ペンギン仕掛けの目覚まし時計2

織風 羊

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第八章

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8 

 私は次の日から有給休暇を取りまくって、いろんな所へ旅に出た。
それは先日、日記帳を見て、涙を流しながら日記帳を見て、やるべき事を見つけたからだ。
其処には美咲と語り合った楽しい日々があった、未来を語り合った楽しい日々があった。
お金を貯めて、遠くなくてもいい、いろんなところへプチ旅行に行くんだ、って。
私は、今日は、今、海辺の街を歩いている。
美咲の心をおんぶして。
私は、美咲の心に語り掛ける。

「もうすぐ海だよ」

 海辺に着くと、私はスマホで写真を撮りまくる。
隣で美咲が潮風に吹かれて乱れた髪を直そうとしている。
美咲の笑顔は誰よりも可愛い。

 そして、プチ旅行から帰った次の日、個室部屋の美咲に、スマホの写真を見せる。
いっぱい説明を加えて。

「あなた、ありがとう。嬉しいわ」

「うん」

「こんなところがあったんだ、私、この景色をあなたと一緒に見てたのね」

「そうだよ、うん」

「ありがとう」

「まだまだ行く所があるんだ、何処へ行きたいか全部日記にまとめてたんだ」

「ありがとう、連れて行ってくれるのね」

「いつも一緒だよ」

 私たちの会話はいつも二人で行った旅行の話になった。

 そうやって病室でのお見舞いを済ますと、私はぺペンギンさんをリュックに入れてマンションに帰る。
そして部屋では、次の日の仕事の用意などせずに、新たな旅行の準備をしていると、

「なぁお前、一人旅、ちょっと休んだほうがええんちゃう」

 とぺペンギンさんが話し掛けてきた。
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