能力が基本となった世界4

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数ヶ月後

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数ヶ月・・・・・
数ヶ月、私はそこに立っていた。花束と、彼がよく吸っていたタバコを持って
「今日はいい天気ね」 
近くにある大きな桜の木が揺れるのを見ながら言う。
「あれからね?社会は少しずつだけど良くなって来てるの。
能力主義の世界じゃなくなりつつある。ほんとにすこしづつだけどね」
ロウソクをつけ、線香をつけ、石でできたコップに水を入れる。
「ねぇ勝、私ね?頑張ったよ。貴方がパノプティコンもどき言った建物を無くして、中にいた人達も解放して、ネット活動もやめて組織に入ってみんなを支えるって言ったらさ、批判もあったけどほとんどのみんなは応援してくれて私のファンの何人かは力になりたいって星野になにか仕事をって言うほどね。
私ね、あれから泣いてないの。あの人たちの前で泣くこともできなくて、かと言ってネット活動、家でも泣くことは出来なかった。
でもね、ここには貴方しか、貴方達しか居ない。
だからさ、少し泣いていい?」
私がそう言うと優しい風が吹いて風のせいか、正面から抱きしめられる感覚があって、なんでか優しい感じがして安心できて、なのにどこか悲しい感じがした。
そして、溢れる程涙が溢れてきた。
その感覚はずっとずっと続いていて、私が泣き止むまで続いていた。
「また来るね、勝」
そう言って私はその場所を後にするのだった。
この世界をより良いものにするために…
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