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69.予想内?予想外?
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着替えが終わって部屋に戻るとルークの姿がなかった。
代わりにあったのはキッチンに大量の野菜や肉や魚。それにお酒まである。
(もしかして今日飲みたいのかな…?)
明日は予定が空いた為動けなくなっても問題はない。
だとすると今日少しくらい飲んでしまってもいいということだろうか。
「よし!なら料理を作ろ!ついでに明日食べれるものとか作り置きとか作ろうかな。」
大きめの独り言を言いながら手を動かしていく。
この時は予想もしていなかった。
予想位は出来たはずなのに。
◇◇◇
「ごめんなさい。鞄に入れて下さい。」
ルークが戻ってきたのはあれから1時間以上経ってからだ。正確な時間はわからないがそれくらいかそれ以上。
それで私のこの第一声はまた料理を作りすぎてしまったが故の事だった。
シャワーを浴びたのかルークは肩にタオルを掛けてまだ乾かない水滴が垂れそうな長い髪のまま私を見つめている。
その視線がキッチンの方へ伸びると柔らかく顔を綻ばせた。
「ああ、わかった。謝る事はない。ロティの料理は好きなんだ。沢山あると嬉しい。」
「良かった…さすがに作りすぎて怒られるかと思った…。」
「それはない。それより何も言わずに離れてすまなかった。」
「ううん、キッチンに物があったから平気だよ。お風呂に入ってたの?」
「…ああ、そうだな。」
何処か気不味そうなルークはぎこちない笑顔で私から目を逸らした。
私は首を傾げたがあまり問われたくなさそうなので追及はしなかった。
「ルーク、お酒も用意してくれたの?いつの間に?」
「ああ、それは鞄の中に入れてあったやつだな。エール、葡萄酒、蜂蜜酒、果実酒、蒸留酒。軽く見ただけだが同じ様なのならまだあった。2人で飲む分なら足りるに思うが、足りなかったらまた出すが。」
「とりあえずこれでいいと思うよ!飲み比べてもいいの?開けても腐らな…いか、また鞄に入れるなら?」
「そうだな。色々作ってくれたみたいだから食べつつゆっくり飲もうか。」
「うん。楽しみ!」
「…本当にな。」
笑顔の私に対し、ルークは少し困り顔で顔を赤くさせていた。何か困る事をしたかと思いルークに尋ねた。
「ルーク。大丈夫?のぼせた?」
「のぼせてない…。少し考え事をしただけだ。さ、席に行こうか。料理と酒は運ぶから。」
ルークはそう言うと素早く魔法でソファとその近くのテーブルに料理とお酒を運んだ。
「今日はそっちなの?テーブルと椅子のほうじゃないんだ。」
「飲みながらはゆっくりの方がいいと思ったんだが、椅子の方がいいか?」
「ううん、どっちでもいいよ。ソファの方がゆっくりは出来るもんね。」
「…ああ。」
先程からルークの表情がおかしい。
にやけていないのに顔が緩んでいるようにも見えるし、何か企んでいるようにも見える。
「ルーク…、本当に大丈」
「さ、冷める前に食べようか。」
私の手を引きルークはさっさと移動する。
気になったが、後でゆっくり聞くかと私も素直に移動した。
◇◇◇
「の…飲みにくい…。」
「んー…何故…。」
「ルークが私を掴んでいるからだと思うんだけど。」
「んー…ふふっ。」
今現在ルークに肩を抱かれ、ルークの方に寄り掛かるようにソファに座っている為なんとも飲みにくい。
ルークは酔っているのかいつもの雰囲気が崩れまくって緩やかな顔で笑ってる。
食事をしながらお酒を飲み比べているうちに先にルークが酔い始めた。
凄く優しい笑顔から段々とぽーとした顔になり、今じゃ何もしなくとも色気が溢れ出している。目を閉じている様だが、口元は緩んで私を掴む腕は離れない。
私はと言うとルークよりかは少し量が飲めないだけでほぼ同じ位は飲んだが全く酔ってないクリアな状態だ。
空になったカップを持ち、中身を見つめて思う。
(どうしてこうも酔わないものか…。これ普通のジュースだったり?いやいや、ルーク飲んで、現にこうして酔ってるもん、お酒だよね。こっちは水?)
