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29話
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ーー『範囲鑑定』
【鑑定士】トビは、女冒険者ーーシーナとの自己紹介を済ませた所で、早速、潜んで様子をうかがっているであろうウルフ達を探す。
「ーーあの岩の影に二頭のウルフがいるみたいですね。
あれから討伐しましょうか」
探すと言ったが、ウルフ達はトビ達を監視しているだけあり、近くに潜んでいるのをすぐに見つけた。
トビ達がいる場所から最も近い、隠れやすい大きな岩の裏だ。
トビは鑑定スキルで見つけたウルフの場所をすぐにシーナに伝える。
「え?どこですか?」
すると、トビが伝えた場所をシーナが確認しようとするがウルフの姿は見えない。
それもそのはずで、潜んでいるのだから簡単に見つかるわけもなかった。
トビ自身も見えているわけではなく、鑑定スキルで、そこにいると感知できているだけに過ぎない。
「岩の裏に一頭と岩の手前に一頭隠れていますね」
「トビさんは、感知スキルを持っているのですか?」
シーナは伝えた場所を一生懸命探すが見つからないことから、感知できるスキルだとわかったようだ。
「まぁ、そんな感じのスキルです」
多分トビが鑑定スキルで感知していると伝えても伝わらないと思い、そう答えた。
「すごい。
だから、一人でもウルフ討伐を続けようと思ったわけですか」
トビに感知できるスキルがあると知ったシーナは、一人でウルフ討伐をしようとしていた理由がわかったようだ。
「そういうことです。
移動される前に行きましょう」
トビは簡単にではあるが、シーナに自分のスキルを知ってもらい、信用を得れたところで移動を開始した。
ウルフ達はトビ達に居場所がバレていないと思っているから、近付けば自然とウルフ達が襲ってくるだろう。
「ーーシーナさん、まず岩の手前にいるウルフが先に襲ってくると思うので、お願いできますか?
僕は岩の裏に潜んでいるウルフをやりますので」
「わかりました」
トビ達はウルフが潜んでいる岩に近付きながら作戦を立てる。
最初に襲ってくるであろうウルフをシーナに任せたのは、盾を持っているから場所さえわかれば防げると思ったからだ。
それに岩の裏にいるウルフが奇襲に失敗したことで、どう動くかわからないので、そっちにトビ自身が向かった方がよかった。
ーーガルルルルルッ
すると、トビの予想通り、岩の前に潜んでいたウルフがシーナに向かって突然襲い掛かってきた。
「きましたね」
ーーカンッ
トビがあらかじめシーナに襲ってくることを伝えていたために、落ち着いて対処することができていた。
ーーガルルルルルッ
ウルフは奇襲を防がれたことで、どこか不服そうだ。
ーーガサガサッ
その時、奇襲が失敗したことで岩の後ろにいたウルフが行動を開始する。
「シーナさん、そのウルフをお願いします」
「任せてください」
トビは目の前のウルフをシーナに任せ、移動したウルフを追いかけ始めた。
【鑑定士】トビは、女冒険者ーーシーナとの自己紹介を済ませた所で、早速、潜んで様子をうかがっているであろうウルフ達を探す。
「ーーあの岩の影に二頭のウルフがいるみたいですね。
あれから討伐しましょうか」
探すと言ったが、ウルフ達はトビ達を監視しているだけあり、近くに潜んでいるのをすぐに見つけた。
トビ達がいる場所から最も近い、隠れやすい大きな岩の裏だ。
トビは鑑定スキルで見つけたウルフの場所をすぐにシーナに伝える。
「え?どこですか?」
すると、トビが伝えた場所をシーナが確認しようとするがウルフの姿は見えない。
それもそのはずで、潜んでいるのだから簡単に見つかるわけもなかった。
トビ自身も見えているわけではなく、鑑定スキルで、そこにいると感知できているだけに過ぎない。
「岩の裏に一頭と岩の手前に一頭隠れていますね」
「トビさんは、感知スキルを持っているのですか?」
シーナは伝えた場所を一生懸命探すが見つからないことから、感知できるスキルだとわかったようだ。
「まぁ、そんな感じのスキルです」
多分トビが鑑定スキルで感知していると伝えても伝わらないと思い、そう答えた。
「すごい。
だから、一人でもウルフ討伐を続けようと思ったわけですか」
トビに感知できるスキルがあると知ったシーナは、一人でウルフ討伐をしようとしていた理由がわかったようだ。
「そういうことです。
移動される前に行きましょう」
トビは簡単にではあるが、シーナに自分のスキルを知ってもらい、信用を得れたところで移動を開始した。
ウルフ達はトビ達に居場所がバレていないと思っているから、近付けば自然とウルフ達が襲ってくるだろう。
「ーーシーナさん、まず岩の手前にいるウルフが先に襲ってくると思うので、お願いできますか?
僕は岩の裏に潜んでいるウルフをやりますので」
「わかりました」
トビ達はウルフが潜んでいる岩に近付きながら作戦を立てる。
最初に襲ってくるであろうウルフをシーナに任せたのは、盾を持っているから場所さえわかれば防げると思ったからだ。
それに岩の裏にいるウルフが奇襲に失敗したことで、どう動くかわからないので、そっちにトビ自身が向かった方がよかった。
ーーガルルルルルッ
すると、トビの予想通り、岩の前に潜んでいたウルフがシーナに向かって突然襲い掛かってきた。
「きましたね」
ーーカンッ
トビがあらかじめシーナに襲ってくることを伝えていたために、落ち着いて対処することができていた。
ーーガルルルルルッ
ウルフは奇襲を防がれたことで、どこか不服そうだ。
ーーガサガサッ
その時、奇襲が失敗したことで岩の後ろにいたウルフが行動を開始する。
「シーナさん、そのウルフをお願いします」
「任せてください」
トビは目の前のウルフをシーナに任せ、移動したウルフを追いかけ始めた。
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