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44話
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「ーー見つけました」
【鑑定士】トビは、見つけるのが困難とされるストーン・タートルを探すために鑑定スキルを使った。
そして、見事にその反応を捉えることができ、見つけ出せたのだ。
「・・・なるほどね。
周囲のものを全て鑑定して、魔物の反応だけを感知したわけだね」
すると、【騎士】ロアがトビの行なった鑑定スキルの能力を観察しただけで言い当てた。
「よくわかりましたね」
一度見ただけでスキルの内容がわかったことに、トビは純粋に驚く。
「感知スキルを持つ冒険者は何度か出会ったことがあるので知っていただけだよ。
ただ、【鑑定士】のスキルにそんな使い方があるのは、初めて知った・・・」
ロアがスキルの内容を言い当てたのは、様々な冒険者と出会っているからにある。
伊達にAランク冒険者になっているわけではないということ。
だけど、【鑑定士】が冒険者になったという事例がないように、トビのことはロアでもわからないようだ。
◇◇◇
「ーーこれがストーン・タートルですね」
トビとロアは、行なった鑑定スキルについて話を終え、早速魔物の反応があった場所に来た。
目の前には大きな石があり、そこから魔物の反応がしている。
近付いてみても、ただの大きな石だと思う程、精巧な作りになっている。
ーーゴゴゴゴゴッ
その時、突然その大きな石が揺れ始めた。
よく見ると、石の隙間から魔物の手足のようなものが生えてきて、大きな石に見える甲羅を持ち上げようとしているのだ。
「本当にストーン・タートルみたいだね」
突然動き出したことで、見た目からもストーン・タートルだと確信を得ることができた。
ーーゴゴゴゴゴッ
そして、甲羅が少しだけ持ち上がると今度は首と尻尾が出てきて、カメの姿へと変わった。
「大きいですね」
トビは初めて見るストーン・タートルの大きさに驚く。
大きな石だと思っていた甲羅の時点で人の身長ぐらいあり、少し立ち上がったことで更に高さを増している。
今、甲羅の天辺を見るには見上げないといけないほどだ。
「さて、君はこのストーン・タートルをどうやって討伐するのかな?
私に見せて」
すると、驚いているトビの横で、ロアがそう言った。
パーティーを組んではいるが、ロアは最初何もしないということだ。
理由としては、ロアはAランク冒険者だから既にその過程でストーン・タートルを討伐している。
討伐方法を知っているため、すぐに力を貸してしまったらトビ自身のためにならないということだ。
「わかりました。
やってみます」
トビはそのロアの意図を汲み取っていて、すぐに一人で挑む決断をしていた。
正直、元々一人でこのクエストを受ける予定だったから、何も変わらないということだ。
【鑑定士】トビは、見つけるのが困難とされるストーン・タートルを探すために鑑定スキルを使った。
そして、見事にその反応を捉えることができ、見つけ出せたのだ。
「・・・なるほどね。
周囲のものを全て鑑定して、魔物の反応だけを感知したわけだね」
すると、【騎士】ロアがトビの行なった鑑定スキルの能力を観察しただけで言い当てた。
「よくわかりましたね」
一度見ただけでスキルの内容がわかったことに、トビは純粋に驚く。
「感知スキルを持つ冒険者は何度か出会ったことがあるので知っていただけだよ。
ただ、【鑑定士】のスキルにそんな使い方があるのは、初めて知った・・・」
ロアがスキルの内容を言い当てたのは、様々な冒険者と出会っているからにある。
伊達にAランク冒険者になっているわけではないということ。
だけど、【鑑定士】が冒険者になったという事例がないように、トビのことはロアでもわからないようだ。
◇◇◇
「ーーこれがストーン・タートルですね」
トビとロアは、行なった鑑定スキルについて話を終え、早速魔物の反応があった場所に来た。
目の前には大きな石があり、そこから魔物の反応がしている。
近付いてみても、ただの大きな石だと思う程、精巧な作りになっている。
ーーゴゴゴゴゴッ
その時、突然その大きな石が揺れ始めた。
よく見ると、石の隙間から魔物の手足のようなものが生えてきて、大きな石に見える甲羅を持ち上げようとしているのだ。
「本当にストーン・タートルみたいだね」
突然動き出したことで、見た目からもストーン・タートルだと確信を得ることができた。
ーーゴゴゴゴゴッ
そして、甲羅が少しだけ持ち上がると今度は首と尻尾が出てきて、カメの姿へと変わった。
「大きいですね」
トビは初めて見るストーン・タートルの大きさに驚く。
大きな石だと思っていた甲羅の時点で人の身長ぐらいあり、少し立ち上がったことで更に高さを増している。
今、甲羅の天辺を見るには見上げないといけないほどだ。
「さて、君はこのストーン・タートルをどうやって討伐するのかな?
私に見せて」
すると、驚いているトビの横で、ロアがそう言った。
パーティーを組んではいるが、ロアは最初何もしないということだ。
理由としては、ロアはAランク冒険者だから既にその過程でストーン・タートルを討伐している。
討伐方法を知っているため、すぐに力を貸してしまったらトビ自身のためにならないということだ。
「わかりました。
やってみます」
トビはそのロアの意図を汲み取っていて、すぐに一人で挑む決断をしていた。
正直、元々一人でこのクエストを受ける予定だったから、何も変わらないということだ。
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