透明な液体のお酒をなんとか注ぎ飲み込む。
味からして水ではないのをすぐに悟る。
「あ!これだ、私が最初に飲まされたの。そういえばこの味好きじゃなくて鼻つまんで飲んだんだっけ…。」
「ん…?蒸留酒…?」
「強いお酒かな?」
「んー。」
ルークが唸りながら目を開け、私のコップをひょいと取りそのまま飲んでしまった。まだ中身はある様だが、眉を顰める顔が赤いルークは私をじっと見つめてきた。
「これ、飲まされたの?酔わす気満々だったんだな、そいつ…腹立つ…。」
「そうなの?飲まされたのは全く同じかわからないけどこういう味だったね。甘い方が好きかな私。」
「俺も…。」
「ルんっ。」
唐突に口を塞がれ目を閉じる暇もなかった。ルークとのキスは同じお酒の味がして、好きじゃない味なのに熱いルークの舌のせいで感覚がおかしくなる。
熱くない私まで熱を貰ってしまいそう。
酔っているからなのか、顔や頭を掴まれていないからなのかわからないが、私から離れるとすんなりと距離がとれる。
「ルーク!甘い方が好きって言うのはお酒の話だからね!」
ルークが持っていたカップを落とさないで済んで良かったと思いつつ、そのカップを取り戻す。注いだ分は飲もうと一気に飲む。
やはりこの味は苦手だ。
ルークは少し呆けた様子で顔を赤くさせながら首を傾げて言う。
「ん、雰囲気の話かと思った…?ロティ。」
名前を呼ばれると共に頬と頭をホールドされた。そのまま近づいてくるルークは怖いくらいに艶やかだ。
「ん!?っっごくっ!っちょ、待って!」
「やだ。」
頭を捕まえる手は容赦なかった。そのまままた深いキスを繰り返される。ルークの手も唇も舌も吐息も火傷しそうな位熱い。
角度を変えて、深さを変えられ、苦しさが増すのに体はルークを拒否しない。
それどころかもっとと求めている様で怖い。
だが余りに長すぎるキスは酸素不足に陥ってしまう。
(このままじゃ…気絶するっ!)
少しだけ力を込めてルークに唇を押し返す。
驚いたルークが引くと頭と頬にあった手が緩まった為素早く後ろに仰け反った。
「はあー!」
慌てて酸素を体内に取り込む。
脳まで精一杯行き渡らせるようとすると呼吸が乱れた。
その様子をご満悦そうにルークは満面の笑みで見ている。
「可愛い…。息が乱れて…。そんなに誘わなくとも俺なら余裕で乗るのに…。」
「はぁっ、ルーク…。はぁ…。本当に苦しいから…。そのままずっとキスしてたら私気絶するからね!気をつけてね!死んじゃうよ!」
私は軽くルークを睨んだ。気を付けてもらわないと本当に酸素不足になる。
気絶して心配するのはきっとルークだろう。
なのにルークは不服そうな顔で頬を膨らませている。
最強魔術師と呼ばれているルークが実はこんな感じの人なんです、と言っても誰にも信じてはもらえないだろう。きっとスザンヌ位だ。
さっき仰け反った時に離れた手をまた私に伸ばしながら機嫌を損ねた声を出す。
「…それはダメ。ロティは俺と結婚するんだから…。キス位慣れて…。ずっとしてたいくらいなのに…。」
「ちょ!本当にストップ!」
「んぐっ。」
またルークの手に力が入っている。このままじゃキスされっぱなしになると急いでテーブルからサンドウィッチを取りルークの口を目掛けて突っ込んだ。
大きめの一口サイズをぺろりと食べたルーク。もぐもぐと口を動かす姿は可愛いが可愛いだけではこの酔っ払った猛禽類は済まないだろう。
詰まったら大変だと思い飲み物も渡す。
飲み物と言ってもお酒なのにそれをルークはすぐに飲み干した。
「ルーク、おしまいにしようか。もう顔が赤いし、ぽわぽわしてるよ?」
「…ロティ、お酒飲んだっけ。」
1番最初の一杯では乾杯までしたのに。
酔ってる人に言っても仕方がないので見せる事にした。
「最初から飲んでるよ。ほら、よいしょ。
…ね?飲んでるでしょ?」
私はコップに果実酒を入れて飲み干した。
果実酒は美味しくて好きだが、食べながら飲んでいる為お腹はそろそろいっぱいだ。
ルークは微妙にふらつきながら、眉間に皺を寄せて考えている様だ。
「酔ったら、少し位いい?」
「何が??」
ルークの手が首筋に伸びた。
またもキスされるのかと身構えたが違う様で、手が当たっていない首筋に頭を近づけてきた。
(首にキス…?ん!!?)
