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55話
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「彼女の職業ですか?」
【鑑定士】トビは、奴隷商人である男性の話を聞く。
「はい。
彼女の職業は【暗殺者】。
暗殺の失敗で、ここへ連れてこられたのではないかと考えております」
男性の話では、治らない怪我は依頼に失敗して口封じしようとした結果ではないかというものだ。
職業に【暗殺者】を持つということは、ここにいる奴隷達のように元々は普通の職業だった者が罪を犯したのとはわけが違い、仕事として暗殺をしている。
仕事ということは、依頼主がいる。
職業上、その情報は隠されているはずだ。
何があったかわからないがその過程で殺されかけていると考えられる。
「なるほど」
トビは情報を教えてもらったことで、鑑定スキルを使ってみた。
結果はすぐに出る。
※※※
名前:カナタ
職業:【暗殺者】
力:F
体力:F
防御力:F
魔力:F
素早さ:F
器用さ:F
状態:重傷・毒・呪い
※※※
鑑定は、今の能力値を表すため、衰弱している状態がよくわかる。
そして、怪我以外にも毒や呪いといったものも受けていることがわかった。
怪我が治らない原因は、その呪いにあると思う。
ーー『全鑑定』
今の能力値がわかったところで、更に深くまで鑑定していく。
※※※
名前:カナタ
職業:【暗殺者】
力:B
体力:A
防御力:C
魔力:D
素早さ:A
器用さ:A
※※※
これがカナタの元々の能力値だ。
かなり優秀な【暗殺者】だったことがわかる。
「え?・・・」
そして、トビには能力値以外にも情報がわかり、それを見て思わず声が漏れた。
(罪がない・・・)
なんとカナタは、【暗殺者】でありながら罪を犯していなかったのだ。
男性は暗殺の失敗じゃないかというが、結果を見るからに暗殺の依頼すらも受けていないことになる。
そこまでの情報は本来見えないから男性が思い込むのも仕方ないが・・・。
ただそうなると、なぜカナタが殺されかけているのかがわからない。
そして、本当なら彼女が奴隷である理由もないのだ。
「どうされました?」
トビが漏らした声が男性に聞こえたようで、心配してくる。
「いえ。
それより、もし彼女を雇う場合、いくらになりますか?」
「え?
この奴隷を雇うのですか!?」
男性はトビの言葉に驚いていた。
カナタは【暗殺者】という危険な職業を持っている上、治らない怪我まで負っているのだから当たり前だ。
このまま死を待つだけの状態に等しい。
「はい」
それでもトビは雇おうと考えている。
カナタが罪を犯してないのを知っているのはトビだけだし、本来の能力値だけなら喉から手が出るほしい逸材だ。
しかも、カナタはこんな状態でありながら生きることを諦めていなかった。
トビなら怪我を治す手段がわかるかもしれなかった。
【鑑定士】トビは、奴隷商人である男性の話を聞く。
「はい。
彼女の職業は【暗殺者】。
暗殺の失敗で、ここへ連れてこられたのではないかと考えております」
男性の話では、治らない怪我は依頼に失敗して口封じしようとした結果ではないかというものだ。
職業に【暗殺者】を持つということは、ここにいる奴隷達のように元々は普通の職業だった者が罪を犯したのとはわけが違い、仕事として暗殺をしている。
仕事ということは、依頼主がいる。
職業上、その情報は隠されているはずだ。
何があったかわからないがその過程で殺されかけていると考えられる。
「なるほど」
トビは情報を教えてもらったことで、鑑定スキルを使ってみた。
結果はすぐに出る。
※※※
名前:カナタ
職業:【暗殺者】
力:F
体力:F
防御力:F
魔力:F
素早さ:F
器用さ:F
状態:重傷・毒・呪い
※※※
鑑定は、今の能力値を表すため、衰弱している状態がよくわかる。
そして、怪我以外にも毒や呪いといったものも受けていることがわかった。
怪我が治らない原因は、その呪いにあると思う。
ーー『全鑑定』
今の能力値がわかったところで、更に深くまで鑑定していく。
※※※
名前:カナタ
職業:【暗殺者】
力:B
体力:A
防御力:C
魔力:D
素早さ:A
器用さ:A
※※※
これがカナタの元々の能力値だ。
かなり優秀な【暗殺者】だったことがわかる。
「え?・・・」
そして、トビには能力値以外にも情報がわかり、それを見て思わず声が漏れた。
(罪がない・・・)
なんとカナタは、【暗殺者】でありながら罪を犯していなかったのだ。
男性は暗殺の失敗じゃないかというが、結果を見るからに暗殺の依頼すらも受けていないことになる。
そこまでの情報は本来見えないから男性が思い込むのも仕方ないが・・・。
ただそうなると、なぜカナタが殺されかけているのかがわからない。
そして、本当なら彼女が奴隷である理由もないのだ。
「どうされました?」
トビが漏らした声が男性に聞こえたようで、心配してくる。
「いえ。
それより、もし彼女を雇う場合、いくらになりますか?」
「え?
この奴隷を雇うのですか!?」
男性はトビの言葉に驚いていた。
カナタは【暗殺者】という危険な職業を持っている上、治らない怪我まで負っているのだから当たり前だ。
このまま死を待つだけの状態に等しい。
「はい」
それでもトビは雇おうと考えている。
カナタが罪を犯してないのを知っているのはトビだけだし、本来の能力値だけなら喉から手が出るほしい逸材だ。
しかも、カナタはこんな状態でありながら生きることを諦めていなかった。
トビなら怪我を治す手段がわかるかもしれなかった。
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