目が覚めたらそこは未来

みゆき

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ランクアップ、生活水準が上がる

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毎日毎日、トレーニング。そして鞭。

どれだけそんな日々を過ごしただろうか。

ユウトさんは部屋を移動させられ、僕は一人で過ごしていた。

もう一ヶ月くらいになるのだろうか。体はすっかりトレーニングに慣れるだけの筋肉もついていた。相変わらず、傷は痛むが。

そんなある日、松下はいつもと違う時間に部屋の扉を開けた。

「21番!今日は嬉しいお知らせだぞ!」

松下の嬉しいニュースは僕にとっては悪い事だろう。

松下と部下に挟まれて、施設の上の階へ行く。

松下によると、ここは地下都市。どこまで行っても地下は地下らしい。

通路を進む。前にいた階よりも随分と綺麗に手入れされている。

「おーし、ここだここだ!」

ドアを開けると、そこには見知らぬ人達がいた。

みんな男。年齢層はバラバラだ。その中には見知った顔があった。ユウトだ。

「これからは、ここが君の部屋だ!大部屋ってやつだな!」

僕を入れると六人。漫画とかで知っている。タコ部屋って言うんじゃないか?

「今までの厳しいトレーニングによく耐えたな!君は最底辺からランクアップだ!」

部屋にいる五人に見守られながら、僕は松下の話を聞く。

「ここは実績を残した人間ほど、優遇された生活が待っている。21も頑張ったら個室だって用意されるぞ!勿論、お布団付きだ!」

一瞬、独房が頭をよぎったが、布団と聞いて憧れを抱く。ずっと硬い床で寝ていたから。

「ちょうど昼食の時間だな!飯でも食いながら挨拶しろー!」

松下はそう言って、部屋を出る。

「西山アキラ、No.21です!16歳です!よろしくお願いします!」

気が付けば、内気だった僕も松下に影響されたのか、体育会系のような感じになっている。

「No.31です。年齢はいくつだったかな。ハハッ」

31はおじさんだった。中年で痩せ型。よくトレーニングに耐えられたものだと思わせる体型だ。

「No.12。20歳だ」

無口なのだろうか。口数が少なそうな挨拶。そこからくる威圧感。

「No.41です。13歳です。」

まさか自分より若い年齢がいるとは思わなかった。まだまだ幼い顔立ちをしている。

「No.26でーす!18歳!よろしくね?」

チャラ男だ。喋り方から長髪の見た目。全てがチャラい。

「No.32。久しぶりやの!」

久しぶりに会えたユウトさん。無事で良かった。

こうしてみんな自己紹介を終えて、壁から昼食が出てくる。

僕が取りに行こうとすると

「まだや、お前は最後に取らなあかん」

ユウトさんが制止した。どうやら、順番があるらしい。

やっと僕の番になる。

パンにスープ。そしてサラダ。味も以前と比べると濃いと思えるくらいだ。

しかし、No.31さんのメニューを見ると、そこには肉があった。

どうやら、メニューはそれぞれ違うらしく、実績を残せばそれだけ良い暮らしがあるのは間違いないらしい。
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