能力が基本となった世界4

楓恋の覚悟

俺は屋上で楓恋に全て話した。
空城の事、母親の死因、そしてカイリの事、敵の目的全て。
それを聞いた楓恋は怒ったり泣いたりするよりも屋上の手すりにもたれ掛かり夜景を見た。
「お母さんが死ぬまでに私と2人の映像が沢山記録してあった。成長過程を記録して大人になったら一緒に見ようねって…でもその願いは叶わなかった。
私は小さくてお母さんの全てを覚えてる訳ではないけど、優しくて、綺麗でみんなから愛されてたのを今でも覚えてる。
そんなお母さんを殺したやつを殺したいと思った。
でもどうしてかな。あなた達と出会って、色んな話をしてるとそんな事どうでもいいと思ってしまう時がある。
それでも、復讐を望んでしまう。
これっておかしいのかな」
っと自分の手元を見ながら言う。
「それは誰にも分からない。
だが俺も復讐を望んでた者としては俺と同じだ。俺も復讐なんてどうでもいいと思っていたが、心の底でもう1人の俺がそれを拒んだ。
それからするとおかしくなんかない」
そう言いながら俯く楓恋の肩に手を置く。
「全てを知った上で聞く。お前は俺たちと共に来るか？命の保証はない。必ずしもお前を守れるとは言えない。それでも来るか？」
そう言うと楓恋は
「私は復讐を違ったあの日からそのためなら命なんて捨てるつもりだった。そして私が殺らなくても勝やアイリ達の誰かがトドメをさす。
だけど1回決めた事は曲げたくない。
復讐もあるけど私はもう二度と私のような人を、小さな子供の親を殺されないようにするために。そんな人を減らすためにあいつを殺す。
復讐のためじゃない。私はこの世界のために…あんたがアリメールだっけ？そこを変えたように私もそうしたい。
だから私も連れて行って」
「最後に1つ、くどいようだがそのために命を落としても」
「後悔はない」
躊躇なくそう言う楓恋に俺は微笑むように
「なら、文句はない。行くぞ」
そして俺達は向かうのだった。その場所へと…