23 / 58
23話
しおりを挟む
ーー【鑑定士】トビは、早速Eランククエストのウルフ討伐を受けた。
受付嬢の話では、泉がある森を抜けた先に草原が広がっていて、そこをウルフ達が根城にしているらしい。
ただ、ウルフは凶暴な性格で、稀に根城から出て、森のスライムや洞窟のゴブリン達、冒険者さえも襲うことがあるそうだ。
前に助けた冒険者はそこでウルフに出会ったのかもしれない。
ーー現在トビは、森を抜けて、草原までやってきた。
鑑定スキルを使い、森でウルフを探してみたが見つけることができなかったのだ。
もし、森でウルフと出会っていれば、冒険者を助けた時のようにトビにとって有利に働いただろう。
「ここにウルフが・・・」
森でウルフに出会えなかったのは残念だが、目的の場所に着いたことで気持ちを切り替える。
目の前に広がる草原は、森の中とは違い、障害物も少なく広範囲にわたって見渡すことができた。
「あれは・・・」
視野が広くなった分、見つかるものも多い。
その草原にはトビ以外に他の冒険者がいた。
今まで視界の狭い森や洞窟だったため、同じ冒険者と出会う機会はなく、助けた冒険者以外で初めて出会う。
距離が少し離れているものの、その冒険者は、トビと同じ一人で活動しているようだ。
それも女の冒険者。
ここにいるということはトビと同じくウルフの討伐に来ているのだろう。
「戦っている・・・」
よく見ると、その女冒険者は既に一頭のウルフ相手に戦っていた。
短剣と盾を持っていて、盾で防いで攻撃をするという戦闘スタイルのようだ。
短剣を持っているのはトビと同じだけど、盾がある分戦い方が違う。
ーーガルルルルルッ
ーーカンッ
女冒険者は、ウルフの攻撃をしっかりと盾で防いで、短剣で反撃しているから直に戦闘は終わるだろう。
「ーーあれはまずいよね・・・」
だけど、トビは女冒険者の背後にウルフがもう一頭迫っていることに気付いた。
トビは別の視点から見ているから気付くことができたけど、草の中に潜んでいて、女冒険者はもう一頭のウルフに気付いていない。
そのウルフはチャンスを伺っているようだ。
トビは危険だと判断し、女冒険者の元に駆け出す。
一頭のウルフを討伐するだけなら女冒険者だけでも問題ないが、もう一頭いるとなると話は別だ。
トビは前に助けた冒険者の二の舞になると感じた。
ーーガルルルルルッ
ーーカンッ
女冒険者は背後にいるもう一頭のウルフに気付くことなく、目の前のウルフに集中していて、来た攻撃を防いでいた。
ーーガルルルルルッ
その時、背後のウルフがもう一頭のウルフの攻撃に合わせるように、女冒険者に襲い掛かる。
「え?」
女冒険者は背後のウルフが飛び出したことで、ウルフがもう一頭いることに気付いた。
しかし、既に遅い。
女冒険者に防ぐ術はなかった。
受付嬢の話では、泉がある森を抜けた先に草原が広がっていて、そこをウルフ達が根城にしているらしい。
ただ、ウルフは凶暴な性格で、稀に根城から出て、森のスライムや洞窟のゴブリン達、冒険者さえも襲うことがあるそうだ。
前に助けた冒険者はそこでウルフに出会ったのかもしれない。
ーー現在トビは、森を抜けて、草原までやってきた。
鑑定スキルを使い、森でウルフを探してみたが見つけることができなかったのだ。
もし、森でウルフと出会っていれば、冒険者を助けた時のようにトビにとって有利に働いただろう。
「ここにウルフが・・・」
森でウルフに出会えなかったのは残念だが、目的の場所に着いたことで気持ちを切り替える。
目の前に広がる草原は、森の中とは違い、障害物も少なく広範囲にわたって見渡すことができた。
「あれは・・・」
視野が広くなった分、見つかるものも多い。
その草原にはトビ以外に他の冒険者がいた。
今まで視界の狭い森や洞窟だったため、同じ冒険者と出会う機会はなく、助けた冒険者以外で初めて出会う。
距離が少し離れているものの、その冒険者は、トビと同じ一人で活動しているようだ。
それも女の冒険者。
ここにいるということはトビと同じくウルフの討伐に来ているのだろう。
「戦っている・・・」
よく見ると、その女冒険者は既に一頭のウルフ相手に戦っていた。
短剣と盾を持っていて、盾で防いで攻撃をするという戦闘スタイルのようだ。
短剣を持っているのはトビと同じだけど、盾がある分戦い方が違う。
ーーガルルルルルッ
ーーカンッ
女冒険者は、ウルフの攻撃をしっかりと盾で防いで、短剣で反撃しているから直に戦闘は終わるだろう。
「ーーあれはまずいよね・・・」
だけど、トビは女冒険者の背後にウルフがもう一頭迫っていることに気付いた。
トビは別の視点から見ているから気付くことができたけど、草の中に潜んでいて、女冒険者はもう一頭のウルフに気付いていない。
そのウルフはチャンスを伺っているようだ。
トビは危険だと判断し、女冒険者の元に駆け出す。
一頭のウルフを討伐するだけなら女冒険者だけでも問題ないが、もう一頭いるとなると話は別だ。
トビは前に助けた冒険者の二の舞になると感じた。
ーーガルルルルルッ
ーーカンッ
女冒険者は背後にいるもう一頭のウルフに気付くことなく、目の前のウルフに集中していて、来た攻撃を防いでいた。
ーーガルルルルルッ
その時、背後のウルフがもう一頭のウルフの攻撃に合わせるように、女冒険者に襲い掛かる。
「え?」
女冒険者は背後のウルフが飛び出したことで、ウルフがもう一頭いることに気付いた。
しかし、既に遅い。
女冒険者に防ぐ術はなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
131
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる