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48話
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「ーーありました、これですね」
【鑑定士】トビは、ストーン・タートルの体内からとある石を見つけた。
それが今回のストーン・タートル討伐の証になる。
ストーン・タートルの主食は鉱石であり、その鉱石が体内で入り混じってできたのは、その石である。
特殊な石で、武器の素材などに使われるのだ。
「よし、では次の獲物を探すよ」
「わかりました」
目的の素材が見つかったところで、【騎士】ロアの掛け声と共に次のストーン・タートルを探す。
◇◇◇
「ーー見つけました」
トビが鑑定スキルを使いながらしばらく探し回ると、石に混ざって擬態しているストーン・タートルを見つけた。
「どれ?」
「あれですね」
ロアが見つけた場所を聞いてきたので、指差して教えてあげた。
「・・・ただの石と全く見分けがつかない。
パーティーだと、君のその感知できるスキルだけでも、大助かりだよ」
「ありがとうございます」
今のように魔物が姿を隠して潜んでいる場合など、トビのような感知できるスキルを持っているとかなり役立つ。
ただ、感知スキルを持つ冒険者は少なく、一部のギルドにしかいない。
「ーーさて、弱点の場所までの案内もお願いね」
「任せてください」
トビ達が近づいても、擬態したまま動く様子がないストーン・タートルに、早速攻撃を仕掛ける。
「よっと!」
「そこです」
今回のストーン・タートルは、二人が甲羅の上に乗っても全く動く様子がなかった。
「じゃあいくよ」
ーー『スラッシュ』
動かないなら動かないで楽に弱点の場所にたどり着き、ロアがトビの伝えた場所にスキルの乗った斬撃を放った。
ーーパキンッ
先程同様、一撃で核まで破壊している。
ーー・・・
「・・・終わったのかな?」
今回のストーン・タートルはロアが核を破壊しても全く動かないから心配になる。
「はい、討伐できているみたいです」
トビが鑑定スキルで確認すると討伐は成功していた。
ずっと甲羅にこもっている状態だったから、そのまま息絶えて何も起きなかったのだ。
「よかった。
まさかこんなにすんなり討伐できるなんて、君のおかげだよ」
ロアが言う通り、トビには感知スキルの他に、弱点の場所を見つけられる力があるから安全にここまでスムーズに事が運んだのだ。
ロアの知る討伐方法では、ストーン・タートルに何もさせないということができず、必ず動いてもらう必要がある。
そうなれば危険を伴う可能もあり、決して安全とは言えないだろう。
「いえ、僕もロアさんの力に助けられていますから」
このやり方は、トビだけでは不可能。
ロアという戦闘職を持つ者がいるからできること。
パーティーを組んでいるからこそ、成功しているのだ。
【鑑定士】トビは、ストーン・タートルの体内からとある石を見つけた。
それが今回のストーン・タートル討伐の証になる。
ストーン・タートルの主食は鉱石であり、その鉱石が体内で入り混じってできたのは、その石である。
特殊な石で、武器の素材などに使われるのだ。
「よし、では次の獲物を探すよ」
「わかりました」
目的の素材が見つかったところで、【騎士】ロアの掛け声と共に次のストーン・タートルを探す。
◇◇◇
「ーー見つけました」
トビが鑑定スキルを使いながらしばらく探し回ると、石に混ざって擬態しているストーン・タートルを見つけた。
「どれ?」
「あれですね」
ロアが見つけた場所を聞いてきたので、指差して教えてあげた。
「・・・ただの石と全く見分けがつかない。
パーティーだと、君のその感知できるスキルだけでも、大助かりだよ」
「ありがとうございます」
今のように魔物が姿を隠して潜んでいる場合など、トビのような感知できるスキルを持っているとかなり役立つ。
ただ、感知スキルを持つ冒険者は少なく、一部のギルドにしかいない。
「ーーさて、弱点の場所までの案内もお願いね」
「任せてください」
トビ達が近づいても、擬態したまま動く様子がないストーン・タートルに、早速攻撃を仕掛ける。
「よっと!」
「そこです」
今回のストーン・タートルは、二人が甲羅の上に乗っても全く動く様子がなかった。
「じゃあいくよ」
ーー『スラッシュ』
動かないなら動かないで楽に弱点の場所にたどり着き、ロアがトビの伝えた場所にスキルの乗った斬撃を放った。
ーーパキンッ
先程同様、一撃で核まで破壊している。
ーー・・・
「・・・終わったのかな?」
今回のストーン・タートルはロアが核を破壊しても全く動かないから心配になる。
「はい、討伐できているみたいです」
トビが鑑定スキルで確認すると討伐は成功していた。
ずっと甲羅にこもっている状態だったから、そのまま息絶えて何も起きなかったのだ。
「よかった。
まさかこんなにすんなり討伐できるなんて、君のおかげだよ」
ロアが言う通り、トビには感知スキルの他に、弱点の場所を見つけられる力があるから安全にここまでスムーズに事が運んだのだ。
ロアの知る討伐方法では、ストーン・タートルに何もさせないということができず、必ず動いてもらう必要がある。
そうなれば危険を伴う可能もあり、決して安全とは言えないだろう。
「いえ、僕もロアさんの力に助けられていますから」
このやり方は、トビだけでは不可能。
ロアという戦闘職を持つ者がいるからできること。
パーティーを組んでいるからこそ、成功しているのだ。
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