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14話

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◇◇◇


ーー次の日。


鑑定士かんていし】トビは、もう一度スライム討伐のクエストを受けて、森の中に来ていた。


昨日あった、冒険者が魔物まものに襲われる事件で、再度自身の立ち回りを考えようと思ったのだ。


今のトビは鑑定スキルのおかげで、魔物に見つかる前に奇襲することができて、簡単に討伐できている。


しかし、これから先、奇襲がずっとできるかもわからないし、仮に奇襲ができてもそこで倒せない可能性もあると考えたのだ。


げんに、ウルフに奇襲攻撃した際、上手く決まったけどその一撃で倒し切れず、暴れていた。


その後の一撃も拘束できていたからよかったけど、あれがなければどうなっていたか・・・。


そこで今回、奇襲を使わずに討伐する作戦を考えた。


ーーポヨンポヨンッ


「見つけた」


早速トビは目的であるスライムを発見した。


ちょうど一頭であり、チャンスだ。


「いくぞ」


トビは短剣を構え、スライムの前に立った。


奇襲を使わないということは、正面から魔物に挑むということだ。


トビの能力ステータスはスライムの能力ステータスを上回っているから正面から挑んでも十分勝算がある。


ーーポヨンッ


スライムもトビの存在を感知したように早速襲ってきた。


「よっと!」


トビは急なスライムの攻撃を、意図も容易く回避する。


今回、正面から魔物に挑むにあたって、トビは無策で挑んだわけではない。


対策を考えていた。


それは、鑑定スキルの新たな使い方にある。


ーー『全鑑定フル・アプレイザル


鑑定アプレイザル』による鑑定よりも、


元々トビが持っていたスキルで、今まで使い道がなかったものだ。


ギルド職員をやっていた時は人に頻繁に使っていたけど、冒険者になりその時の使い方が必要なくなっていた。


しかし、今回、このスキルの新たな使い道が思いついた。


それが発見できたのは偶然で、全ては昨日のウルフ戦にある。


ウルフを鑑定した際に、トビは未知の魔物ということで、『全鑑定フル・アプレイザル』を使っていた。


緊急を要していて、能力ステータス以外にも、できるだけ迅速に細かな情報が欲しかったからだ。


鑑定するまで知らなかったはずのウルフの情報ーー核が額にあるのを知っていたのもそういう理由。


それから、わかった情報が他にもあった。


あの時トビは、ウルフの行動が


弱点が額にある事。


奇襲を仕掛ける絶好のタイミング。


動きを止めるための方法。


暴れるタイミングなど、全て。


全鑑定フル・アプレイザル』の持つは、魔物に使うとになる。

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