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49話

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「ーー次、見つけました。
早速向かいますか?」


鑑定士かんていし】トビは、討伐した二頭目のストーン・タートルから素材回収を終わらせ、鑑定スキルを使うとすぐに三頭目を見つけることができた。


「行こう」


「連戦ですが大丈夫ですか?」


二頭とも【騎士】ロアに討伐を任せているから、トビはロアの疲れを心配する。


硬い甲羅を破壊する程のスキルを使っているから、かなり魔力を消費していると思う。


「問題ないよ。
まだまだいける」


「わかりました」


それでもロアに疲れが見えないのは、Aランク冒険者の実力ということだろう。


◇◇◇


「ーーここです」


「わかった。
早速行くよ!」


ーー『スラッシュ』


トビが見つけた三頭目のストーン・タートルも二頭目と同じ、トビ達が近づいても反応がない。


動かないから二人はそのまま甲羅に乗り、ロアが弱点である核に向けてスキルを乗せた斬撃を放った。


ーーパキンッ


二頭目と同じように核ごと破壊している。


「楽勝だね」


ロアの言う通り、ストーン・タートルは甲羅の上から核を破壊されることを想定していないように簡単に討伐できる。


ーーゴゴゴゴゴッ


だけどその時、討伐して動かないはずのストーン・タートルが突然動き始めた。


「・・・何が起きたの!?」


想定外のことにロアは驚く。


「待ってください、少し変です・・・」


トビの鑑定スキルが異変を感知する。


「どうしたの?」


その瞬間、トビはストーン・タートルのを感知した。


「大変です、ここから離れましょう!
爆発します!」


このストーン・タートルは、主食にしていた鉱石が特殊で、魔力に反応して爆発するような石だった。


ロアのスキルにストーン・タートルの体内にあった石が反応し、爆発を引き起こすようだ。


動いたように見えるのは、その反応のせい。


「わかった!」


二人はすぐに甲羅から飛び降り、かなり距離をとる。


ーードンッッッッッ


その瞬間、トビが言った通り、ストーン・タートルが爆発し、まとっていた甲羅の鎧が飛び散った。


もし気付かず、あのまま甲羅の上にいたら爆発に巻き込まれ、二人とも大怪我を負っていただろう。


「君のおかげで助かった。
こんなことが起きるのは初めてだよ」


「本当に気づけて良かったです」


ロアもストーン・タートルが爆発するという現象を見るのは初めてだったようだ。


トビは鑑定スキルでというのを知ったが、実際は聞いたことがないものである。


何はともあれ、二人とも無傷で助かってよかった。


「ーーパーティーを組んでわかったけど、君の職業はじゃないかな」


二人が想定外の事態から無事助かったところで、ロアがトビにそう言った。

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