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50話

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「サポートですか?」


鑑定士かんていし】トビは、【騎士】ロアが言った言葉を聞き返す。


「そうそう。
【鑑定士】を持つ冒険者はいないから役割がわからなかったけど、一緒にパーティーを組んで、君のスキルは支援サポートの役割が大きいと思う」


パーティーを組んでクエストに挑む冒険者達には役割というものが存在していて、前線で直接魔物まものと戦う冒険者以外に、後方で支援サポートする冒険者もいる。


パーティーでは需要が高い【回復職】を持つ冒険者などがそうだ。


トビはその支援サポートに近いと思われる。


「確かにそうかもしれません」


その役割というものをトビ自身もこれまでの戦闘経験で実感している。


特に今回のクエストではそれを大きく感じた。


トビの能力値ステータスでは、Eランクの魔物ですら討伐が厳しくなりつつある。


以前のウルフ討伐では【剣士】シーナの協力とクナイという新しい武器でなんとか対処できたが、今回のストーン・タートル討伐はどれも無理だった。


しかし、支援サポートという面では、ストーン・タートルの討伐にも大きく貢献できている。


トビにしか見えないストーン・タートルの場所はもちろん、弱点である核の場所、そして動きの予測など伝えることで支援サポートとして活躍できている。


今回、パーティーを組んでいるロアみたく、戦闘職を持つ冒険者とパーティーを組めばもっと上のランクも目指せるということだ。


「だけど、このギルドでは支援サポートは厳しいね・・・」


そう、ロアの言う通りだ。


トビの所属するギルドーー【平和ピース】は冒険者がいない。


現状いるギルドメンバーは、トビとロア、ギルドマスターと受付嬢だけだという。


現在ロアとパーティーを組んでいるが、それは調査のためであり、今回だけ。


このギルドでの活動は主に一人であり、ギルドマスターもロアも本来は一人でしか活動していない。


そのため、トビは支援サポートとしてパーティーを組むための相手がいないことになる。


「ですね。
受付嬢さんに今回の報告と共に一応聞いてみます。
ーーやっぱりストーン・タートル討伐の証となるがありません」


トビ達は会話をしつつ、爆発したストーン・タートルから討伐の証を探していた。


予想では、その証となるが爆発の原因だと思っていて、いくら探してもないことから確信を得る。


これからその報告のために一刻も早くギルドに戻らないといけないから、そこでこの話もしようと考えた。

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