでは厳しいのでは?」
別邸での事件については詳細にターニャに話してあるから、彼女は思いついたことを言ってくれた。確かにそれなら仕方がないのか。俺だって剣がなければ満足には戦えないと思うし、と納得した。
「逆に言えば旦那様が被害を最小限に抑えたという事ですね。もしも猿を弱体化?していなかったら警備の人も被害にあっていたかもしれません。流石です、旦那様」
「うーん、あんまり覚えてないくらい必死にやったことだからちょっと微妙だけど、まあ誰かが傷つくよりは全然良いよね」
苦笑いをターニャに返すものの、彼女は彼女でとても誇らし気な表情をしている。ふんすっ!という擬音が似合いそうな顔だ。
「それにしても、かなり早い次期当主の発表ですね。なるべく早くやった方が良いとは思いますが……」
「そうだね……ゼロードの一件で南側の貴族はフォルス家の事を不安に思っているだろうし……当日は混乱していたから仕方ないにせよ、次期当主の発表はすぐにやるべきだったからね」
「……旦那様の発表が悪い意味で注目されて、それを使って猿の悪い印象を少しでも流そうとしているのは気に食いませんがね」
ターニャの発言に苦笑いする。父上の考えがどうであれ、今のターニャが言った流れになることは間違いないだろう。
フォルス家の次期当主はゼロードが失脚した今、次男であるカイラスの兄上の筈。そう思うのが普通だし、実際に多くの貴族たちがそう思っているらしい。けど実際には違うわけで、多少の反発は出るのは予想できる。いや、多少で済めばいいけど。
今は貴族の中にフォルス家を心配する人もいるらしいけど、また別の意味で心配の種が蒔かれることになるわけだし。
「ちなみに会場はこの前と同じ別邸ですか?」
「ああ、うん、そうみたい」
ターニャに聞かれてすぐに返答した。場所は前回と同じだから、ゲートを使ってすぐに行けるのは楽でいい。
「今回はシアもオーロラちゃんを連れてくることはないだろうし、緊張はするけど、何事もなく終わればいいなぁ……」
「……あの、事件の当日に奥様はオーロラさんを連れて行っていましたが、全て読んでいたのでしょうか?」
「話を聞いてみたけど、ゼロードが魔力の抑制装置を入手した情報は持っていたんだって。だからもし万が一シアがそれで身動きが取れなくなっても、オーロラちゃんがフォローするつもりだったみたい」
「……奥様がそんな事態になることは想定できませんが、もしもの時のためにアークゲート家の中でも極めて才能のあるオーロラさんを連れていくあたり、油断も慢心もありませんね。流石は奥様です」
「ま、まあそうだね」
キラキラとした目線を向けるターニャに苦笑いする。なんていうか、以前からターニャはシアに対して敬意を払っていたけど、最近はその傾向がちょっと顕著になりつつある。ちなみに並行して俺に対する輝いた眼差しも増えているから、俺達夫婦に対してではあるんだけど。
長い付き合いのターニャからそういった感情を向けられるのは悪い気はしないけど、ちょっとこそばゆいな……。
「……オーロラちゃん、かぁ」
父上からの手紙にもう一度視線を落として、俺はふと考えた。
――なんでオーロラちゃんだったんだろう?
