【実話】私は人生を諦めた〜教育委員会の対応〜

みゆき

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あと少しで夏休み、耐え抜け

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安田教諭から私への指導はエスカレートしていった。毎日、私が準備室で授業準備をしている時に彼が暇だと、私は1時間以上も立ちっぱなしで説教や罵倒をされる。そんな日々が続いた。

私も負けてはいられない。最初はそんな気持ちで文句の言えない仕事をしようと思って行動していた。しかし、教育実習以外は何の経験もない素人だ。右も左も分からず、頼れる存在はいない。

「次の授業の内容ですが…」

三田教諭に話しかける。教科主任なので、勿論、責任を持って説明をしてくれると信じていた。

「安田教諭に聞いて下さい。そのやり方に合わせているからね」

年上の安田教諭には頭が上がらない立場らしい。そして、安田教諭に授業の事を質問していく。

「次の授業の指導案ですが、確認してください」

安田教諭は指導案に目を通す。

「ふーん。で、君は○○については知っているのか?」

全く授業に関連のない話を持ってくる。そして、それについて知らないと答えると罵倒される。そんなやり取りを続ける毎日だった。勿論、授業が終われば、再び長時間拘束の説教・罵倒が待っていた。許可された指導案通りの授業展開をしても、だ。

辛い毎日だった。長時間の罵倒は本当に精神が病むもので、夏を迎える前に私は精神が衰弱していた。当時こそ気付かなかったものの、既に心療内科で診察を受けるべき症状も出ていた。

不眠による寝不足。不安による辛い毎日。夜は眠れず。そして、眠れないまま仕事をする事も珍しくなかった。

しかし、私にも救いがあった。それは夏休みだ。非常勤講師は受け持ちの授業がなければ、その日は休日になる。つまり、非常勤講師も夏休みに入ると言う事になる。

そして、夏休みを迎えるために、衰弱したまま必死で仕事をしていると事件は起きた。

2学期の授業に関しての教科会議が開催された。出席者は少人数。三田教諭、安田教諭、私、そして、一コマだけサポートをしてくれている山本教諭だ。

会議の進行は安田教諭が行う。基本的には去年と同じ流れで内容も同じにしていく。と説明をしていく。

「すみません。去年が分からないので質問をしたいのですが」

区切りの良い時に私は質問をしようとした。

「だまっとけ!」

会議の中で急に怒鳴り出した安田教諭。私は意味が分からなかった。

「黙って聞いているだけでいい!発言するな!」

そして私は、会議の中で発言権を失った。つまり、分からない事を聞く事ができない。それは会議の場であっても、普段でも。

結局、私は何も分からないまま、「去年通り」と言う授業を2学期に行う事だけ理解して会議は終わった。

その後も私は、授業の内容・進行速度等を知らされないまま、とにかく過去の資料をひたすら目を通しながら仕事をしていった。寝る時間もない。

授業でサポート役と言えば、楽とイメージされがちではあるが、知らされていない授業内容をメモしていく事に加えて生徒をサポートしていく。

そうして、時間だけが過ぎ去っていく。
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