上 下
15 / 16

第15話 義妹と俺と料理教室のマダム

しおりを挟む
 自宅の晩酌は適当だ。

 濃いめのハイボールに缶詰を用意。

 そして、アル中のおっさんが、カラカラ音を鳴らしているYoutubeを見ながら飲む。



 1人ボッチの家で、俺は掛けていないメガネをクイッとする……。



「実に味気ない」



 そんなことをするくらい、俺の暮らしは淋しいのだ。

 ふと自動再生で料理系Youtuberの動画が流れる。



 家で、うまい魚料理なんてできたら晩酌も充実するんだろうな。

 いいなぁ。いいなぁ。俺の気持ちは高ぶる。

 うぉぉぉぉ。魚さばきてぇぇぇよぉぉぉ。

 



 はぁ。とりあず、料理教室の体験に行くか。

 「さあ、検索を始めよう」

 



 料理の基礎から

 しっかり学べる料理教室

 まずは、体験レッスンへ

 - はじめての方限定 -

 通常4,400円相当が 特別価格

 

 550円!



 これだ! 500ml缶のビール2本分じゃないか。

 俺は早速、次の土曜日の午後のコースを予約する。



 Amazonで包丁や鍋やフライパンを一式揃えたい気持ちを抑えるのが大変だった。

 酔ったときのAmazonほど危ないものはない。



 前に酔ってポチった、携帯用浄水器。泥水まで透明になるコレ。



 多分一生使うことはないだろう……。



 ***

 

 土曜日。

 さぁ、待ちに待った料理教室だ! 充実した晩酌ライフが俺を待ってるぜ。

 期待に胸を弾ませて渋谷へと向かう。



 渋谷駅、宮益坂方面に、歩いて6分。

 おしゃれな打ちっぱなしコンクリート壁面のビルがそびえ立つ。

 

「あの、体験で予約した横島です」

「はい! お待ちしておりました。もうすぐ始まるので教室に入ってお待ち下さい」



 ついに始まる。ワクワクがとまらない。

 ハチャメチャが押し寄せてくる。



 先生が登場だ。軽く挨拶をすると、俺達生徒にグループになるよう指示を出す。

 

 同じグループには、1児のママさん、シンママさん、未亡人マダム。

 4人1組になり、簡単な自己紹介をする。



 ――男少なっ! 熟女多っ!



 俺、最年少だ。大人の女性に囲まれて料理をするのも悪くないぞ。

 きょうの料理は、高知の料理『ナスのたたき』



 ナスを切り、皮面を下にして揚げることできれいな色になる。

 7割方火が入ったら、網に上げて、予熱で火を入れる。

 大葉やら、生姜やら、ネギやら、ニンニクやら。

 とにかく、みじん切りを繰り返し、薬味を作る。



 「実に美味そうだ」



 実習開始!

 ナスに格子の飾り包丁をする。俺の拙い包丁さばきを横目で見て微笑む未亡人マダムのナオさん。その妖艶な雰囲気に俺の黒く光る長茄子が反応する。



 ――最近しばらく、ABCクッキングよりG自慰だったからなぁ。

 あぁ。料理教室楽しぃぃぃ。



 完成した料理を食べる時間がやってきた。

 俺の切った食材を美味しく調理してくれる熟女たち。



 不器用な手つきにあたふたする俺をみて



 「奏斗くん可愛い♥」



 なんて言われると、俺は熟女の魅力に目覚めてしまいそうだ。

 料理教室が終わり、名残惜しみながらも、同じグループの愛しき熟女たちとお別れの時間だ。



 1児のママさんも、シンママさんも、子供のお迎えに行く。

 未亡人マダムのナオさんは、お時間があるとのことで、お茶に誘われた。



 ***



 代官山のカフェに移動する。



 ――おしゃれなカフェだ。お酒も置いてあるじゃないか!



「わたくし、サングリア」

「では俺も、サングリアの白を」



 昼下がりにマダムとサングリア。

 ――おしゃれだ。



「ナオさんは彼氏とかいるんですか?」

「いないわよ。未亡人の熟女なんて誰が相手するのよ」



「奏斗くん、お相手してくれるの?うふふ」



 ははぁん! さみしいのですね。僕が穴埋めしてあげましょう!文字通り……。



 この股間の長茄子でなぁぁぁ

 ブラックロングエッグプラントォォォォ



 俺は、未亡人ナオさんの手を引き、恵比寿駅に向かって走る。

 さながらボニーとクライドだ。

 疾走、その表現がしっくりと来る、その勢いでラブなホテルに走り込む。



 

 はぁぁぁぁん♥ ナスのなすがままぁぁ~!



 

 いたした



 

『美しさは女性の「武器」であり、装いは「知恵」であり、謙虚さは「エレガント」である。』

心のなかにココ・シャネルの言葉が響き渡る。



 

 薄れゆく意識の中、洗面所に向かうナオの気配。化粧を落としているのか。水道の音が心地よい。

 我は、今までにない賢者の時間を過ごし、まどろみの中に落ち、眠りについた。



 

 ――朝、初めての大人の女性に抱かれ、甘い雰囲気の中、目を覚ます。

 上目遣いでナオさんを見上げると、優しく微笑む梨紗がいた。

 



 ――梨紗?




 なぜ、生まれたままの姿の梨紗がいるんだ?



 「お義兄ちゃん! 熟女の魅力はいかがだったかしら」



 クソ! なんという特殊メイク! ちょっとだらしない体まで作り込んでやがったか!

 

「んがぁぁっぁぁぁ! またもや義妹を抱いてしまったぁぁぁぁぁ」

 



 今日も、家で晩酌だ。




 俺は、缶詰を開ける。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う

月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...