首に違和感を感じた。微妙に痛みがあるので気付く。
「ルーク!キスマークつけたでしょ!?あっ!!」
首筋から下に下がりつつ私に小さな痛みを与えていく。胸元まで近づき止める気がないルークに焦りを感じた。
「もう!そんなに酔ってるなら強制終了でも文句言わないんだよ!《回復》!あ!!しまっ、ぐぇっ。」
咄嗟にルークに回復魔法を掛けるとルークはそのまま眠ってしまった。
酔いのせいか疲れか眠気も十分ありまた眠らせる事に成功はしたのだが、問題が発生した。
ルークが覆い被さったまま回復魔法をかけてしまった為下敷きになってしまった。
体半分以上というより首から下はルークに埋もれている。
「…ぐうぅ。今度は酔いにくいやつか制限して飲んでもらおう…。」
この後脱出するのに20分程掛かり、幸せそうに眠るルークに風邪をひかないように布団を掛け、テーブルを軽く片付けたりしてから私は疲れた体を引き摺って1人ベッドに潜り込んだ。
今日も心臓を使い過ぎて寿命が縮まったのではないか、とベッドの中で蹲りながら顔に熱を篭らせて私はただ1人眠りにくい夜を過ごした。
❇︎ルークは食前に髪の毛を魔法で乾かした。
代わりにあったのはキッチンに大量の野菜や肉や魚。それにお酒まである。
(もしかして今日飲みたいのかな…?)
明日は予定が空いた為動けなくなっても問題はない。
だとすると今日少しくらい飲んでしまってもいいということだろうか。
「よし!なら料理を作ろ!ついでに明日食べれるものとか作り置きとか作ろうかな。」
大きめの独り言を言いながら手を動かしていく。
この時は予想もしていなかった。
予想位は出来たはずなのに。
◇◇◇
「ごめんなさい。鞄に入れて下さい。」
ルークが戻ってきたのはあれから1時間以上経ってからだ。正確な時間はわからないがそれくらいかそれ以上。
それで私のこの第一声はまた料理を作りすぎてしまったが故の事だった。
シャワーを浴びたのかルークは肩にタオルを掛けてまだ乾かない水滴が垂れそうな長い髪のまま私を見つめている。
その視線がキッチンの方へ伸びると柔らかく顔を綻ばせた。
「ああ、わかった。謝る事はない。ロティの料理は好きなんだ。沢山あると嬉しい。」
「良かった…さすがに作りすぎて怒られるかと思った…。」
「それはない。それより何も言わずに離れてすまなかった。」
「ううん、キッチンに物があったから平気だよ。お風呂に入ってたの?」
「…ああ、そうだな。」
何処か気不味そうなルークはぎこちない笑顔で私から目を逸らした。
私は首を傾げたがあまり問われたくなさそうなので追及はしなかった。
「ルーク、お酒も用意してくれたの?いつの間に?」
「ああ、それは鞄の中に入れてあったやつだな。エール、葡萄酒、蜂蜜酒、果実酒、蒸留酒。軽く見ただけだが同じ様なのならまだあった。2人で飲む分なら足りるに思うが、足りなかったらまた出すが。」
「とりあえずこれでいいと思うよ!飲み比べてもいいの?開けても腐らな…いか、また鞄に入れるなら?」
「そうだな。色々作ってくれたみたいだから食べつつゆっくり飲もうか。」
「うん。楽しみ!」
「…本当にな。」
笑顔の私に対し、ルークは少し困り顔で顔を赤くさせていた。何か困る事をしたかと思いルークに尋ねた。
「ルーク。大丈夫?のぼせた?」
「のぼせてない…。少し考え事をしただけだ。さ、席に行こうか。料理と酒は運ぶから。」
ルークはそう言うと素早く魔法でソファとその近くのテーブルに料理とお酒を運んだ。
