18 / 58
18話
しおりを挟む
「はぁっ!」
【鑑定士】トビが反撃するように、短剣でゴブリンの弱点である核を狙う。
ーーギギギギギッ
すると、ゴブリンは危機感を感じたのか咄嗟に避ける行動を起こした。
普通だったらそれでトビの攻撃は避けられてしまう。
「ここっ!」
ーーギギッ!?
だけど、ゴブリンが避けても尚、トビの短剣はゴブリンの弱点を捉えたままだ。
何故かというと、トビの鑑定スキルーー『全鑑定』はゴブリンが避けることさえも鑑定していた。
そのため、トビにはあらかじめ避けることがわかっていて、どこに移動するかも把握していたのだ。
そこで避けるのを見越して、避けた先で短剣が当たるように調整していた。
ーーパキンッ
避けても尚追うトビの短剣はそのままゴブリンの核を貫き、破壊する。
「よしっ!」
ゴブリンの初討伐はこうして見事に成功した。
新たな鑑定スキルの使い道ができてから、正面からの討伐もスムーズだ。
◇◇◇
ーーその後も洞窟を進みつつ、ゴブリンに出会っては討伐を繰り返していた。
ある程度ゴブリンと戦い、わかったことがある。
ゴブリンは主に一頭で行動していて、まるで洞窟の見回りをしているようだ。
一頭ずつでしか出会わないからトビにとっては有り難い。
しかし、かなりの数のゴブリンが巡回しているようで、出会う確率がかなり高い。
もし戦闘が長引いたりすると、別のゴブリンが現れる可能性が高いし、受付嬢が教えてくれた仲間を呼ぶゴブリンがいれば、すぐにゴブリン達が集まってきてしまうだろう。
ーーギギギギギッ
そんなことを考えていると、またゴブリンに出会った。
トビは短剣を構えて戦闘態勢に入る。
既に何度も戦っているから、討伐する流れは既にできている。
ゴブリンは主に見つめた瞬間襲い掛かってくるから、その攻撃を避けてから反撃をして、討伐する流れだ。
「ん?」
しかし、今出会ったゴブリンは何故か見つけても襲っては来ない。
それどころか様子をうかがうような動きをしている。
(なんだ?・・・)
トビは初めての行動に戸惑う。
するとその時、ゴブリンが別の行動を始めた。
「まさかっ!」
トビは気付いた。
次そのゴブリンが行なう行動は、大きな声を出すような動き。
雄叫びだ。
ーーギギィィィィィッ
ゴブリンの雄叫びは洞窟内に響き渡る。
トビは初めて、受付嬢が言っていた仲間を呼ぶ賢いゴブリンと出会ったのだ。
「これはまずい・・・」
雄叫びを上げたということは、巡回している他のゴブリン達に知らせたことになり、すぐにゴブリン達が集まってくるだろう。
仲間を呼ばれる前に対処できなかった以上、トビには逃げる選択肢しかなかった。
「くそぉ・・・」
トビは来た道を逃げるように引き返す。
ーーギギギギギッ
ーーギギギギギッ
その間に遠くからどんどんゴブリンが集まってきて、追ってきているのがわかった。
(やり方を間違えた・・・)
逃げながら、トビは後悔する。
戦い方を間違えたと・・・。
【鑑定士】トビが反撃するように、短剣でゴブリンの弱点である核を狙う。
ーーギギギギギッ
すると、ゴブリンは危機感を感じたのか咄嗟に避ける行動を起こした。
普通だったらそれでトビの攻撃は避けられてしまう。
「ここっ!」
ーーギギッ!?
だけど、ゴブリンが避けても尚、トビの短剣はゴブリンの弱点を捉えたままだ。
何故かというと、トビの鑑定スキルーー『全鑑定』はゴブリンが避けることさえも鑑定していた。
そのため、トビにはあらかじめ避けることがわかっていて、どこに移動するかも把握していたのだ。
そこで避けるのを見越して、避けた先で短剣が当たるように調整していた。
ーーパキンッ
避けても尚追うトビの短剣はそのままゴブリンの核を貫き、破壊する。
「よしっ!」
ゴブリンの初討伐はこうして見事に成功した。
新たな鑑定スキルの使い道ができてから、正面からの討伐もスムーズだ。
◇◇◇
ーーその後も洞窟を進みつつ、ゴブリンに出会っては討伐を繰り返していた。
ある程度ゴブリンと戦い、わかったことがある。
ゴブリンは主に一頭で行動していて、まるで洞窟の見回りをしているようだ。
一頭ずつでしか出会わないからトビにとっては有り難い。
しかし、かなりの数のゴブリンが巡回しているようで、出会う確率がかなり高い。
もし戦闘が長引いたりすると、別のゴブリンが現れる可能性が高いし、受付嬢が教えてくれた仲間を呼ぶゴブリンがいれば、すぐにゴブリン達が集まってきてしまうだろう。
ーーギギギギギッ
そんなことを考えていると、またゴブリンに出会った。
トビは短剣を構えて戦闘態勢に入る。
既に何度も戦っているから、討伐する流れは既にできている。
ゴブリンは主に見つめた瞬間襲い掛かってくるから、その攻撃を避けてから反撃をして、討伐する流れだ。
「ん?」
しかし、今出会ったゴブリンは何故か見つけても襲っては来ない。
それどころか様子をうかがうような動きをしている。
(なんだ?・・・)
トビは初めての行動に戸惑う。
するとその時、ゴブリンが別の行動を始めた。
「まさかっ!」
トビは気付いた。
次そのゴブリンが行なう行動は、大きな声を出すような動き。
雄叫びだ。
