if TheWorld (もしもの世界)

もしもの世界

「なぁ、杉」
「なに？」
とある場所に向かうため、電車の中でいつものメンバーと一緒に電車に乗って向かっている時にいカリアがスマホをいじりながら話しかけてくる。
「お前の推しについてだが…」
「いきなりなんだよ」
「いやな、お前って迷信とか信じてるだろ？
だからお前も信じてんのかなって思ってな」
「何を、信じて‥‥」
そう言うとカリアはスマホの電源を消し窓の方を見ながら言った。
「IF（イフ）の世界」
「IF 、もしも…もしもの世界か。
俺は信じている」
「その理由は？」
その問いに俺は外を見ながらつぶやくように言った。
「この世界には絶対という言葉はない、それもあるがこの世界はたくさんのもしもがある。
例えば俺がこの世界に産まれなかった世界、‥‥あの人に出会わなかった世界。
数えきれない程に」
「それで、根本的な理由は」
「焦るな、今話す。
この世界がたくさんのIF で出来ているということはだ、俺はこう考えている。
この世界は1本の木でできていると。そして成樹のように枝が数えられないほどのIF 、その１つの中に俺たちは今ここに立っている。
そして理由だが…」
「理由は…」
カリアがごくりと喉を鳴らす。
「俺がそういったミステリーとかオカルト、そういった類が好きだから！」
っと手を横腹あたりに置き胸を張りながら言った。
「なんじゃあ！そりゃ！」
「おいバカ声でけえって」
「お前ら何騒いでんだよ」
横に座ってイヤホンで音楽を聴きながら本を読んでいた兄貴がカリアに言うのだった。