「今日はそっちなの?テーブルと椅子のほうじゃないんだ。」
「飲みながらはゆっくりの方がいいと思ったんだが、椅子の方がいいか?」
「ううん、どっちでもいいよ。ソファの方がゆっくりは出来るもんね。」
「…ああ。」
先程からルークの表情がおかしい。
にやけていないのに顔が緩んでいるようにも見えるし、何か企んでいるようにも見える。
「ルーク…、本当に大丈」
「さ、冷める前に食べようか。」
私の手を引きルークはさっさと移動する。
気になったが、後でゆっくり聞くかと私も素直に移動した。
◇◇◇
「の…飲みにくい…。」
「んー…何故…。」
「ルークが私を掴んでいるからだと思うんだけど。」
「んー…ふふっ。」
今現在ルークに肩を抱かれ、ルークの方に寄り掛かるようにソファに座っている為なんとも飲みにくい。
ルークは酔っているのかいつもの雰囲気が崩れまくって緩やかな顔で笑ってる。
食事をしながらお酒を飲み比べているうちに先にルークが酔い始めた。
凄く優しい笑顔から段々とぽーとした顔になり、今じゃ何もしなくとも色気が溢れ出している。目を閉じている様だが、口元は緩んで私を掴む腕は離れない。
私はと言うとルークよりかは少し量が飲めないだけでほぼ同じ位は飲んだが全く酔ってないクリアな状態だ。
空になったカップを持ち、中身を見つめて思う。
(どうしてこうも酔わないものか…。これ普通のジュースだったり?いやいや、ルーク飲んで、現にこうして酔ってるもん、お酒だよね。こっちは水?)
透明な液体のお酒をなんとか注ぎ飲み込む。
味からして水ではないのをすぐに悟る。
「あ!これだ、私が最初に飲まされたの。そういえばこの味好きじゃなくて鼻つまんで飲んだんだっけ…。」
「ん…?蒸留酒…?」
「強いお酒かな?」
「んー。」
ルークが唸りながら目を開け、私のコップをひょいと取りそのまま飲んでしまった。まだ中身はある様だが、眉を顰める顔が赤いルークは私をじっと見つめてきた。
「これ、飲まされたの?酔わす気満々だったんだな、そいつ…腹立つ…。」
「そうなの?飲まされたのは全く同じかわからないけどこういう味だったね。甘い方が好きかな私。」
「俺も…。」
「ルんっ。」
唐突に口を塞がれ目を閉じる暇もなかった。ルークとのキスは同じお酒の味がして、好きじゃない味なのに熱いルークの舌のせいで感覚がおかしくなる。
熱くない私まで熱を貰ってしまいそう。
酔っているからなのか、顔や頭を掴まれていないからなのかわからないが、私から離れるとすんなりと距離がとれる。
「ルーク!甘い方が好きって言うのはお酒の話だからね!」
ルークが持っていたカップを落とさないで済んで良かったと思いつつ、そのカップを取り戻す。注いだ分は飲もうと一気に飲む。
やはりこの味は苦手だ。
ルークは少し呆けた様子で顔を赤くさせながら首を傾げて言う。
「ん、雰囲気の話かと思った…?ロティ。」
名前を呼ばれると共に頬と頭をホールドされた。そのまま近づいてくるルークは怖いくらいに艶やかだ。
「ん!?っっごくっ!っちょ、待って!」
「やだ。」
頭を捕まえる手は容赦なかった。そのまままた深いキスを繰り返される。ルークの手も唇も舌も吐息も火傷しそうな位熱い。
角度を変えて、深さを変えられ、苦しさが増すのに体はルークを拒否しない。
それどころかもっとと求めている様で怖い。
だが余りに長すぎるキスは酸素不足に陥ってしまう。
(このままじゃ…気絶するっ!)
