チートなタブレットを持って快適異世界生活

ちびすけ

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主ってすごいよね! (ハーネ視点)

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 気持ちのいい風が吹く青い空を飛びながら、ハーネはいつものように異常はないか『暁』の周辺をパトロールしてた。

 ここ最近、主が冒険者としてSランクに上がったんだ~。
 人間にとってSランク冒険者になるのはとても凄いことなんだって、フェリスに教えてもらったの。
 だから、《ハーネの主、すごいんだからっ!》と家の周りにいるお喋り友達の犬や猫、小鳥に自慢しちゃった!

 主とクルゥが同時に試験に合格したと分かった時、なぜか合格した本人達よりもフェリスが一番喜んでた。

 そして「祝い酒よー!」と言ってお酒を飲み続けて、一番先に酔いつぶれて主に介抱されてたけど。
 まぁ、それほど主がSランク冒険者になって嬉しかったってことだよね!
 うんうん、その気持ちはすごく分かる。

 空を飛びながらウンウンと頷いていると、ふと、家の方から美味しそうな匂いが流れて来るのに気付く。

 体内時計によれば、そろそろお昼ご飯の時間である。
 今日は一日お休みの日だと主が言っていたから、ちょうど今、主がお昼ご飯を家で作っているんだと思う。

《主~、お腹空いたぁ~》

 主がいる場所にハーネは一目散に飛んでった。
 スルッと窓から家の中に入って主がいるところに向かうと、台所に主が立ってごはんを作ってるところだった。

《主~!》
「あ、ハーネおかえり」

 主の手元や周りを見ていると、もうある程度のものは作り終えているようだった。

《もう食べれる~?》
「今日は皆ダンジョンに行くって言ってたから、お弁当を作ってたところなんだ。皆の分を詰め終えて渡したら、直ぐにハーネ達のお弁当も作るから少し待っててね」
《はぁ~い》

 主は慣れた手つきでお弁当箱に作った食べ物を入れると、蓋をして布に包んで皆の元に手渡しに行った。
 しばらくして戻って来た主は、「お待たせー」と言いながらハーネ専用のお弁当箱に、作ったものを詰めていく。
 興味津々で主の手元を見ていると、主は『ラップ』と言うものを使ってお米を包んで形を作ったと思ったら、ハサミを使って『海苔』『ハム』『チーズ』『枝豆』などをチョキチョキ切って、不思議な型にしたごはんに切ったものを張り付けてた。
 途中で主が「出来上がるまで見ちゃダメ」って言うから、台所の中をぐるぐる回りながら楽しみに待ってみる。

《えー、なにが出来るのかなぁ~?》
「出来てからのお楽しみだよ~」

 主がお皿にある食べ物をお弁当箱の中に詰めていき、「はい、出来たよ!」と言う。
 ワクワクしながら主の肩に顎を乗せてお弁当箱を見れば――

《ハーネがいる!》

 そう、お弁当箱の中にハーネの形をした食べ物があった!
 嬉しくて尻尾が左右にフリフリ動く。

「これはキャラ弁って言うんだよ。いつものおにぎり部分をハーネの形にしてみたんだけど……うん、我ながら結構可愛く出来たと思うな」
《うん、かわいい!》

 いつものお弁当箱に、ハーネの形をしたおにぎりみたいなもがの入ってて、その周りにお花の形をしたゆで卵と丸められたパスタがあって、まるでお花畑にハーネがいるみたいだった。
 ハーネの他にも、ライやイーちゃんの『キャラ弁』もある。
 レーヌとエクエス達は、キャラ弁よりも果物をお花の形に切ったものの方が喜ぶんだって。
 主からお弁当を受け取り、ルンルン気分で外に出る。
 見晴らしのいい場所に行って、口に咥えていたお弁当を紙面に置き、蓋を開ける。

《おいしそう! いただきまーす!》

 ハーネの頭からガブリと齧りつく。

《ごちそうさまでしたぁー!》

 三口で食べ終えちゃった。
 口の周りをペロペロしながら、主が作った食べ物はすごいと思う。
 普通魔獣は大量の食事をしなきゃお腹が満腹にならない。
 でも、主のごはんを食べると、ちょっとの量なのにすごくお腹がいっぱいになるんだよね~。
 それはライも同じことを言ってた。

 やっぱりハーネの主はすごいんだと再確認する。

《ふわぁぁっ。眠くなってきちゃった》

 お天気がよくてポカポカするし、お腹もいっぱいになって欠伸が出てくるな~。

《今日のばんごはんはなにかなぁ~》

 そんなことを思いながら、ハーネは目を閉じてお昼寝をすることにした。
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