シアの言う、もしものための予防策。もちろんオーロラちゃんはアークゲートの中でもトップクラスの実力者だっていうのはシア達からはよく聞いているけど、彼女以上に相応しい人物だっていると思う。
例えばユティさんなんてその最たるものじゃないかな。俺がもしもシアの立場だったら、オーロラちゃんではなくてユティさんとかを連れていく気がするんだけど。
まあでも、オーロラちゃんにちょっと楽しませたいって言っていたから本当にそれだけなのかもしれない。シアはユティさんとはよく会っているみたいだけど、オーロラちゃんとはあんまり会話していなくて、それで今回一緒になりたかったとか。
そう考えると、妹の事をよく考えているお姉さんっていう感じで、少しだけほっこりした。
あとは、オーロラちゃんの方が防御魔法に秀でているらしいから、適材適所ってことかもしれないし。
「シアにも次期当主の発表式について伝えておこう」
引き出しから黒い縁の便箋を取り出して、シアに向けて文言を書き込む。次期当主の発表式の日時が決まったこととゼロードが捕まったことを書き記した。
便箋の右下に押印されたアークゲート家の家紋を二回押す。以前は三回だったけど、改良されてから二回で良くなった。
少し待つと、すぐに返信が俺の書いた文の下に書き込まれていく。この時間だし、シアもまだ仕事中なんだろう。いつも多忙そうだから、あまり無理はして欲しくないと思っているんだけど。
『かしこまりました。場所は前回行った場所と同じなので、当日はゲートで向かいましょう。
ノヴァさんの晴れ舞台? とても楽しみにしていますね』
シアからの返答はほぼ予想通りだった。晴れ舞台に「?」がついているのは、そう思うか微妙と判断しての事だろう。実際、晴れ舞台とまで言えるかはちょっと微妙なので大正解なんだけど。どっちかというと大きな一歩って感じだし。
そして返信の中にはゼロードに関するものは何一つなかった。きっとシアの中にはもうゼロードの存在なんてないんだろうな、って思った。
再び文字が書き込まれるので、それをじっと見つめる。文章が完成されるにつれて、自然と笑みが漏れた。
『今日は早くそちらへ戻れそうです。長い夜をノヴァさんと過ごせそうです』
ペンを持って、素早く返答。
『そっか、それは良かった。とっても嬉しいよ』
間髪を入れずに、シアからの返事が返ってくる。
『はい、私もすごく嬉しいです』
夕日が照らす執務室で俺は笑顔でシアとやり取りをした便箋を見つめる。背後からターニャの温かな視線を感じて、今日も良い一日だったな、なんてそんなことを思った。
「……ゼロードが捕まって……そしてすぐに次期当主の発表か」
差出人は父上で、そこには数日前の事件の後処理について書かれていた。
あの日の夜に別邸から逃亡していたゼロードは馬車を借りるために寄った街で怪しさから警備の人に呼び止められたところを逃亡するも捕縛。
またゼロードに当日変身していた魔法使いも逃亡中だったらしいけど、こっちも捕まったらしい。こっちは逃げたことすら知らなかったな……。
あと貴族達にも事情を聞いたらしいけど、ゼロードの偽物と会場で話していた貴族は、ただゼロードに当日話したい内容があると言われたからそれを話していただけらしい。
こっちは無関係って判断されたんだとか。
それにしても、ゼロードは満身創痍だったみたいで、あっけなく捕まったらしいけど。
「……覇気を使えるゼロードがそんな簡単に捕まるのかな?」
「猿の剣は旦那様が砕いたのですよね? 流石に剣無しでは厳しいのでは?」
別邸での事件については詳細にターニャに話してあるから、彼女は思いついたことを言ってくれた。確かにそれなら仕方がないのか。俺だって剣がなければ満足には戦えないと思うし、と納得した。
「逆に言えば旦那様が被害を最小限に抑えたという事ですね。もしも猿を弱体化?していなかったら警備の人も被害にあっていたかもしれません。流石です、旦那様」
「うーん、あんまり覚えてないくらい必死にやったことだからちょっと微妙だけど、まあ誰かが傷つくよりは全然良いよね」
苦笑いをターニャに返すものの、彼女は彼女でとても誇らし気な表情をしている。ふんすっ!という擬音が似合いそうな顔だ。
「それにしても、かなり早い次期当主の発表ですね。なるべく早くやった方が良いとは思いますが……」
「そうだね……ゼロードの一件で南側の貴族はフォルス家の事を不安に思っているだろうし……当日は混乱していたから仕方ないにせよ、次期当主の発表はすぐにやるべきだったからね」
「……旦那様の発表が悪い意味で注目されて、それを使って猿の悪い印象を少しでも流そうとしているのは気に食いませんがね」
