目が覚めたらそこは未来

みゆき

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筋トレに勉強、そして鞭

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どれくらいの時間が経っただろうか。ずっとトレーニングと話をされている。そして、動きが止まると鞭が飛ぶ。爽やかスマイルと共に。

「スクワットは大事だよなー!足の筋肉がつくぞー?」

もう体は限界を超えていた。全身に力が入らず、震える。

「おいおいー、No.21はこの程度じゃないだろー。若さを見せてくれよ!」

何度も鞭で叩かれる。しかし、倒れた体に力は入らない。もう背中には血が滲むほどの傷ができている。

「ったく。近頃の若い奴は…残念だぞ」

鞭を打つ手を止めた松下はしゅんとした表情になった。

「今日のトレーニングはこれくらいにしようか」

ホッとした。もう叩かれる事はない。やっと休める…

「最後に復習しようか!たくさんお話を聞かせてあげたよね!?」

まさか、筋トレしている間に話された事が勉強だったとは…

正直、しっかりと覚えてはいない。また鞭で叩かれるのか。

「じゃあ、復習問題を出すよー?」

嬉しそうな表情を浮かべる松下は、部下から竹刀を受け取った。

まじか。鞭の次は竹刀で殴られるのか。なんとしても正解しなければ…

「この時代、ヤマト国の敵はどこの国だっけなあ?」

一つ目の質問がやってくる。

確か、これは覚えている。大丈夫…

「新生アメリカ帝国です」

お尻に激痛が走る。どうやら、間違えだったようだ。

「新生アメリカ帝国も敵国の一つ。中華連邦やユーラシア連合もだよね!」

そうだった。敵国は複数だった。完璧な回答をしないとダメなのか。

「では、どうしてNo.21は頑張ってトレーニングをしているのかな?」

「ヤマト国を救うためです。敵国と戦っていくための兵士になるためです」

「そうだな!さすが若いだけあるな、記憶力が良い!君は賢いな!」

倒れたままの姿勢で必死に頭を回転させる。

「敵国はどんな悪い事をしているのかな?」

「最新科学技術を独占しているからです」

竹刀で鞭の傷を撫でられる。とても痛い。

「少し足りないな。独占される事によって、我々は苦しい生活を送る事になっている。彼等の豊かな生活のために、我々は苦しんでいる!」

「はい。すみませんでした…」

「では、我々の最終目標は!?」

「敵国の技術を奪い、豊かな生活を共有する、です」

「そうだ!よくできたな!偉いぞ」

「ありがとうございます」

「今日は休んでよし!」

松下の部下に引き摺られて部屋に戻る。ユウトは横になって休んでいたようだ。そして一言。

「お疲れさん」

「お疲れ様です…」

そして僕も横になる。いや、立ち上がる力が残っていないので、倒れる。
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