少しだけ力を込めてルークに唇を押し返す。
驚いたルークが引くと頭と頬にあった手が緩まった為素早く後ろに仰け反った。
「はあー!」
慌てて酸素を体内に取り込む。
脳まで精一杯行き渡らせるようとすると呼吸が乱れた。
その様子をご満悦そうにルークは満面の笑みで見ている。
「可愛い…。息が乱れて…。そんなに誘わなくとも俺なら余裕で乗るのに…。」
「はぁっ、ルーク…。はぁ…。本当に苦しいから…。そのままずっとキスしてたら私気絶するからね!気をつけてね!死んじゃうよ!」
私は軽くルークを睨んだ。気を付けてもらわないと本当に酸素不足になる。
気絶して心配するのはきっとルークだろう。
なのにルークは不服そうな顔で頬を膨らませている。
最強魔術師と呼ばれているルークが実はこんな感じの人なんです、と言っても誰にも信じてはもらえないだろう。きっとスザンヌ位だ。
さっき仰け反った時に離れた手をまた私に伸ばしながら機嫌を損ねた声を出す。
「…それはダメ。ロティは俺と結婚するんだから…。キス位慣れて…。ずっとしてたいくらいなのに…。」
「ちょ!本当にストップ!」
「んぐっ。」
またルークの手に力が入っている。このままじゃキスされっぱなしになると急いでテーブルからサンドウィッチを取りルークの口を目掛けて突っ込んだ。
大きめの一口サイズをぺろりと食べたルーク。もぐもぐと口を動かす姿は可愛いが可愛いだけではこの酔っ払った猛禽類は済まないだろう。
詰まったら大変だと思い飲み物も渡す。
飲み物と言ってもお酒なのにそれをルークはすぐに飲み干した。
「ルーク、おしまいにしようか。もう顔が赤いし、ぽわぽわしてるよ?」
「…ロティ、お酒飲んだっけ。」
1番最初の一杯では乾杯までしたのに。
酔ってる人に言っても仕方がないので見せる事にした。
「最初から飲んでるよ。ほら、よいしょ。
…ね?飲んでるでしょ?」
私はコップに果実酒を入れて飲み干した。
果実酒は美味しくて好きだが、食べながら飲んでいる為お腹はそろそろいっぱいだ。
ルークは微妙にふらつきながら、眉間に皺を寄せて考えている様だ。
「酔ったら、少し位いい?」
「何が??」
ルークの手が首筋に伸びた。
またもキスされるのかと身構えたが違う様で、手が当たっていない首筋に頭を近づけてきた。
(首にキス…?ん!!?)
首に違和感を感じた。微妙に痛みがあるので気付く。
「ルーク!キスマークつけたでしょ!?あっ!!」
首筋から下に下がりつつ私に小さな痛みを与えていく。胸元まで近づき止める気がないルークに焦りを感じた。
「もう!そんなに酔ってるなら強制終了でも文句言わないんだよ!《回復》!あ!!しまっ、ぐぇっ。」
咄嗟にルークに回復魔法を掛けるとルークはそのまま眠ってしまった。
酔いのせいか疲れか眠気も十分ありまた眠らせる事に成功はしたのだが、問題が発生した。
ルークが覆い被さったまま回復魔法をかけてしまった為下敷きになってしまった。
体半分以上というより首から下はルークに埋もれている。
「…ぐうぅ。今度は酔いにくいやつか制限して飲んでもらおう…。」
この後脱出するのに20分程掛かり、幸せそうに眠るルークに風邪をひかないように布団を掛け、テーブルを軽く片付けたりしてから私は疲れた体を引き摺って1人ベッドに潜り込んだ。
今日も心臓を使い過ぎて寿命が縮まったのではないか、とベッドの中で蹲りながら顔に熱を篭らせて私はただ1人眠りにくい夜を過ごした。
❇︎ルークは食前に髪の毛を魔法で乾かした。
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