ターニャの発言に苦笑いする。父上の考えがどうであれ、今のターニャが言った流れになることは間違いないだろう。
フォルス家の次期当主はゼロードが失脚した今、次男であるカイラスの兄上の筈。そう思うのが普通だし、実際に多くの貴族たちがそう思っているらしい。けど実際には違うわけで、多少の反発は出るのは予想できる。いや、多少で済めばいいけど。
今は貴族の中にフォルス家を心配する人もいるらしいけど、また別の意味で心配の種が蒔かれることになるわけだし。
「ちなみに会場はこの前と同じ別邸ですか?」
「ああ、うん、そうみたい」
ターニャに聞かれてすぐに返答した。場所は前回と同じだから、ゲートを使ってすぐに行けるのは楽でいい。
「今回はシアもオーロラちゃんを連れてくることはないだろうし、緊張はするけど、何事もなく終わればいいなぁ……」
「……あの、事件の当日に奥様はオーロラさんを連れて行っていましたが、全て読んでいたのでしょうか?」
「話を聞いてみたけど、ゼロードが魔力の抑制装置を入手した情報は持っていたんだって。だからもし万が一シアがそれで身動きが取れなくなっても、オーロラちゃんがフォローするつもりだったみたい」
「……奥様がそんな事態になることは想定できませんが、もしもの時のためにアークゲート家の中でも極めて才能のあるオーロラさんを連れていくあたり、油断も慢心もありませんね。流石は奥様です」
「ま、まあそうだね」
キラキラとした目線を向けるターニャに苦笑いする。なんていうか、以前からターニャはシアに対して敬意を払っていたけど、最近はその傾向がちょっと顕著になりつつある。ちなみに並行して俺に対する輝いた眼差しも増えているから、俺達夫婦に対してではあるんだけど。
長い付き合いのターニャからそういった感情を向けられるのは悪い気はしないけど、ちょっとこそばゆいな……。
「……オーロラちゃん、かぁ」
父上からの手紙にもう一度視線を落として、俺はふと考えた。
――なんでオーロラちゃんだったんだろう?
シアの言う、もしものための予防策。もちろんオーロラちゃんはアークゲートの中でもトップクラスの実力者だっていうのはシア達からはよく聞いているけど、彼女以上に相応しい人物だっていると思う。
例えばユティさんなんてその最たるものじゃないかな。俺がもしもシアの立場だったら、オーロラちゃんではなくてユティさんとかを連れていく気がするんだけど。
まあでも、オーロラちゃんにちょっと楽しませたいって言っていたから本当にそれだけなのかもしれない。シアはユティさんとはよく会っているみたいだけど、オーロラちゃんとはあんまり会話していなくて、それで今回一緒になりたかったとか。
そう考えると、妹の事をよく考えているお姉さんっていう感じで、少しだけほっこりした。
あとは、オーロラちゃんの方が防御魔法に秀でているらしいから、適材適所ってことかもしれないし。
「シアにも次期当主の発表式について伝えておこう」
引き出しから黒い縁の便箋を取り出して、シアに向けて文言を書き込む。次期当主の発表式の日時が決まったこととゼロードが捕まったことを書き記した。
便箋の右下に押印されたアークゲート家の家紋を二回押す。以前は三回だったけど、改良されてから二回で良くなった。
少し待つと、すぐに返信が俺の書いた文の下に書き込まれていく。この時間だし、シアもまだ仕事中なんだろう。いつも多忙そうだから、あまり無理はして欲しくないと思っているんだけど。
『かしこまりました。場所は前回行った場所と同じなので、当日はゲートで向かいましょう。
ノヴァさんの晴れ舞台? とても楽しみにしていますね』
シアからの返答はほぼ予想通りだった。晴れ舞台に「?」がついているのは、そう思うか微妙と判断しての事だろう。実際、晴れ舞台とまで言えるかはちょっと微妙なので大正解なんだけど。どっちかというと大きな一歩って感じだし。
そして返信の中にはゼロードに関するものは何一つなかった。きっとシアの中にはもうゼロードの存在なんてないんだろうな、って思った。
再び文字が書き込まれるので、それをじっと見つめる。文章が完成されるにつれて、自然と笑みが漏れた。
『今日は早くそちらへ戻れそうです。長い夜をノヴァさんと過ごせそうです』
ペンを持って、素早く返答。
『そっか、それは良かった。とっても嬉しいよ』
間髪を入れずに、シアからの返事が返ってくる。
『はい、私もすごく嬉しいです』
夕日が照らす執務室で俺は笑顔でシアとやり取りをした便箋を見つめる。背後からターニャの温かな視線を感じて、今日も良い一日だったな、なんてそんなことを思った。
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