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逃げるが勝ち…?走れ
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シャッターが降りた。それでもユウトさんは建物から脱出を急かす。
「全力で走れ!死にたくないなら!」
必死に叫ぶユウトさんに合わせて僕も全力を出す。
後ろから大きな音が聞こえた。それは恐らくシャッターを破った音だろう。
倉庫を出て、駐車場に停まっているトラックの影に身を潜める。
「なんで戦わないんですか!?」
「お前、まだそんな事言ってるんか!鉄パイプで歯が立たへん相手やぞ!?」
「それでも、そのマシンガンがあれば…!」
「落ち着け…!俺がマシンガンを当てても効いてないから追われてるんやろ!?」
小声でありながらも、強い口調でお互いを主張し合う。そうしている間に、敵は倉庫から姿を表して標的を探している。
「ええか、バレたら終わりや…俺がマシンガンで応戦する。その間に逃げろ」
「上手く立ち回れば二人で倒せるかもですよ!?」
「何回言わせるん?その鉄パイプだけでどうやってお前は戦うんや?」
「そ、それは…隙を見て今度こそ仕留めます!」
「無理や。殴って分かったやろ?俺らが知ってる鉄とかより遥かに丈夫なんや…」
僕は反論できなかった。確かに全力で叩き込んだ一撃だった。それでも全く壊れる気配はなかった。こちらの手が痛いだけ。
「…やるしかないじゃないですか。敵前逃亡よりはマシな結果になるんじゃないですか?」
「生きてたら次がある。これは逃げるんちゃうやろ?態勢を立て直すんや」
遠くで爆発音が聞こえる。陰から周辺を確認すると、広い駐車場の中に停まっていた車が燃えていた。
「あかん、これ…停まってる車を全部壊す気や…」
敵は倉庫にあった物だろう。ロケットランチャーを構えていた。そして、次の車を爆破させる。
「このトラックも時間の問題や。次にあいつが打ったら走るで。弾の再装填の僅かな時間、それが勝負や」
こうなるならば、僕も倉庫から武器を持ち出すべきだった。そうすれば戦えたのに。いや、物音で気付かれて終わっていたかもしれないか…
後悔はしても時は戻らない。いつでも走り出せる姿勢で次の発射を待つ。
「あっちの方向に走れ。建物の裏手に回りながら。とにかく止まるなよ」
「行け!」
発射音と共にユウトさんの掛け声。僕は全力で言われた方向に走る。
「後ろを振り向くなよ!」
後ろを走るユウトさんの指示を守り、とにかく見えている建物の裏手を目指す。
爆発音、そして爆風が僕達を襲った。さっきまで隠れていたトラックが次の攻撃を防いでくれた。しかし、次はないだろう。
背後からマシンガンの音が聞こえる。ユウトさんが応戦しながら走る。
僕は目標の建物の裏手に到着した。そこで言いつけを破り、ユウトさんを確認する。
「もう少しですよ!早く!」
「アホ!走れ言うたやろ!行け!」
敵はロケットランチャーを捨てて次の武器を構えていた。あれは何て銃だろうか…
パンッと大きな音。そして倒れ込むユウトさん。太腿から出血が見える。
立ち上がり足を引きずりながら、こちらを目指すユウトさん。助けに行かないと。
「走れ!」
僕は逃げる事も助けに行く事もできなかった。突っ立っているだけ。足が動かない。
ユウトさんの後ろには、狙撃銃を構えた奴がいた。
「全力で走れ!死にたくないなら!」
必死に叫ぶユウトさんに合わせて僕も全力を出す。
後ろから大きな音が聞こえた。それは恐らくシャッターを破った音だろう。
倉庫を出て、駐車場に停まっているトラックの影に身を潜める。
「なんで戦わないんですか!?」
「お前、まだそんな事言ってるんか!鉄パイプで歯が立たへん相手やぞ!?」
「それでも、そのマシンガンがあれば…!」
「落ち着け…!俺がマシンガンを当てても効いてないから追われてるんやろ!?」
小声でありながらも、強い口調でお互いを主張し合う。そうしている間に、敵は倉庫から姿を表して標的を探している。
「ええか、バレたら終わりや…俺がマシンガンで応戦する。その間に逃げろ」
「上手く立ち回れば二人で倒せるかもですよ!?」
「何回言わせるん?その鉄パイプだけでどうやってお前は戦うんや?」
「そ、それは…隙を見て今度こそ仕留めます!」
「無理や。殴って分かったやろ?俺らが知ってる鉄とかより遥かに丈夫なんや…」
僕は反論できなかった。確かに全力で叩き込んだ一撃だった。それでも全く壊れる気配はなかった。こちらの手が痛いだけ。
「…やるしかないじゃないですか。敵前逃亡よりはマシな結果になるんじゃないですか?」
「生きてたら次がある。これは逃げるんちゃうやろ?態勢を立て直すんや」
遠くで爆発音が聞こえる。陰から周辺を確認すると、広い駐車場の中に停まっていた車が燃えていた。
「あかん、これ…停まってる車を全部壊す気や…」
敵は倉庫にあった物だろう。ロケットランチャーを構えていた。そして、次の車を爆破させる。
「このトラックも時間の問題や。次にあいつが打ったら走るで。弾の再装填の僅かな時間、それが勝負や」
こうなるならば、僕も倉庫から武器を持ち出すべきだった。そうすれば戦えたのに。いや、物音で気付かれて終わっていたかもしれないか…
後悔はしても時は戻らない。いつでも走り出せる姿勢で次の発射を待つ。
「あっちの方向に走れ。建物の裏手に回りながら。とにかく止まるなよ」
「行け!」
発射音と共にユウトさんの掛け声。僕は全力で言われた方向に走る。
「後ろを振り向くなよ!」
後ろを走るユウトさんの指示を守り、とにかく見えている建物の裏手を目指す。
爆発音、そして爆風が僕達を襲った。さっきまで隠れていたトラックが次の攻撃を防いでくれた。しかし、次はないだろう。
背後からマシンガンの音が聞こえる。ユウトさんが応戦しながら走る。
僕は目標の建物の裏手に到着した。そこで言いつけを破り、ユウトさんを確認する。
「もう少しですよ!早く!」
「アホ!走れ言うたやろ!行け!」
敵はロケットランチャーを捨てて次の武器を構えていた。あれは何て銃だろうか…
パンッと大きな音。そして倒れ込むユウトさん。太腿から出血が見える。
立ち上がり足を引きずりながら、こちらを目指すユウトさん。助けに行かないと。
「走れ!」
僕は逃げる事も助けに行く事もできなかった。突っ立っているだけ。足が動かない。
ユウトさんの後ろには、狙撃銃を構えた奴がいた。
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