ーーギギィィィィィッ
ゴブリンの雄叫びは洞窟内に響き渡る。
トビは初めて、受付嬢が言っていた仲間を呼ぶ賢いゴブリンと出会ったのだ。
「これはまずい・・・」
雄叫びを上げたということは、巡回している他のゴブリン達に知らせたことになり、すぐにゴブリン達が集まってくるだろう。
仲間を呼ばれる前に対処できなかった以上、トビには逃げる選択肢しかなかった。
「くそぉ・・・」
トビは来た道を逃げるように引き返す。
ーーギギギギギッ
ーーギギギギギッ
その間に遠くからどんどんゴブリンが集まってきて、追ってきているのがわかった。
(やり方を間違えた・・・)
逃げながら、トビは後悔する。
戦い方を間違えたと・・・。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説
転移想像 ~理想郷を再現するために頑張ります~
すなる
ファンタジー
ゼネコン勤務のサラリーマンが祖父の遺品を整理している中で突如異世界に転移してしまう。
若き日の祖父が言い残した言葉に導かれ、未知の世界で奮闘する物語。
魔法が存在する異世界で常識にとらわれず想像力を武器に無双する。
人間はもちろん、獣人や亜人、エルフ、神、魔族など10以上の種族と魔物も存在する世界で
出会った仲間達とともにどんな種族でも平和に暮らせる街づくりを目指し奮闘する。
その中で図らずも世界の真実を解き明かしていく。
最弱クラスからの逆転冒険者ライフ! ~不遇スキルで魔王討伐?! パーティーは奇形・単眼・屍喰鬼(グール)娘のハーレム!?~
司条 圭
ファンタジー
普通の高校2年生、片上勇二は軽トラに轢かれそうになった子犬を助けた……つもりで、肥溜めに落ちて窒息死する。
天国に行くかと思いきや、女神様に出会い、けちょんけちょんにけなされながら異世界へ強制的に転生することに。
しかし、聖剣にも匹敵するであろう「強化」スキルのおまけつき!
これなら俺も異世界で無双出来る!
ヒャッホウしている勇二に、女神は、ダンジョンの最深部にいる魔王を倒せなければ、次の転生はミジンコだと釘を刺されてしまう。
異世界に着いたのは良いが、貰った「強化」スキルは、自分の能力を増幅させるもの!
……かと思いきや、他者が使ったスキルを強化させるためのスキルでしかなかった。
それでいて、この世界では誰でも使えるが、誰も使わない……というより、使おうともしない最弱スキル。
しかも、ステータスは並以下、クラスは最弱のノービス。
しかもしかも、冒険者ギルドに薦められた仲間は3本目の腕を持つ奇形娘。
それから立て続けに、単眼娘、屍喰鬼(グール)娘が仲間になり、色モノパーティーに……
だが俺は、心底痛感することになる。
仲間の彼女たちの強い心と卓越した能力。
そして何より、俺のスキル「強化」の持つ潜在能力を……!
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
落ちこぼれの烙印を押された少年、唯一無二のスキルを開花させ世界に裁きの鉄槌を!
酒井 曳野
ファンタジー
この世界ニードにはスキルと呼ばれる物がある。
スキルは、生まれた時に全員が神から授けられ
個人差はあるが5〜8歳で開花する。
そのスキルによって今後の人生が決まる。
しかし、極めて稀にスキルが開花しない者がいる。
世界はその者たちを、ドロップアウト(落ちこぼれ)と呼んで差別し、見下した。
カイアスもスキルは開花しなかった。
しかし、それは気付いていないだけだった。
遅咲きで開花したスキルは唯一無二の特異であり最強のもの!!
それを使い、自分を蔑んだ世界に裁きを降す!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界で俺はチーター
田中 歩
ファンタジー
とある高校に通う普通の高校生だが、クラスメイトからはバイトなどもせずゲームやアニメばかり見て学校以外ではあまり家から出ないため「ヒキニート」呼ばわりされている。
そんな彼が子供のころ入ったことがあるはずなのに思い出せない祖父の家の蔵に友達に話したのを機にもう一度入ってみることを決意する。
蔵に入って気がつくとそこは異世界だった?!
しかも、おじさんや爺ちゃんも異世界に行ったことがあるらしい?
俺だけ成長限界を突破して強くなる~『成長率鈍化』は外れスキルだと馬鹿にされてきたけど、実は成長限界を突破できるチートスキルでした~
つくも
ファンタジー
Fランク冒険者エルクは外れスキルと言われる固有スキル『成長率鈍化』を持っていた。
このスキルはレベルもスキルレベルも成長効率が鈍化してしまう、ただの外れスキルだと馬鹿にされてきた。
しかし、このスキルには可能性があったのだ。成長効率が悪い代わりに、上限とされてきたレベル『99』スキルレベル『50』の上限を超える事ができた。
地道に剣技のスキルを鍛え続けてきたエルクが、上限である『50』を突破した時。
今まで馬鹿にされてきたエルクの快進撃が始まるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる